2026年8月10日、コロンビア西部でマグニチュード7.4の地震が発生し、サン・ホセ・デル・パルマ近郊を震源に甚大な被害が出ている。カウカ県カリでは倒壊した建物から生後6ヶ月の乳児と母親が救出される奇跡的な出来事もあったが、死者は少なくとも132人から181人にのぼり、救助活動は依然として続いている。
カリでの救助活動と「生存の合図」
地震発生から数日、カリ市内の被災地では救助隊による懸命な捜索が続いている。特に大きな注目を集めたのは、南部のシウダ・カプリ地区で5階建ての建物が崩壊した現場での救出劇だ。地震発生直後、現場には静寂が広がったが、約20分後に生存者の声が確認された。
「幸運にも生後6ヶ月の赤ちゃんとお母さんを救出することができ、それが私たちの活動を続ける希望となりました。すでに7人を救助しましたが、現在も高齢の夫婦とその7歳の孫の生存信号を追って捜索を続けています」 カルロス・オルティス、救助隊員
救出された乳児は粉塵にまみれていたものの、健康状態は安定しており、現地の医療チームによって手当てを受けた。現地当局によると、カリ市内では少なくとも46の建物や住宅が倒壊し、24の病院や診療所も被害を受けている。市長のアレハンドロ・エデル氏は、治安維持と緊急対応のため、8月10日午後8時から翌11日午前6時まで夜間外出禁止令を発令し、被災地への軍の展開を命じた。
被害状況と医療体制の逼迫
被害が集中しているのはペレイラ、カリ、マニサレス、キブドの各都市だ。特にペレイラでは多数の死者が確認されている。ディリアン・フランシスカ・トロ知事は、住宅だけでなく、教会や市庁舎、病院などの公共インフラが壊滅的な打撃を受けていると明かした。

「多くの住宅が倒壊し、教会や市庁舎も被害を受けています。エル・アギラやロルダニージョの病院が最も深刻ですが、ラ・クンブレなど他の自治体でも影響が出ており、患者の受け入れが困難な状況です。バレ・デル・カウカ大学病院でも患者の避難が必要となりました」 ディリアン・フランシスカ・トロ、バレ・デル・カウカ県知事
人道支援と国際的な対応
地震による被害は、長年にわたる貧困や武装紛争による避難民問題という、コロンビアが抱える既存の人道危機と重なっている。ノルウェー難民評議会のジョバンニ・リッツォ氏は、現在の状況について懸念を表明した。

「この地震は、すでに深刻な人道状況をさらに悪化させており、救援活動へのさらなる支援が必要です」 ジョバンニ・リッツォ、ノルウェー難民評議会コロンビア局長
一方で、国際社会からの支援も急ピッチで進んでいる。米国は1,500万ドルを超える支援を表明しており、エルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領は、100トンの救援物資を積んだ2機の航空機を派遣すると発表した。国連のコロンビア常駐調整官であるマリア・ホセ・トレス氏は、2016年の平和合意以降、紛争地域での支援ネットワークが構築されていたことが、今回の迅速な対応に寄与していると指摘している。
今後、救助隊は生存率が急激に低下するとされる「最初の48〜72時間」の壁に直面する。食料や水の確保状況が、生存者の救出可能性を左右する鍵となる。当局は引き続き行方不明者の捜索を優先し、病院のレッドアラート(非常警戒態勢)を維持しながら、被災者のケアを急ぐ方針だ。