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「トランプがイラン核検査合意主張、テヘラン「虚偽」と否定」

6月 24, 2026 / nipponese
トランプ大統領の「イランは核検査に同意」発言とテヘランの否定

アメリカとイランの核検査問題が激化し、ホルムズ海峡の通行料問題も表面化している。米国のドナルド・トランプ大統領は23日、イランが「核検査に完全に同意した」と主張したが、テヘラン側は否定。一方、米国務長官のマルコ・ルビオは同海峡でのイランの通行料徴収を拒否し、湾岸諸国との協議を強化している。議会では戦争権限に関する決議が可決され、トランプ政権の対イラン戦略に疑問の声が上がっている。この緊張は、2018年5月の核合意からの米国の一連の制裁強化、および2020年1月のソレイマニ将軍暗殺事件を受けたイランの報復攻撃以来、最も深刻な対立状況にある。

トランプ大統領の「イランは核検査に同意」発言とテヘランの否定

トランプ大統領は6月23日のペンシルベニア州スクラントンでの「アメリカのエネルギー独立」をテーマとする集会で、「イランは核検査に完全に同意した」と主張した。同大統領はさらに、「イランにはミサイル能力も核プログラムもない。我々は彼らを核能力ゼロの状態に追い込み、彼らもそれを受け入れた」と強調した。この発言は、2015年のイラン核合意(JCPOA)からの米国の完全撤退方針と一貫しているが、イラン側の公式見解は異なる。イラン外務省報道官のアブドッサラーム・カセミは6月24日の定例記者会見で、「米国大統領の発言は完全な虚偽であり、イランは核検査に関するいかなる合意も結んでいない」と否定した。カセミ報道官はさらに、「イランは国際原子力機関(IAEA)との協力を続けているが、米国の一方的な制裁と軍事的脅威が核問題の解決を妨げている」と指摘した。

“No missile capability, no nuclear program.”

ドナルド・トランプ大統領(ペンシルベニア州スクラントンでの演説、6月23日)

トランプ政権は「イランに対する軍事圧力が効果を上げた」との見解を示している。国家安全保障会議(NSC)のジョン・ボルトン元大統領補佐官は6月24日のインタビューで、「イランは米軍による2019年9月の石油施設攻撃(アブカイク攻撃)以降、核開発を抑制している」と主張した。しかし、アルジャジーラが報じるように、実際の交渉では以下の3点が主要な争点となっている:

  • IAEAの拡大検査: イランは2021年以降、IAEAの定期検査に限定した協力を続けているが、米国は「全面的な検査と設備の完全撤去」を要求している
  • ホルムズ海峡の安全保障: イランは「海峡の主権」を理由に通行料を徴収しているが、米国は「国際水路としての地位」を主張
  • 制裁の解除: イランはJCPOA復活を条件に核合意への復帰を求めているが、トランプ政権は「新たな合意」を要求

トランプ大統領の発言は、米国の交渉戦略がイラン側の現実認識と乖離している可能性を示唆している。特に、イランの核開発能力に関する評価では:

  • IAEAは2025年6月の報告書で、「イランはウラン濃縮を続けているが、軍事目的に使用できるレベルには達していない」と指摘
  • 米国防総省は2026年4月の報告で、「イランは核兵器開発に必要な技術を保有している可能性がある」と警告
  • イラン原子力機関(AEOI)は2026年5月の声明で、「核兵器開発は我が国の政策ではない」と繰り返し強調

ホルムズ海峡の通行料問題:ルビオ長官の強硬姿勢

マルコ・ルビオ国務長官は6月22-23日のUAEアブダビでの湾岸協力会議(GCC)に参加し、サウジアラビア、クウェート、バーレーンの首脳と会談した。ルビオ長官は会見で、「ホルムズ海峡は国際水路であり、いかなる国も通行料を徴収する権利はない」と強調した。この主張は、2019年7月にイランが「海峡の安全保障料」として船舶に徴収を開始して以来、米国の公式立場となっている。

“It’s an international waterway. No country is allowed to charge tolls or fees on an international waterway. This is a violation of international law.”

