米国のドナルド・トランプ大統領は2026年10月13日、議会中選挙を控えてアラスカ州ワシラを訪問し、共和党のダン・サリバン上院議員の再選支持を訴える大規模な集会を開いた。
大統領がアラスカへ急行した異例の選挙応援
人口わずか約74万人のアラスカ州は、ワシントンD.C.から遠く離れており、過去に民主党が上院選で勝利したのは2008年が最後という長年の共和党の堅塁である。しかし、イラン戦争による高騰したガソリン価格や根強いインフレの影響でトランプ大統領の支持率が全国的に低下する中、今回の選挙戦では野党・民主党の逆転を許しかねない情勢となっている。
こうした危機感から、トランプ大統領は中選挙を目前に控えた10月13日、ホワイトハウスから専用ヘリコプターや政府専用機を乗り継いでアラスカ州ワシラへ移動した。約7時間をかけたこの異例の長距離遊説は、議会の過半数維持に懸ける共和党の焦りを色濃く映し出している。
現地ワシラのカーティス・D・メナード記念スポーツセンターで開催された集会には、州知事のマイク・ダンリービー氏や下院選に出馬する共和党のニック・ベギッチ氏、共和党アラスカ州委員会のカメラ・ワーフィールド委員長らも同席した。集会の会場となったホッケーアリーナには多くの支持者が詰めかけ、午後4時20分過ぎに登壇したトランプ大統領は、集まった聴衆に対してサリバン議員が首都ワシントンで最も敬愛される上院議員の一人であると称賛した。
同姓同名の対立候補と複雑化する投票制度
今回の上院選で3期目を目指す現職のダン・サリバン議員は、元下院議員で「アラスカ・ファースト(アラスカ第一)」を掲げて生活費の高騰問題に取り組む民主党のメアリー・ペルトラ候補と激しい一騎打ちを繰り広げている。最近の世論調査では両者の支持率が伯仲しており、州内の無党派層やトランプ支持層の動向が鍵を握っている。

さらに今回の選挙を複雑にしているのが、現職と同じ「ダン・サリバン」という名前を持つ元学校教師の無所属・共和党系候補の存在だ。現職陣営やトランプ大統領側は、この同姓同名の候補者が民主党によって仕組まれた「偽りの候補」であると激しく非難している。
「民主党は混乱を引き起こすためにサリバンという名の人物を見つけ出し、立候補させた。それは単なる不正だ。ひどいやり方だ」 ドナルド・トランプ大統領、ワシラの集会にて
トランプ大統領は、予備選でこの対立候補が2.5%の得票を獲得したことに触れ、「それは多すぎる」と警告を発した。さらに、真のサリバン議員を支持するよう有権者に強く呼びかけた。
経済政策とエネルギー開発をめぐる争点
大統領はこの巨大プロジェクトにより、アラスカ州内で1万3000人以上の雇用が創出され、一般的なアラスカの世帯で年間2000ドル以上のエネルギー費用が削減されると強調した。これに対し、現職のサリバン議員は、対立候補のペルトラ氏がバイデン前政権と結託して州内の石油・ガス産業の発展を阻んできたと批判している。
選挙戦の終盤に差し掛かる中、与党・共和党は連邦議会の過半数を防衛するため、アラスカでの総力を挙げた引き締めを図っている。