日本語版
最新ニュース
科学&テクノロジー

いまって、景気後退しているの? 現在の経済情勢を分析する | Business Insider Japan

アメリカ合衆国が景気後退に陥ったか否かを巡る議論が、政治家のあいだで白熱している。 バルトロメ・オゾン/ゲッティ 景気後退(リセッション)とは、経済活動の大幅な鈍化を意味し、数カ月から数年続くこともある。 専門家のほとんどは、景気後退はまだ始まっていないが、来年には始まるリスクがあると指摘する。 感情的にも、金銭の点でも、景気後退に備える方法がいくつか知られている。 近ごろ、米国経済は景気後退に向かっているのか、あるいはすでに景気後退が始まっているのかという問いを巡り、激しい議論が繰り広げられている。答えがわからずうろたえる人も多く、実際、経済学者や金融の専門家のあいだでも見解は一致していない。 現時点で確実にわかっているのは次のとおりだ。ホワイトハウスの言葉を借りれば、一般的に「公式の景気後退記録係」とみなされている全米経済研究所(NBER)は、コロナ禍が始まった2020年に短期的な景気後退を宣言して以来、新たな景気後退は発表していない。その前に起こった最後の景気後退は2007年から2009年にかけてで、これは「グレート・リセッション」と呼ばれている。基本的に、景気後退は現代においては頻繁に発生するものではないと言える。 それでもなお、現在の経済状況は消費者にとって必ずしも安心できるものではない。インフレと高金利で、日常的な買い物が以前よりもはるかに高くつくようになった。また、米国では短期金利が長期金利よりも高くなる、いわゆる逆イールド現象などの影響で、まもなく景気後退が始まる恐れがあると考える経済学者も多い。 しかしこれまでのところ米国は、景気後退を回避することに成功してきた。経済を後退させることなく、インフレ率を抑えて金利が下がり始める、いわゆるソフトランディングに近づきつつある。 景気後退とは 多くの場合、GDPがマイナスを記録する四半期が2期続くと景気後退とみなされる。しかし多くの人は、この定義は、雇用、賃金、設備投資などさまざまな要素を無視しているため、あまりに単純だと主張する。 そこでNBERはより広い定義を採用し、数カ月にわたり広範囲において経済活動が著しく減退した場合を景気後退とみなしている。 ただし、景気後退と恐慌は同じでないことをここで指摘しておく。一般的に、深刻な景気後退が長期化した場合を恐慌と呼ぶ。 注記:もともと景気後退という考え方は、ジュリアス・シスキンが1974年にニューヨーク・タイムズ(The New York Times)で発表した記事によって一般に広がった。その記事でシスキンは、健全な経済は時間の経過とともに拡大するものだと主張し、2期連続で成長が停滞した場合は、何らかの問題が存在すると示唆した。 景気後退を宣言するのは誰?:一般的には、NBERのビジネスサイクル委員会が、景気後退が始まったか否かを決定する機関とみなされている。NBERは主要な経済問題を分析する民間非営利組織だ。 カーディナル・リタイアメント・プランニング(Cardinal Retirement Planning)の最高投資責任者であるアネッサ・カストヴィック博士は、「ビジネスサイクル委員会がピークや谷間など、米国の景気サイクルのあらゆる動向にラベル付けを行う」と説明する。「景気後退も、一連の指標を用いて特定する」 通常、マクロ経済に関するデータは収集から発表までにかなりの時間がかかるため、NBERが景気後退を宣言した場合、それに先だって数カ月前から景気後退が始まっていたと考えられる。 景気後退の期間は?:景気後退が続く期間は、その深刻さによって変わる。しかし、多くの人が考えるほど長期間続くことはほとんどない。NBERの資料によると、1854年以降に発生した景気後退は平均で17カ月続いた。 カストヴィック博士が1945年から2020年までの最近の例を調べたところ、米国における景気収縮の平均期間は10カ月強だった。「つまり、景気後退の期間は以前よりも短くなりつつあるということだ」とカストヴィック博士は言う。 注記:2020年2月、米国経済は絶頂期にあったが、その翌月にはコロナ禍により景気後退に陥った。このとき、NEBRは景気後退が2カ月続いたと結論はづけた。これは史上最短で終わった景気後退だった。 景気後退を示す主要指標 NBERの考えでは、景気後退はGDPなどといったひとつの要因ではなく、経済活動のさまざまな側面に広がる。加えて、高インフレ期間などといった特定の事象のあとに何が起こるかなどといった知識を用いることで、特定の経済指標を景気後退の予兆とみなすことも可能だ。 景気後退を示唆する重要な経済指標には次のようなものがある。 GDP成長率:GDPの四半期成長率が2期連続でマイナスになれば景気後退とみなす、という単純な定義には反対意見も多いが、GDPが重要な指標となることは確かだ。GDPは完璧ではないが、国家の総合的な経済状況を示す指標として頻繁に用いられる。多くの場合、景気後退時はGDPがマイナス成長を示し、そこに以下のような経済指標の低迷が加わる。 失業率:高い失業率も景気後退の重要な要素とみなされることが多い。高い失業率は、経済が減速し、企業が多くの労働者を解雇していることを意味しているからだ。専門家の多くは、2022年の米国ではGDPこそマイナス成長だったが、労働市場が好調だったため、景気後退には陥らなかったと説明している。 消費者支出:消費者の支出が減れば、景気後退が始まっている、もしくは目前に迫っていると考えられる。消費者がお金を使わなくなれば、企業は収益を失い、給与が支払えなくなり、大量解雇につながる。収入が減る人や職を失う人が増えれば、支出がさらに減るため、悪循環が始まる。 インフレ率:インフレは経済が急速に成長しているときに起こることが多いため、高インフレは景気後退の逆を示す兆候となることが多い。しかし、景気後退の予兆となることもある。なぜなら、中央銀行が景気を冷やしてインフレを抑える目的で、金利を引き上げることが多いからだ。その影響で経済が著しく鈍化すると、景気後退が始まる可能性がある。 現在の経済データ 最も一般的に用いられている尺度を使って現在の経済データを見た場合、米国は景気後退に陥っていないと判断できる。インフレが長引き、FRBが比較的高い金利を維持しているとはいえ、全体的に見て、景気後退の条件はまだ満たされていないという意見が支配的だ。景気後退を引き起こさずにインフレ率を抑えてソフトランディングするというもくろみでは、いまだ先行きが不透明な部分もあるが、最近の経済データの多くは堅調であると言える。 以下では、いくつかの最新経済データを例に、それらが景気後退について何を示唆しているかを説明する。 株式市場:株式市場の2大指標、S&P 500指数とダウ・ジョーンズ指数はどちらも2024年に上昇した。2024年8月中旬時点で、年始に比べてS&P 500は17%の、ダウ・ジョーンズはおよそ8%の上昇を見せた。…

