21歳のリンダ・ノスコヴァが、ウィンブルドン女子シングルス決勝でカロリナ・ムホヴァを6-2, 5-7, 6-3で下し、自身初のグランドスラム優勝を果たした。チェコ勢対決となったこの一戦で、ノスコヴァは第2セットの苦境を乗り越え、栄冠を手にした。
接戦の末に掴んだ初のグランドスラムタイトル
ノスコヴァは第2セットで5-2のリードから5回のマッチポイントを逃し、セットを失うという苦しい展開を強いられた。この「第2セットのメルトダウン」の後、彼女はトイレ休憩のために一度コートを離れた。その際、優勝者に贈られるヴィーナス・ローズウォーター・ディッシュと、準優勝者用の小さい皿を目にしたことが、彼女の決意を固めるきっかけとなった。
ノスコヴァはその言葉通り、第3セットで集中力を取り戻した。6度目のマッチポイント、かつ第3セットで初めて迎えたマッチポイントをサービスウィナーで決め、勝利を確定させた。勝利の瞬間、彼女は顔を覆い、芝の上に仰向けに倒れ込んだ。試合後、キャサリン皇太子妃からヴィーナス・ローズウォーター・ディッシュを授与されたノスコヴァは、自身のキャリアで最も権威あるタイトルを獲得した。
ムホヴァの反撃とノスコヴァの集中力
敗れたムホヴァは、グランドスラム決勝で過去最多となる5回のマッチポイントを凌ぐという粘りを見せた。2023年の全仏オープンに続き、今回でメジャー大会決勝は0勝2敗となった。試合後のトロフィーセレモニーでは、涙を流しながら「リンダ、私の元友だち!冗談よ」と会場を和ませつつ、相手の健闘を称えた。「あなたの年齢で初めてのグランドスラム決勝を、これほど見事に戦い抜いたのは信じられないこと。あなたとあなたのチームにお祝いを言いたい」と述べた。
ノスコヴァもこれに応じ、「最後の一点を取るのは決して簡単ではありません。カロリナ、私をこれほどまでに追い込んでくれてありがとう。あなたの初グランドスラム決勝の相手になれて本当に幸せです」と語った。両選手は2024年のパリス・オリンピックでダブルスを組み、4位に入賞した間柄でもある。
チェコテニス界の歴史と亡き母への想い
今回の勝利により、ノスコヴァは2023年のマルケータ・ボンドロウショヴァ、2024年のバルボラ・クレイチコヴァに続き、過去4年間で3人目のチェコ人女子ウィンブルドン優勝者となった。会場のロイヤルボックスでは、2011年に自身初のウィンブルドン制覇を果たしたチェコのレジェンド、ペトラ・クヴィトヴァがこの光景を見守っていた。ノスコヴァはクヴィトヴァに次いで、ウィンブルドンでのデビュー戦で優勝した史上2人目のチェコ人選手となった。
優勝の瞬間、会場にはキャサリン皇太子妃のほか、ビリー・ジーン・キング、ジョディ・フォスター、リリー・コリンズらが駆けつけていた。ノスコヴァはスタンドへ駆け上がり、父やチームと喜びを分かち合った。しかし、彼女の感謝の言葉はそれだけでは終わらなかった。亡き母に触れた際、ノスコヴァは涙を流し、空に向かってキスを送った。「母がいなければ、私は今ここに立っていなかったでしょう」と彼女は語り、詰めかけた観衆も共に涙した。
この歴史的な勝利により、ノスコヴァは月曜日に発表されるWTAランキングでキャリアハイとなる7位に浮上する見込みである。一方、準優勝のムホヴァもキャリアハイとなる6位に躍進することが予想されている。
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