2026年7月28日、中東における米軍拠点に対してイランが複数の弾道ミサイルを発射しました。米軍中央軍はすべてのミサイルを迎撃したと発表し、停戦協議に向けた小康状態が打ち破られました。一方、サウジアラビアや紅海でも武装勢力による攻撃が相次ぎ、地域の緊張が再び高まっています。
中東の米軍拠点へ向けられたイランの弾道ミサイル攻撃
米国防総省および米軍中央軍の発表によると、イランは2026年7月28日に中東の米軍部隊に向けて複数の弾道ミサイルを発射しました。この攻撃について、米軍は すべてのミサイルが正常に迎撃された ことを明らかにしています。

両国をめぐっては、戦略的な要衝であるホルムズ海峡周辺での緊張が続いていました。世界全体の石油輸送の20%が通過するこの回廊を巡り、これまで数日間にわたる戦闘の小康状態が保たれていましたが、今回のミサイル発射によってその平穏は打ち砕かれました。
米軍中央軍は、警戒を怠らず高度な即応体制を維持するよう求めている。
中東情勢の緊迫化が進む中、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はワシントンを訪問し、ドナルド・トランプ米大統領とホワイトハウスで会談を行いました。ホワイトハウスのカロライン・レヴィット報道官は、非公開で行われた約1時間半の会談について ポジティブで生産的な
であったと説明しています。
サウジアラビア上空でのドローン迎撃とイラク領からの発言
同日、サウジアラビア国内でも緊迫した動きが報じられました。サウジ国防省は、同国東部の石油施設を狙ってイラク領内から発射された複数のドローンを、2日連続で迎撃・破壊したと発表しました。攻撃は イラン系テロ組織によってイラク領内から実行された ものと指摘されています。
サウジアラビアからの発表を受け、イラクのアリ・アル・ザイディ首相は治安機関に対して調査を命令しました。イラク軍側も、同国領土が近隣諸国への攻撃拠点として利用されることを防ぐ姿勢を改めて強調しています。
これに対し、イラク国内の親イラン武装組織の連合体である「イラク・イスラム抵抗運動」はサウジ側の主張を「でっち上げ」であると否定しました。さらに前日の攻撃は、サウジの石油施設を攻撃したと主張しているイエメンのフーシ派によるものだったとほのめかしています。
イエメン・フーシ派によるサウジ油槽船への攻撃主張
フーシ派は7月20日にサウジアラビアに対する海上航行禁止を発表していました。これは、イエメン国内で同組織が実効支配する地域に対するサウジの封鎖への対抗措置であると主張しています。
紅海を巡るインフラ被害と今後の見通し
これまでの戦闘によるインフラへの打撃も表面化しています。イラン側は、これまでの米軍による空爆によって、空港や海洋管制塔、12本の橋、2本のトンネルなどのインフラ施設が破壊されたと発表しました。
仲介者による停戦協議への復帰に向けた動きが進む一方で、今回の米軍拠点へのミサイル攻撃やサウジ上空でのドローン迎撃は、緊張緩和の試みが非常に脆弱であることを浮き彫りにしています。紅海およびホルムズ海峡の安全保障環境は、引き続き先行きが見通せない状況にあります。