イエメンの武装組織フーシ派によるサウジアラビアへの攻撃を受け、来年1〜2月に同国で開催予定のアジアカップへの懸念が高まっています。リヤドのキング・ハリド国際空港などで死傷者が発生しており、AFCや各国協会が対応を迫られる中、大会の延期や開催地変更の可能性も浮上しています。
リヤドで発生した攻撃とアジアカップへの影響
サウジアラビアの首都リヤドにあるキング・ハリド国際空港で10日、イエメンの武装組織フーシ派による攻撃が発生しました。この攻撃により14人が死亡し、300人以上の負傷者が出たと報じられています。今回の事態は、来年1月から2月にかけて同国で開催されるアジアカップに暗い影を落としています。大会ではリヤドに最多となる5会場が設けられ、決勝戦を含む29試合が予定されています。日本代表もグループリーグの第2戦と第3戦をリヤドで行う予定であり、通常の移動手段であれば攻撃を受けた同空港を利用することになります。さらに、別都市のアルコバール近郊の空港も攻撃の対象となっており、開幕まで3か月を切った状況下で緊張が急速に高まっています。
アジアサッカー連盟と各国の対応状況
オーストラリアの通信社『AAP』によると、アジアサッカー連盟(AFC)は今回の攻撃に関するコメント要請に対し「応じなかった」としており、緊急対策が実施されているかは現時点で不明です。一方、オーストラリアサッカー協会は「サウジアラビアの状況を綿密に調べている」と述べ、選手やスタッフ、サポーターの安全と福祉を最優先事項に掲げています。サウジアラビア国内では現在、リーグ戦やAFCチャンピオンズリーグ(ACL)が継続して開催されています。しかし、12日に行われたACLエリートのアルナスル対ネフチ・フェルガナ戦では、フーシ派の攻撃を受けてサウジアラビア防衛総局が安全警報を発令しました。この影響でキックオフが1時間後ろ倒しになるなど、大会運営への直接的な影響がすでに顕在化しています。
大会の開催地変更や延期の可能性
『AAP』は、アジアカップの開催権を短期間でサウジアラビアから他国へ移すシナリオについては「考えにくい」との見通しを示しています。一方で、対立が今後数か月で解決しない場合、トーナメントが12か月間延期され、2028年1月開催となる可能性を指摘しました。この延期が実現した場合、契約面での不透明さも浮上しています。オーストラリア代表のトニー・ポポビッチ監督や日本代表の森保一監督の契約は、本来の開催時期である来年1〜2月に満了を迎える予定です。大会が1年延期された場合、監督の契約が自動的に延長されるかどうかは現時点で明らかになっていません。
- 攻撃発生地:キング・ハリド国際空港(リヤド)、アルコバール近郊の空港
- 被害状況:14人死亡、300人以上の負傷者
- 大会への影響:ACL試合のキックオフ遅延、開催地変更や12か月の延期検討
アジアカップの開催をめぐっては、AFCによる公式な判断が待たれる状況です。開幕まで残りわずかな期間で、現地の安全確保と大会スケジュールをどのように調整するのか、今後の情勢次第で大きな変更を余儀なくされる可能性があります。フーシ派との対立が収束に向かわない限り、参加各国の代表チームやスタッフの安全確保に向けた議論はさらに深刻化すると見られます。