2026年9月13日、スウェーデンで総選挙の投票が開始された。右派連合が勝利すれば、ネオナチのルーツを持つ極右政党「スウェーデン民主党(SD)」が史上初めて政府入りし、閣僚ポストを得る可能性がある。世論調査では非常に接戦となっており、ある調査では左派連合と右派連合の差はわずか0.3パーセントポイントであった。
スウェーデン民主党(SD)の政権入りと「MAGA」への接近
右派連合(ティド政党として知られる)は、中道右派の穏健派である中道右派のモデレート(中道党)、キリスト教民主党、自由党で構成されており、過去4年間政権を担ってきた。SDはこの連合に対し、これまで支持的な役割を担っていたが、2022年に右派連合がSDと提携したことで、長年のタブーが破られた。SDは、移民がスウェーデンの犯罪問題の原因であると主張する一方で、露骨な人種差別的言辞を抑えることで主流派への浸透を図ってきた。
しかし、今回の選挙においてSDのアプローチはより大胆になっている。SDは「make Sweden Sweden again(スウェーデンを再びスウェーデンに)」という、ドナルド・トランプ氏の「make America great again」を彷彿とさせるキャンペーンスローガンを掲げた。また、バスに掲出された「Do you miss Mogadishu? The repatriation grant will help you get home(モガディシュが恋しいですか?帰還助成金があなたの帰宅を支援します)」というメッセージを含む物議を醸した広告は、運転手が掲出車両での勤務を拒否したため撤去された。
SDの党首ジミー・オーケソン(Jimmie Åkesson)氏は、テレビ討論会で社会民主党のマグダレナ・アンデション(Magdalena Andersson)党首に対し、なぜそんなに怒っているのかと問いかけ、女性差別であると非難された。また、SDの主要人物であるグスタブ・ゲラーブラント(Gustav Gellerbrant)氏は、出版物「Expo」の調査により、ロシア人であるパートナーがロシアの国家主体やロシアのプロパガンダ拡散に関与しているとの指摘を受け、注目を集めた。このパートナーは議会でSDの公務員として勤務している。ゲラーブラント氏は、これが彼女のロシア出身という背景に疑念を抱かせるための「孤立した情報」であると述べ、休職した。
Magdalena Andersson氏とUlf Kristersson氏の対立軸
社会民主党のリーダーで、2021年にスウェーデン初の女性首相となった59歳のマグダレナ・アンデション氏は、日曜の朝、ストックホルム近郊ナッカの学校で夫のリチャード・フリベリ(Richard Friberg)氏と共に投票した。アンデション氏はSVTに対し、今回のキャンペーンは「二つの側面を持つ物語」であり、「多くの嘘と口論があったが、同時に全国には多くの分別のつく人々がいる」と述べた。また、ABBAのベニー・アンダーソン(Benny Andersson)氏は、党本部で「Mamma Mia」の歌詞を「Magdalena」に替えた楽曲を披露し、彼女への支持を示した。
「今、我が国がどの方向に向かうべきかを決めるのはスウェーデン国民です。スウェーデン民主党に完全に支配された政府を望むのか。そんなことはスウェーデンで一度も起きたことがありません。それとも、私が率いる、新たな協力精神に基づいた政府を望むのか。」
— Magdalena Andersson、社会民主党リーダー
対する首相でモデレートのリーダーであるウルフ・クリステション(Ulf Kristersson)氏は、2回目となる4年の任期を目指している。クリステション氏は、犯罪者に適用される刑期の減額措置に焦点を当て、アンデション氏が女性のレイプ被害者を擁護していないと非難した。これに対しアンデション氏は、クリステション氏が女性に対する男性の暴力を政治的に利用していると反論した。
「私たちは、新しく、そしてより優れた前提条件を活用して、普通の人々の生活を改善したい。……スウェーデンを再び偉大にするためです。」
— Ulf Kristersson、首相
クリステション首相は、右派が過半数を獲得すれば、SDの政権入りを認めると4月に発表した。ただし、SDがより強力な政党となったとしても、自身が首相に留まるとしている。
有権者が直面する課題と投票の現状
有権者が重要視している問題は、ヘルスケア、法と秩序、移民、および経済である。しかし、ラジオ・スウェーデンの上級政治特派員フレドリック・フルテンバック(Fredrik Furtenbach)氏は、選挙討論の多くが個人財務に集中しており、各党がより多くの資金提供を約束し合う「オークション」のような状態であったと指摘している。

| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 有権者数 | 約800万人(人口1,060万人) |
| 投票率の傾向 | 通常80%を超える |
| 期日前投票 | 記録的な360万人が参加(有権者の約半分) |
| SDの2022年得票率 | 20.5%(右派最大の政党となった) |
結果判明までのタイムラインと不透明な連立交渉
- 午後8時:最初の出口調査の発表
- 午後9時:放送局SVTによる予測の発表
しかし、結果が出たとしても、政権の枠組みが決まるまでには時間がかかる。左派と右派の勢力が拮抗しているため、連立交渉には数週間、あるいは数ヶ月を要すると予想されている。