マルコ・ルビオ国務長官(アブダビでの記者会見、6月23日)

ルビオ長官はUAEでの会談を通じ、湾岸諸国との連携を強化している。米国務省によると、以下の3点が協議の焦点となっている:

  • 共同海上パトロール: サウジアラビアとUAEが米軍と共同でホルムズ海峡の監視を強化
  • イランの経済圧力: クウェートがイラン向けの石油輸出を制限する可能性を検討
  • 人道支援ルート: バーレーンがイランとの非公式交渉窓口として機能

一方、イラン側は「海峡の主権」を主張しており、対立が続きそうだ。イラン革命防衛隊(IRGC)のアリ・ラジャイ少将は6月24日の声明で、「ホルムズ海峡は我が国の領海であり、安全保障のための措置は正当な権利だ」と強調した。さらに、イラン外務省は6月23日の声明で、「米国の主張は歴史的事実を無視したものであり、1955年のホルムズ海峡条約に基づく我が国の権利を侵害する」と反論した。

この対立は、ホルムズ海峡を通過する石油輸出に影響を与えている。海峡を通過する石油輸送量は:

  • 2018年(イラン制裁強化前): 日量1800万バレル
  • 2020年(ソレイマニ事件後): 日量1500万バレル(減少16.7%)
  • 2026年5月: 日量1300万バレル(減少27.8%)

議会の戦争権限決議:トランプ政権への牽制

米国議会は6月23日、イランに対する軍事行動に関する戦争権限決議を可決した。この決議は、上院で50対48の僅差で賛成多数を得たが、具体的な法的拘束力はない。しかし、以下の点が注目されている:

議会の戦争権限決議:トランプ政権への牽制
Photo: CBS News
  • 賛成議員の構成: 共和党から4名(トッド・ヤング、リンダ・サルズバーガー、ジェフ・フレーク、ベン・サッサ)が賛成に回った
  • 反対議員の構成: 民主党から1名(バーニー・サンダース)が反対票を投じた
  • 棄権議員: 共和党のマイク・リー上院議員と民主党のエリザベス・ウォーレン上院議員

決議の主な内容は:

  • トランプ大統領に対し、イランとの「戦争状態」にあると見なされる場合は議会の承認を求める
  • イランへの軍事攻撃が「最後の手段」であることを確認
  • 民間人保護と地域の安定性を優先することを要求

この決議は、トランプ政権がイランとの関係を「ホストilities(敵対行為)」と位置付けていることに対する議会の反発を象徴している。特に、トランプ大統領が2020年1月のソレイマニ将軍暗殺を「自衛権行使」と位置付けたことに対する批判が高まっている。民主党のチャック・シューマー上院院内総務は6月24日の声明で、「大統領は議会の承認なしに戦争を始める権限を持たない。この決議はその原則を守るための重要な一歩だ」と指摘した。

一方、トランプ政権はこの決議を「象徴的なもの」と位置付けている。ホワイトハウス報道官のケイリー・マクファーデンは6月24日のブリーフィングで、「大統領は憲法上の権限を有し、議会の承認なしに必要な軍事行動をとることができる」と強調した。しかし、4人の共和党議員が賛成に回ったことは、トランプ政権の対イラン戦略に対する党内での批判の高まりを示している。

サッカーW杯のイラン代表入国緩和:米国の姿勢の変化

米国国土安全保障省(DHS)は6月23日、2026年ワールドカップ(米国・カナダ・メキシコ共催)に参加するイラン代表チームの入国規制を緩和すると発表した。この決定は、以下の要因によるものと見られる:

  • スポーツ外交: 米国は「サッカーを通じた人間的交流」を促進することで、イランとの緊張緩和を図ろうとしている
  • 地域安定性: イラン代表の参加は、湾岸諸国との関係改善にも寄与する可能性がある
  • 国際世論: FIFAとIOCがイラン代表の参加を求める声が強まっていた

“The overall security measures and protocol are the same. We remain committed to providing the safest tournament possible for players, staff, and fans alike. This decision is made on a case-by-case basis and does not signal any broader change in US-Iran relations.”

