茨城県つくば市で進む巨大データセンター建設を巡り、事業者が住民説明会で提供した豪華な食事に対し、参加者から「接待ではないか」との不信感が噴出しています。建設の進捗に伴う環境負荷への懸念も根強く、市議会では公開説明会を求める決議案が可決されました。
つくば市で建設が進む巨大データセンターの概要
茨城県つくば市大穂地区において、物流不動産会社「グッドマンジャパン」(東京都)による大規模なデータセンター建設が進められています。テレビ朝日系(ANN)によると、施設は地上4階建て、高さ約38メートルで、今年2月に本格的な建設が始まりました。東京新聞は、敷地面積が45.5ヘクタールに及び、最終的には国内最大級となる1000メガワットの総受電容量を見込んでいると報じています。当初、住民には「配送センターができる」といった説明がなされていたといい、計画の規模拡大に戸惑う声も上がっています。
説明会で振る舞われたコース料理に住民が反発
8月17日から3日間、事業者側は周辺住民を対象とした説明会を開催しました。テレビ朝日系(ANN)によると、会場となった市内のレストランではローストビーフやカニピラフなどが提供され、参加者からは「ウェルカムドリンクから始まり、フルコースのようだった」「1人1万円を超えるかもしれない」といった驚きの声が上がりました。東京新聞は、説明会が事前予約制で、録音や撮影が禁止されていたと伝えています。参加した住民からは「おいしいものを食べさせて丸め込もうとしている」「接待だと思った」といった批判が相次ぎました。
事業者側の見解と住民の抱く懸念
提供された食事について、開発事業者は「夕食の時間帯に重なることも踏まえ、参加者の皆さまへの配慮として、社会通念に照らして妥当と考える範囲で、お飲み物と軽食をご用意しました」とテレビ朝日系(ANN)の取材に回答しています。一方で、地元住民からは環境面への不安が消えていません。「データセンターから市民を守る会」の柳町弘幸会長は、気温上昇や二酸化炭素排出、水の大量利用といった問題を指摘し、改めて公開形式での説明会開催を求めています。
市議会が事業者に説明会の開催を求める決議案を可決
データセンター建設を巡る混乱を受け、つくば市議会は10月6日の本会議で、グッドマンジャパンに対し説明会の開催と継続的な情報発信を求める決議案を全会一致で可決しました。茨城新聞によると、同市議会では住民団体から提出された「市主催の公開説明会開催を求める請願」も審議されましたが、こちらは「趣旨は理解できるが実施は難しい」として賛成多数で趣旨採択となりました。五十嵐立青市長は、可決された決議案に基づき、事業者へ改めて説明会の開催を申し入れる意向を示しています。

今後のプロジェクトの進捗と透明性
データセンターの建設現場では、すでに1棟目の工事が進行しています。開発事業者は今後の方針について、「積極的な情報公開と透明性の確保を基本方針とし、プロジェクトの進捗に合わせて住民への情報提供を続けていく」と述べています。しかし、住民団体側は市行政の主導による公開の場を求めており、事業者側の対応が住民の不信感を払拭できるかは不透明な状況です。市と事業者が、いかにして周辺環境への影響懸念に対し納得感のある説明を行えるかが今後の焦点となります。