いまって、景気後退しているの? 現在の経済情勢を分析する | Business Insider Japan

1725576590
2024-09-05 08:30:00

アメリカ合衆国が景気後退に陥ったか否かを巡る議論が、政治家のあいだで白熱している。

バルトロメ・オゾン/ゲッティ

  • 景気後退(リセッション)とは、経済活動の大幅な鈍化を意味し、数カ月から数年続くこともある。
  • 専門家のほとんどは、景気後退はまだ始まっていないが、来年には始まるリスクがあると指摘する。
  • 感情的にも、金銭の点でも、景気後退に備える方法がいくつか知られている。

近ごろ、米国経済は景気後退に向かっているのか、あるいはすでに景気後退が始まっているのかという問いを巡り、激しい議論が繰り広げられている。答えがわからずうろたえる人も多く、実際、経済学者や金融の専門家のあいだでも見解は一致していない。

現時点で確実にわかっているのは次のとおりだ。ホワイトハウスの言葉を借りれば、一般的に「公式の景気後退記録係」とみなされている全米経済研究所(NBER)は、コロナ禍が始まった2020年に短期的な景気後退を宣言して以来、新たな景気後退は発表していない。その前に起こった最後の景気後退は2007年から2009年にかけてで、これは「グレート・リセッション」と呼ばれている。基本的に、景気後退は現代においては頻繁に発生するものではないと言える。

それでもなお、現在の経済状況は消費者にとって必ずしも安心できるものではない。インフレと高金利で、日常的な買い物が以前よりもはるかに高くつくようになった。また、米国では短期金利が長期金利よりも高くなる、いわゆる逆イールド現象などの影響で、まもなく景気後退が始まる恐れがあると考える経済学者も多い。

しかしこれまでのところ米国は、景気後退を回避することに成功してきた。経済を後退させることなく、インフレ率を抑えて金利が下がり始める、いわゆるソフトランディングに近づきつつある。

景気後退とは

多くの場合、GDPがマイナスを記録する四半期が2期続くと景気後退とみなされる。しかし多くの人は、この定義は、雇用、賃金、設備投資などさまざまな要素を無視しているため、あまりに単純だと主張する。

