ドナルド・トランプ米大統領は金曜日、イランがワシントンとの間で正しい合意(right deal)を結ぶ準備が整っていないとの見解を表明した。トランプ氏は記者団に対し、イラン側は合意を望んではいるが、自身の考える適切な条件を受け入れる準備はできていないと述べた。
経済的圧力の強化と軍事オプション
トランプ大統領は、経済的な圧力を強めることで、制裁がイラン経済に与える影響を注視する意向であると語った。この経済措置の強化が米国の軍事的な選択肢を制限することを否定し、ワシントンは今後何が起こるかを見極めるとしている。
また、米政府は今週、イラン指導部の転覆を目的として、史上最も厳しい金融制裁を課すと表明した。スコット・ベセント財務長官は、イランにいかなる種類のライフラインを提供した国に対しても経済的な結果が伴うというトランプ氏の警告を受け、月曜日に計画されている制裁の詳細を明らかにすると述べている。
トランプ氏は、イランの現状について以下のような主張を展開した。
- 経済状況:インフレ率が300%から350%に達し、資金が枯渇している。
- 軍事能力:海軍や空軍が存在せず、兵士や警察への給与支払いもできていない。
- 生産能力:ミサイルやドローンを一部保有しているが、その製造能力は5ヶ月前と比較して非常に低い。
ホルムズ海峡の支配権を巡る主張
トランプ大統領は、戦略的に重要なホルムズ海峡とその周辺の陸上地域を含め、米国がその地域全体を完全にコントロール(total control)していると主張した。さらに、サウスカロライナ州マートルビーチでの集会では、同海峡をアメリカの領土(American territory)であると表現し、Truth Social上で同海峡を「新しい米国領」として描いたAI生成画像を共有した。

一方で、実際の海上状況はトランプ氏の主張とは対照的である。英国海上貿易運用センター(UKMTO)が金曜日に報告したところによると、治安リスクや商業船への頻繁な攻撃により、海峡を通過する船舶の交通量は戦前の水準を約90%下回っている。
紛争の経緯と外交的停滞
米国とイランの紛争は、2月下旬に米国とイスラエルがイランに対して行った電撃的な攻撃によって始まった。これに対しテヘラン側は、イスラエルおよび米軍基地がある湾岸諸国への攻撃で応戦した。この一連の攻撃により、数千人が死亡し、数百万人もの人々が避難を余儀なくされた。
外交的な解決への試みもあり、6月には米国とイランの間で敵対行為の停止と海峡の航行再開を求める覚書が締結された。しかし、実施条件や航行の在り方を巡る慢性的な争いにより、この合意は数週間で崩壊した。
トランプ大統領はまた、イランが核兵器を保有することは決して許されないと強調し、核保有を阻止しなければ非常に悪いことが起こると警告した。
地域情勢の現状まとめ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 紛争期間 | 約6ヶ月(2月下旬に開始) |
| 海峡の交通量 | 戦前比で約90%減少(UKMTO報告) |
| 米軍の活動 | 8月20日時点で67隻の商船を転送、3隻を無効化、2隻に立ち入り検査を実施(CENTCOM発表) |
| 主な争点 | 核兵器保有の阻止、ホルムズ海峡の支配権、経済制裁の適用 |