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2025-08-29 08:30:00
連載
会計とファイナンスで読むニュース
- ソフトバンクグループの2025年3月期における通年決算は、4年ぶりに1.15兆円の最終黒字。また、続く2026年3月期の第1四半期も黒字となった。
- この2つの期間における黒字の要因は大きく異なり、今後の同グループの価値は、投資ポートフォリオの変化次第ということなる。
- だが、同グループによるOpenAI、NVIDIA、TSMC、インテル等への投資は、更なる生成AI周りでビジネスチャンスを見越してのものといえそうだ。
8月7日に2026年3月期(2025年度)の第1四半期の決算を発表したソフトバンクグループ。最終利益(親会社に帰属する純利益)は4218億円の黒字となり、第1四半期でみた場合、2021年3月期第1四半期以来の4年ぶりの黒字となりました。
それだけではありません。この第1四半期の業績を受けて、ソフトバンクグループの株価は過去最高となり、時価総額も21兆円まであがり、国内の時価総額ランキングでも4位に位置づけるようになっています。過去5年間を振り返ると、ソフトバンクグループは、2021年3月期に当時日本企業の中で過去最高となる4.9兆円の最終利益を叩き出しましたが、その後、株式市況の悪化に伴い、3期連続の最終赤字となっていました。そのような中、2025年3月期は2021年3月期以来4年ぶりに通年での1.15兆円の最終黒字となり、その勢いのまま、2026年3月期の第1四半期も黒字となりました。

それだけではありません。この第1四半期の業績を受けて、ソフトバンクグループの株価は過去最高となり、時価総額も21兆円まであがり、国内の時価総額ランキングでも4位に位置づけるようになっています。

2021年3月期の4.9兆円の黒字以来、赤字続きだったソフトバンクGが2025年3月期に黒字に転換し、さらに足元では過去最高の時価総額となっています。なぜ、ソフトバンクグループの業績はここまで回復してきたのでしょうか。そこには、ソフトバンクグループの投資先のポートフォリオの変化が大きく関係しています。今回は、過去最高の時価総額を達成しているソフトバンクグループについて、会計とファイナンスの観点から考察をしていきます。
ソフトバンクグループのP/Lの仕組み
ソフトバンクグループの決算書は日本で1番複雑と言われるぐらい特殊です。そのため、まずはソフトバンクグループの決算書をどう読めば良いのかを解説します。そもそものところで、ソフトバンクグループといえば何を思い浮かべますでしょうか。おそらく多くの方が通信会社のソフトバンク株式会社(以下、ソフトバンクKK)ではないでしょうか。
ここで重要なことは、ソフトバンクグループとソフトバンクKKは別の会社ということです。ソフトバンクグループは、通信会社のソフトバンクKKの親会社であり、投資会社ということです。実際、ソフトバンクグループの傘下には、ソフトバンクKKの通信会社に加えて、Tモバイル、ドイツテトレコム、アーム、スタートアップ企業に投資をするソフトバンク・ビジョンファンド(SVF)、野球の球団のソフトバンクホークス等を有しています。また、ソフトバンクKKは傘下にPayPayやLINEヤフーを抱えています(図表3)。

その上で、ソフトバンクグループはこれら子会社、関連会社、投資先から収益を得ているのですが、それぞれから得る収益構造が異なるため、決算の把握が難しくなっています。そして、ソフトバンクグループの投資スタイルの構造を理解しなければ、図表1で見たように、乱高下するソフトバンクグループの収益の秘密が理解できないのです。
ソフトバンクグループの投資スタイルとしては、(1)連結子会社、(2)投資先損益、(3)持分法適用会社の3つに分かれます。以下の図表は投資スタイルの違いが収益にどのように影響しているかをまとめたものです。

ここでのポイントは(2)の投資先損益については、時価で投資損益が計上されるということです。ここでいう時価とは投資先の企業の価値(公正価値)を意味しています。つまり、投資先の企業の価値が上がれば投資損益はプラスになる一方、投資先の価値が下がれば投資損益はマイナスになるということです。
我々の身近な生活に置き換えると、投資先の企業の株価が上がったり下がったりすることで、資産が変動する状況に似ています。ただし、ソフトバンクグループの場合は、B/Sの変動ではなく、P/Lに直接影響を与えるという点が大きいです。
通常の家計では、保有株式の価値が上がっても、売却するまでは『含み益』として認識されるだけで収入には計上されません。一方、ソフトバンクグループのSVFなどの投資は特定の会計基準に基づいて処理されるため、投資先企業の価値変動がそのまま損益計算書に反映されます。例えば、500万円で投資した株式が600万円に値上がりした場合、100万円の評価益が実際に売却していなくても当期の利益として計上されるのです。
実際、2021年3月期に4.9兆円もの最終利益を計上したのは、SVFの投資先企業の価値が上がり、SVFの投資損益だけで6.2兆円もの投資利益があったためです。詳細については以下の過去の記事をご確認願います。
一方で、2022年3月期以降、3期連続最終赤字になった理由は、SVFを中心に投資損失を多く計上していたためです。
ソフトバンクGの25年3月期はどう黒字転換したか?
21年3月期以降、3期連続の赤字だったソフトバンクグループはどのようにして25年3月期は黒字に転換したのでしょうか。そして、その勢いのままなぜ26年3月期第1四半期は黒字になっているのでしょうか。以下では、より詳細に見えてきます。
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