そこでNBERはより広い定義を採用し、数カ月にわたり広範囲において経済活動が著しく減退した場合を景気後退とみなしている。

ただし、景気後退と恐慌は同じでないことをここで指摘しておく。一般的に、深刻な景気後退が長期化した場合を恐慌と呼ぶ。

注記:もともと景気後退という考え方は、ジュリアス・シスキンが1974年にニューヨーク・タイムズ(The New York Times)で発表した記事によって一般に広がった。その記事でシスキンは、健全な経済は時間の経過とともに拡大するものだと主張し、2期連続で成長が停滞した場合は、何らかの問題が存在すると示唆した。

景気後退を宣言するのは誰?:一般的には、NBERのビジネスサイクル委員会が、景気後退が始まったか否かを決定する機関とみなされている。NBERは主要な経済問題を分析する民間非営利組織だ。

カーディナル・リタイアメント・プランニング(Cardinal Retirement Planning)の最高投資責任者であるアネッサ・カストヴィック博士は、「ビジネスサイクル委員会がピークや谷間など、米国の景気サイクルのあらゆる動向にラベル付けを行う」と説明する。「景気後退も、一連の指標を用いて特定する」

通常、マクロ経済に関するデータは収集から発表までにかなりの時間がかかるため、NBERが景気後退を宣言した場合、それに先だって数カ月前から景気後退が始まっていたと考えられる。

景気後退の期間は?:景気後退が続く期間は、その深刻さによって変わる。しかし、多くの人が考えるほど長期間続くことはほとんどない。NBERの資料によると、1854年以降に発生した景気後退は平均で17カ月続いた。

カストヴィック博士が1945年から2020年までの最近の例を調べたところ、米国における景気収縮の平均期間は10カ月強だった。「つまり、景気後退の期間は以前よりも短くなりつつあるということだ」とカストヴィック博士は言う。

注記:2020年2月、米国経済は絶頂期にあったが、その翌月にはコロナ禍により景気後退に陥った。このとき、NEBRは景気後退が2カ月続いたと結論はづけた。これは史上最短で終わった景気後退だった。

景気後退を示す主要指標

NBERの考えでは、景気後退はGDPなどといったひとつの要因ではなく、経済活動のさまざまな側面に広がる。加えて、高インフレ期間などといった特定の事象のあとに何が起こるかなどといった知識を用いることで、特定の経済指標を景気後退の予兆とみなすことも可能だ。

景気後退を示唆する重要な経済指標には次のようなものがある。

GDP成長率:GDPの四半期成長率が2期連続でマイナスになれば景気後退とみなす、という単純な定義には反対意見も多いが、GDPが重要な指標となることは確かだ。GDPは完璧ではないが、国家の総合的な経済状況を示す指標として頻繁に用いられる。多くの場合、景気後退時はGDPがマイナス成長を示し、そこに以下のような経済指標の低迷が加わる。

失業率:高い失業率も景気後退の重要な要素とみなされることが多い。高い失業率は、経済が減速し、企業が多くの労働者を解雇していることを意味しているからだ。専門家の多くは、2022年の米国ではGDPこそマイナス成長だったが、労働市場が好調だったため、景気後退には陥らなかったと説明している。

消費者支出:消費者の支出が減れば、景気後退が始まっている、もしくは目前に迫っていると考えられる。消費者がお金を使わなくなれば、企業は収益を失い、給与が支払えなくなり、大量解雇につながる。収入が減る人や職を失う人が増えれば、支出がさらに減るため、悪循環が始まる。

インフレ率:インフレは経済が急速に成長しているときに起こることが多いため、高インフレは景気後退の逆を示す兆候となることが多い。しかし、景気後退の予兆となることもある。なぜなら、中央銀行が景気を冷やしてインフレを抑える目的で、金利を引き上げることが多いからだ。その影響で経済が著しく鈍化すると、景気後退が始まる可能性がある。

現在の経済データ

最も一般的に用いられている尺度を使って現在の経済データを見た場合、米国は景気後退に陥っていないと判断できる。インフレが長引き、FRBが比較的高い金利を維持しているとはいえ、全体的に見て、景気後退の条件はまだ満たされていないという意見が支配的だ。景気後退を引き起こさずにインフレ率を抑えてソフトランディングするというもくろみでは、いまだ先行きが不透明な部分もあるが、最近の経済データの多くは堅調であると言える。

以下では、いくつかの最新経済データを例に、それらが景気後退について何を示唆しているかを説明する。

株式市場:株式市場の2大指標、S&P 500指数とダウ・ジョーンズ指数はどちらも2024年に上昇した。2024年8月中旬時点で、年始に比べてS&P 500は17%の、ダウ・ジョーンズはおよそ8%の上昇を見せた。

