エンタメ

「AIマイケル・ケインが『オデュッセイア』オーディオブックを初公開」

6月 23, 2026 / nipponese
「AIマイケル・ケインが『オデュッセイア』オーディオブックを初公開」
2026年6月23日、AI音声生成企業ElevenLabsは、俳優マイケル・ケインのAIクローン音声を使用したオーディオブック版『オデュッセイア』を無料公開しました。この13時間の作品は、7月17日に公開予定のクリストファー・ノーラン監督による映画版に先立ち、同社の音声ライブラリと生成AI技術を活用して6週間で制作されました。 ## マイケル・ケインのAI音声とElevenLabsの戦略 ElevenLabsは、映画『ダークナイト』三部作などでクリストファー・ノーラン監督と長年協働してきたマイケル・ケインの声を、同社の「Iconic Voice Marketplace」を通じてライセンス契約しました。110億ドルの評価を受ける同社にとって、今回の『オデュッセイア』は初の社内制作によるシネマティック・マルチキャスト・オーディオブックとなります。 ElevenLabsのパートナーシップ責任者であるダスティン・ブランク氏は、Varietyのインタビューに対し、プロジェクトは「同意と報酬」に基づいていると強調しました。ElevenLabsのパートナーシップ責任者、ダスティン・ブランク氏は、ケインがプロジェクトに深く関与し、マーケティング資料についても承認を得ていると述べています。 ## 制作の舞台裏:AIによる6週間のプロセス この13時間の作品は、わずか6週間という短期間で制作されました。ElevenLabsのパブリッシャー・パートナーシップチームのマデリーン・シュー氏は、従来の出版社ではコスト面で実現困難だった没入型オーディオ体験を、少人数のチームとAIツールによって可能にしたと説明しています。 制作にあたっては、1870年代のウィリアム・カレン・ブライアントによる翻訳版が使用されました。ElevenLabsは、キャラクター名の正しい発音を確保することは「a painstaking process(骨の折れる作業)」であったと明かしています。完成した作品には、ケインのAI音声に加え、同社のライブラリから選ばれた20人のキャラクターAI音声、独自の楽曲、および環境音が組み込まれています。 ## 俳優自身のコメントとデジタル遺産の広がり 昨年、サウジアラビアのレッドシー国際映画祭で引退を表明した93歳のケインですが、今回のプロジェクトには強い意欲を見せています。ケインは声明の中で、古典的な物語とデジタル革新の融合について次のように語りました。 “By bridging classical storytelling with digital innovation, this timeless epic is reimagined for modern audiences, brought vividly to life through ElevenReader’s cutting-edge technology. It was a pleasure to be a part of ElevenProductions’ retelling of The Odyssey.” マイケル・ケイン(声明より、Guardian経由) The Guardianによると、ケインは2025年11月にマシュー・マコノヒーと共にElevenLabsと契約を締結しました。この動きは、俳優が自身の声や容姿をデジタル化し、死後もライセンス管理を通じて活動を継続させるという、近年のハリウッドにおける「デジタルツイン」活用の流れを象徴しています。 ## 市場の反応と今後の課題 ElevenLabsは、映画公開前の「予習」としてこのオーディオブックを位置づけており、SNS上でも「Before you see the film, hear the original epic(映画を見る前に、オリジナルの叙事詩を聞こう)」と呼びかけています。しかし、AI音声利用を巡る法的な懸念は依然として存在します。ElevenLabsは過去に、自身の声を無断で使用されたとして俳優2名から訴えられ、和解に至った経緯もあります。 今回の『オデュッセイア』は、ジュディ・ガーランドのAI音声で制作された『オズの魔法使い』に続く取り組みです。ElevenLabsは今後も、有名俳優の遺産管理団体と連携し、AIによる大規模なオーディオ制作を推進する方針ですが、権利関係の透明性とクリエイティブの質の維持が、今後の拡大に向けた試金石となりそうです。 <!

Find more reporting in our エンタメ section.