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2026-02-21 23:30:00
- オンラインのスピードトレーニング・ゲームを利用することで、認知症のリスクが25%減少することが示された。
- 一方で、問題解決力および推論力のトレーニング・ゲームをプレイした人々には、同様の長期的な効果は見られなかった。
- スピードトレーニングがなぜこれほど脳に良い影響を与えるのか、その理由は解明されていないが、脳のネットワークの接続性を高める効果があると考えられている。
年をとっても脳の健康を維持することは、適切なトレーニングによって実現できる可能性があるとする画期的な研究結果が発表された。ただし、重要なのは「適切なゲーム」を選択することにある。
この研究結果は、データ分析に携わった研究者の1人である神経学者マリリン・アルバート(Marilyn Albert)を驚かせた。
ジョンズ・ホプキンス大学医学部で認知神経科学部門を統括するアルバートは、「驚くべき結果だ」とBusiness Insiderに語っている。
「私自身もすぐにオンラインでトレーニングを始めなければならないと強く思うようになった」
アメリカ国立衛生研究所(NIH)の支援を受けたこのACTIVE研究は、認知トレーニングに関する世界最大規模の研究だ。アメリカ各地の65歳以上の約2000人から成る多様な参加者集団を対象に、20年にわたって実施された。
これは独立した学術的な研究だが、効果が認められた脳トレプログラムは、アルバートらとは提携関係のないPosit Scienceという企業を通じてオンラインで利用できる。同社の「BrainHQ」というウェブサイトおよびアプリでは20種類以上の認知ゲームを提供しているが、本研究に含まれていたのはそのうちの1つのみであり、研究内で長期的な認知症リスクに測定可能な影響を与えたのも、そのゲームだけだった。
年を重ねても、スピードトレーニングで脳のつながりを保つ

この研究で、参加者は無作為に4つのグループに分けられた。1つはトレーニングを行わない対照群、3つはトレーニングを行う介入群だ。介入群は、先行研究をふまえ、加齢に伴う認知機能の改善に寄与すると考えられる以下のゲームを、それぞれ1種類ずつプレイした。
- 記憶力ゲーム(市販はされていない)
- 問題解決力および推論力を鍛えるゲーム(市販はされていない)
- スピードトレーニング・ゲーム(本研究で最も効果が認められたもので、製品名は「Double Decision」)
有意かつ長期的な脳の健康への効果が確認されたのは、スピードトレーニングを行った参加者だけだった。他のグループと比べ、認知症の発症リスクが25%低かったのだ。なお、研究チームは、長期にわたる認知症の診断状況を追跡するために、メディケア(高齢者向け公的医療保険)の請求データを用いた。
効果は確認されたものの、この研究で参加者に求められたトレーニング量はそれほど多くなかった。参加者は、最初の6週間にわたり、1回60〜75分のトレーニングを週におよそ1〜2回行った。その後、およそ1年後に最大4回(1回75分)の「ブースター(追加)」セッションを受け、さらに3年後にも、同様に最大4回の追加セッションを受けた。
実際にプレイしてみると難しい
これまで、認知症の発症リスクを下げる方法として一般に言われていたのは、健康的な食事、スポーツ、高血圧の管理といったかなり漠然としたものだった。
「私にとって、今回の結果はこれまでの定説を覆すものだ」とアルバートは語る。
「極めて説得力がある」
71歳の元教師、ジョイス・グレゴ(Joyce Grego)は、長年Double Decisionをプレイしている。彼女は今回の研究に参加してはいないが、脳の可塑性や再生について学ぶようになったことをきっかけに、2019年ごろからBrainHQのトレーニングを始めたという。
「かつて、脳は不変で成長しないと考えられていた」と語る彼女は今、毎日欠かさず脳トレを実践している。
グレゴは、今では周囲の同年代とは違う、頭の冴えを感じているという。言葉を思い出す力は他の人よりも優れている自覚があり、同年代の人たちが気づかないような細かな点にも目が向くようになった。特に、町を車で走っているときには、周辺視野に入るちょっとしたものにも気づくようになった。例えば、先日の寒波の際、道路脇の花壇にビニールの覆いがかけられていたといったことだ。
「周囲の状況に意識が向くようになり、多くの情報を取り込めていると感じている。これは明らかにトレーニング、特にDouble Decisionの効果だと思う。自分の注意力が向上したことを実感している」

このゲームは、2つの課題を同時にこなす力が求められるだけでなく、プレーヤーの能力に応じて難易度が調整される点も特徴だ。上達すればスピードが上がり、苦戦すればスピードが落ちる。この適応性こそが、成功の鍵を握っている可能性がある。常に個人の限界に働きかけ、適切な負荷を与え続けることで、能力を少しずつ押し上げていく。
この適応性は、もう1つの成功例であるオンラインゲーム「EndeavorOTC」にも共通する特徴だ。このゲームは、成人のADHD治療を目的としたものとして、最近、アメリカ食品医薬品局(FDA)に承認された。アルバートらの研究で使用された他の2つの脳トレゲームには、このような適応性は備わっていなかった。
グレゴは、Double Decisionをプレイした感想を、次のように語っている。
「非常に速い。プレイ中、どこにあるのか、どの円を叩けばいいのか分からなくなることもある。しかし、実際には分かっている。脳が画像全体を捉えているからだ」
グレゴはBrainHQの熱心な支持者であり、家族や友人に勧めるだけでなく、月額8~14ドル(約1200~2100円)の利用料を自ら肩代わりすることさえある。実際に試した人もいたが、「難しすぎる」「時間がかかりすぎる」と不満を漏らし、多くは途中でやめてしまったという。
「難しい方がいい」とグレゴは語る。少しのストレスや負荷、挑戦が長寿にとって良いとされる「ホルミシス」の考え方に言及しながら、こう続けた。
「わずか数ミリ秒という一瞬で提示される情報を捉えられるようになり、進歩を実感することで、自身の認知能力が向上していると感じられるはずだ」
#ある種の脳トレが認知症リスクを25低下させる科学者はその理由をまだ知らない #Business #Insider #Japan