株式市場は経済全体を占う指標としては完璧ではないが、株式市場の上昇は、多くの場合で企業収益の好調さ、あるいは将来の展望の明るさを示唆している。しかし、FRBの貨幣供給などといった要素により、投資家にとってほかの資産よりも株式が魅力的になった場合など、経済の調子とは無縁の要因によって株価が上昇することもある。

失業率:失業率は2020年4月に14.7%という記録的な高さを記録したが、それ以降、比較的低い水準を保っている。ただし、最近になってわずかな上昇を見せ、2022年7月の3.5%から2024年7月には4.3%に上がった。これにより、株式投資家のあいだでは少しばかりの動揺が広がったが、より最近になって、失業保険申請数が予想を下回ったというデータが発表されたため、米国で景気後退が迫っているという懸念は和らいだ。特定期間の状況によって左右される部分もあるが、一般的に見て、失業率が5%に満たない場合は、経済は健全だと考えられる。

イールドカーブ:景気後退を確実に予測する方法はまだ知られていないが、経済学者が注目する警告サインはいくつか知られている。たとえば、10年国債の利回りが2年国債の利回りを下回った場合は危険信号だ。これは逆イールド現象と呼ばれ、長期金利が短期金利よりも高くなる通常の状況時とは違って、投資家が経済への信頼を失っていることを示している。この逆転現象により融資がさらに制限される可能性があり、結果として景気後退につながりやすくなる。

2022年7月以降のほとんどの期間でイールドカーブが逆転しているため、多くの経済専門家は景気後退がまもなく起こると危惧を抱いている。まだ実質的な景気後退は始まっていないが、ニューヨーク連銀は同様の指標、具体的には10年国債の利回りが3カ月国債のそれを下回っていることを根拠に、2025年7月に景気後退が始まる確率を56%と予測した。

専門家の見解と予想

すでに述べたように、ニューヨーク連銀は国債スプレッドを根拠に景気後退の確率を予測するが、多くの組織は別の経済データを用いて景気後退の確率を予測している。

コンファレンスボード:最も代表的な予測機関として、コンファレンスボード(The Conference Board:全米産業審議会)を挙げることができる。この民間組織が2024年8月に発表した最新の予測は、「米国が景気後退に突入する確率は低い」と主張している。同レポートは、2024年の後半にGDPは鈍化するが、プラス圏内にとどまり、2025年の終わりまでに年間成長率が2%を少し上回って、「FRBのインフレ目標2%と金利の低下を達成する」と予測した。

KPMGの米国CEO調査:2024年にKPMG社が行なった米国CEOの展望に関するパルス調査で、米国大企業のCEO100人が将来の展望について回答し、彼らの87%が米国経済の成長を確信していることが明らかになった。人員削減を予想したのは4%だけだった。この数字は、労働市場が比較的堅調さを維持し、景気後退が始まらないことを示す明るい指標とみなせる。

銀行幹部:2024年8月、JPモルガン(JP Morgan)のCEOであるジェイミー・ダイモン氏がCNBCに対して、ソフトランディングよりも景気後退に陥る可能性のほうを高く見積もっていると述べた。ただし、ダイモン氏は2022年からすでに景気後退を予言してきた。

ほかの銀行の重鎮たちは、景気後退の可能性は低いと見ている。ゴールドマン・サックス・リサーチで米国担当チーフエコノミストを務めるデヴィッド・メリクル氏は8月に、景気後退に対する恐れは「おそらく誇張されている」としたうえで、同社の予測する12カ月以内に景気後退が始まる確率は、今のところ25%だと述べた。

景気後退が個人と企業に及ぼす影響

たとえば、2020年のパンデミックをきっかけに始まった景気後退から米国経済がすぐさま回復したときのように、景気後退が短期間で終わり、長期的な影響を残さない場合もある。逆に、グレート・リセッションの例のように数年続くこともあるし、回復に何年もかかることもある。

一般的に、景気後退は個人や企業に次のような影響を及ぼす。

雇用市場:景気後退は失業率の上昇を伴うことが多い。収益が減り成長の見通しが立たない企業が、人員削減を行なうからだ。

また、景気後退時の企業は支出の増加を避けようとするため、失業しなかった人も、賃金が増える可能性は低い。それどころか、解雇を避けるために給与カットを受け入れざるをえないこともある。

投資と貯蓄:景気後退時には、株式や不動産など、多くの投資が価値を下げる。だが、特定の債券や金のような代替資産など、いくつかの投資は価値を維持するか、あるいはほかの投資対象ほど価値を下げないこともある。このあたりの動向は、その時期の総合的な経済状況や市場の様子によって左右される。