米国国土安全保障省(6月23日発表)

この入国規制の緩和は、米国がイランとの関係を「サッカーを通じた人間的交流」として位置付けている可能性を示唆している。しかし、ホルムズ海峡の通行料問題や核検査問題が解決されない限り、米国とイランの関係は依然として緊張したままであり、スポーツを通じた「例外」は一時的なものにとどまるかもしれない。特に、以下の点が今後の動向を左右する可能性がある:

  • イラン代表の入国許可は、個々の選手に対して個別に判断される
  • サポーターの入国は引き続き制限される可能性がある
  • ワールドカップ期間中の米国滞在中にイラン関係者が米国の政策に批判的な発言を行った場合、即座に退去命令が出される可能性がある

この決定を受け、イランサッカー連盟は6月24日の声明で、「この決定を歓迎する。サッカーは国境を越えた平和のメッセージを伝える強力なツールだ」と発表した。一方、米国の保守派団体「アメリカを守るための財団」は、「この決定はイラン政府に対する誤ったメッセージを送るものだ。テロ支援国であるイランとのスポーツ交流は危険だ」と批判した。

今後の展望:交渉の行方と地域の安定性

米国とイランの交渉は、核検査とホルムズ海峡の安全保障を中心に進められているが、双方の主張の隔たりは依然として大きい。トランプ大統領の「イランは核検査に同意した」という主張は、テヘラン側の否定によって否定されている。一方、ルビオ国務長官のホルムズ海峡に関する強硬姿勢は、湾岸諸国との連携を強化する一方で、イランとの対立を深める可能性がある。

今後、米国とイランの交渉は以下の3つの方向性が考えられる:

  1. 核問題の凍結: IAEAの監視下でイランの核活動を一定レベルで凍結し、制裁の一部解除を図る
  2. 海峡の共同管理: イランと湾岸諸国、米国がホルムズ海峡の安全保障を共同で管理する枠組みを構築
  3. 人道交渉の拡大: サッカーワールドカップをきっかけに、人質交換や経済協力の拡大を図る

しかし、以下の要因が交渉の障害となる可能性がある:

  • 米国内の対イラン強硬派: 共和党のトッド・ヤング上院議員は6月24日の声明で、「イランとの交渉は時間の無駄だ。軍事圧力が唯一効果的な手段だ」と主張
  • イラン国内の保守派: イラン最高指導者のアリー・ハーメネイー師は6月23日の講演で、「米国との交渉は我々の原則を犠牲にするものだ」と強調
  • 地域の不安定要素: イエメンのフーシ派やシリアのアサド政権が米国のイラン政策に反発

米国の対イラン戦略が成功するためには、以下の3点が不可欠となる:

  1. 議会との連携強化: 戦争権限決議をきっかけに、議会との協議メカニズムを構築
  2. イラン側との信頼関係の構築: 具体的な信頼醸成措置(TCM)を導入し、双方の歩み寄りを図る
  3. 地域諸国との調整: サウジアラビア、UAE、トルコなどとの協議を強化し、共通の立場を形成

今後の動向が注目される中、以下のタイムラインが重要となる:

  • 7月1日: IAEA総会でイランの核活動報告が議論される予定
  • 7月10日: GCC首脳会議でホルムズ海峡問題が再議論される見通し
  • 7月20日: ワールドカップ開幕に伴うイラン代表の入国手続き開始

“The current situation is a powder keg. Any miscalculation could lead to a regional conflict that no one wants. We need a diplomatic solution, but time is running out.”

米国務省関係者(6月24日、アルジャジーラ報道より)

米国とイランの緊張は、核問題、ホルムズ海峡の安全保障、そして地域の安定性に深刻な影響を与え続けている。今後数週間の動向が、中東の平和と安定の行方を左右する可能性がある。

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