11月3日の米中間選挙を控え、トランプ米大統領は7日にテキサス州サンアントニオを訪問した。CNNなどの報道によると、上院選に出馬するケン・パクストン州司法長官の応援が目的だが、パクストン氏の苦戦やトランプ氏の発言を巡り共和党内での緊張が浮き彫りとなっている。
トランプ大統領が1カ月足らずで3度目のテキサス州へ
米中間選挙が間近に迫る中、トランプ米大統領は7日にテキサス州サンアントニオ入りした。CNNによると、これはここ1カ月足らずで3度目となる同州訪問となる。共和党が上院支配を維持できるかどうかは非常に厳しい情勢となっており、伝統的な共和党の牙城であるテキサス州での結果が多数派への道を大きく左右するとみられている。世論調査では、パクストン氏が民主党候補のジェームズ・タラリコ氏を相手に予想以上の接戦を強いられており、共和党はてこ入れのために数百万ドルを投入している。
集会での相次ぐ妨害と高まる共和党内の懸念
サンアントニオのフリーマン・コロシアムで開かれた集会では、AP通信によると、演説中に少なくとも10人の野次馬が法執行機関や警備員によって連行されるか、自ら立ち去るなどした。トランプ支持者からはブーイングが起こり、大統領は排除された者の一部を嘲笑した。AP通信は、こうした混乱が、従来は確実に共和党の地盤とみなされてきた同州における選挙戦に対する共和党内の高まる懸念を浮き彫りにしていると伝えている。テキサス州のアボット知事は日程が合わないとして、7日夜のトランプ氏の集会や先週のイベントをいずれも欠席している。
漏洩した音声とパクストン陣営の対応
パクストン氏自身も、苦戦の一因はトランプ氏やその政策にあると受け取れる発言で注目を集めている。米ニュースサイト「アクシオス」が入手した音声によると、パクストン氏は先月、献金者らに対しイランとの戦争やガソリン価格高騰で選挙戦が打撃を受けていると述べた。CNNはこの音声を独自に確認していない。パクストン陣営の広報担当者はCNNに寄せた声明で、「司法長官が述べたのはテキサス州の住民なら誰もがすでに知っていることだ」と説明し、ガソリンや食料品価格の高騰で州民が苦しい思いをしていると主張した。また、ニューヨーク・タイムズも先週、ダラスでの党大会は役に立たなかったとパクストン氏が不満を漏らす音声を公開していた。
トランプ氏による候補者評と緊張関係
今年行われた共和党予備選の決選投票ではパクストン氏を支持したトランプ氏だが、2人の関係には緊張もうかがえる。トランプ氏は7日、大統領執務室で記者団に対し、パクストン氏を支持したことに後悔はないと語った。先週のデントン訪問時にはパクストン氏を「最も忠実な人物の1人」と評する一方、「やっかいな面もある」と言及し、ダラスの党大会の演説では服装を揶揄する場面もあった。テキサス州の共和党ストラテジストは、パクストン陣営にとってトランプ氏の来訪には絶対的な価値があるとの算段だと指摘している。

今後の資金投入と選挙戦の行方
トランプ氏のテキサス訪問がパクストン氏の支持を押し上げられるかどうかが注目されており、その結果次第でテキサス州への資金投入を継続するかが決まる可能性があると共和党ストラテジストは分析している。トランプ氏は各地の集会で、今秋の選挙では自分の名前が投票用紙に載っているかのように投票してほしいと求めており、顧問らは支持基盤の投票率引き上げが勝利のカギであると見ている。11月3日の選挙本番に向け、共和党の多数派維持をかけた攻防は最終局面を迎えている。