一方で、貯蓄は景気後退時に減ることが多い。解雇された人は失業期を乗り切るために貯蓄を切り崩すしかないからだ。もちろん、経済的な不安を理由に出費を切り詰めることで、逆に貯蓄を増やす人もいる。

事業運営:通常、景気後退時には消費者がお金を使わなくなるため、企業は財務的な安定を保つ目的で、人員を削減する、支店を閉鎖する、投資を止めるなどしながら全体的に規模を縮小する。しかしながら、そのような縮小により悪循環が始まる可能性が高まる。雇用機会や新規事業の立ち上げが減り、そのため支出を増やしたり、事業を回復させたりするのがさらに難しくなるからだ。

景気後退に対する政府の対応と政策

景気後退が始まった場合、あるいは始まる可能性が明らかな場合、政府はさまざまな対応を通じて状況の好転を促そうとする。

  • 公共支出の増加:民間企業が縮小するとき、多くの場合で政府が介入し、インフラ投資、景気刺激策、公共部門の雇用拡大などを行なうことで、雇用を支え、経済を軌道に戻そうとする。
  • 金融政策の緩和:通常、経済がまごついているときは、FRBが金利の引き下げなどを通じて金融政策の緩和に踏み切り、融資や企業投資を促す。
  • 産業と雇用の支援:政府は公共支出を増やしながら、同時に主要産業に財政的なサポートを提供することが多い。過去の例を挙げると、グレート・リセッションのころには自動車業界を救済した。また、特定の業界が低迷しているとき、労働者の再教育を促す目的で、政府が職業訓練プログラムに資金を出すこともある。

景気後退に備える方法

景気後退の影響は経済全体に広がり、多くの場合で低所得層が最も深刻な被害を受けることになる。そのため、前もって備えておくことが重要だ。

個人向けのヒント:多くの人は、景気後退に対する備えとして、強力なセーフティネットを確保しておくべきだろう。

「失業して新しい仕事を見つける必要がある場合に備えて、少なくとも数カ月分の生活費を蓄えておいたほうがいいということだ」と、カストヴィック博士は説明する。「加えて、経済がふたたび安定するまで、大きな出費を避けることを強く勧めておく」

同時にカストヴィック博士は、それまでの投資のすべてを見直して、パフォーマンスの弱い投資が大きな損失を引き起こすことがないように、アセットのミックスを適正に保つようにも勧めている。

「多様な投資を行ない、経済が不安定な時期を乗り越えられるようにしましょう」

投資ポートフォリオの多様化のしかたがよくわからない場合は、多彩な投資選択肢、市場へのアクセス、ためになる情報を低料金で提供しているお勧めの投資アプリを利用しよう。

景気後退への備えとして、精神的な準備も必要になる。とくに退職者や投資家にとっては、景気後退は恐ろしい状況だろう。

「不安になった人は市場から現金のすべてを引き上げるなどといった感情的な決断を下しがちだが、そのような態度は間違っていることを、歴史が証明している」と、カストヴィック博士は言う。

ビジネス戦略:多くの点で、企業も個人と同じような手段を用いて景気後退に備えることが可能だ。支出を減らす、金銭的なクッションを構築する、可能なら収入源を多様化する、などである。

企業が不況時に発生しがちな問題を避ける方法のひとつとして、急いであまり多くの人員を雇用しないことを挙げることができる。そうすることで、過剰な支出を回避しながら、社の名声に打撃を与えるような大量解雇を行なわざるをえない状況も避けられるだろう。

景気後退に関するよくある質問:

景気後退って何?
  • 景気後退とは、経済が大幅に低迷する時期を指し、ほとんどの場合で、経済は減速するだけでなく縮小もします。最も単純な定義を用いた場合、2四半期連続でGDPがマイナスになった場合は景気後退と呼べますが、経済専門家の多くは失業者の急激な増加など、より広範な現象が景気後退に関係しているとみなしています。
景気後退が始まっているかどうかを知る方法は?
  • マイナスのGDPに加え、失業率の上昇、消費者支出の縮小、設備投資の削減などといった経済の減速を示唆する指標が、景気後退の証拠とみなされています。
景気後退ってどれぐらい続くの?
  • NBERによると、1854年以後に発生した景気後退の平均期間は17カ月でした。近年、この平均期間は短くなりつつありますが、それでも数カ月の場合もあれば数年続くケースもあり、その長さは景気後退の深刻さや政府などの対応のしかたによって変わると言えます。

※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。

#いまって景気後退しているの現在の経済情勢を分析する #Business #Insider #Japan

執筆者について: nipponese

Nipponese News編集部は、国内外のニュースを日本語で分かりやすくお届けします。