ニューヨーク・タイムズのゲーム部門でエンジニアリング・ディレクターを務めていたジョナサン・マッキンジー氏(40)が、9月26日午後3時頃、カリフォルニア州ダブリンの「ダブリン・スポーツ・グラウンド」駐車場で射殺された。警察は、現場にいた同氏の義理の両親であるショウヨン・チャン容疑者(77)とシリ・チェン容疑者(77)を殺人および共謀の容疑で逮捕した。両者はサンタ・リタ刑務所に収監されており、水曜日の罪状認否を経て、木曜日に法廷へ出廷する予定である。
ダブリン・スポーツ・グラウンドでの銃撃事件
事件発生時、ダブリン警察の巡査部長が6700ダブリン・ブールバード付近を運転中、駐車場で地面に倒れているマッキンジー氏を発見し調査を開始した。同時刻、警察には銃撃を知らせる複数の911通報が寄せられていた。警察の発表によれば、現場に到着した警官らが複数の銃創を負ったマッキンジー氏を発見し、その場で死亡が確認された。
目撃者はCBSニュースに対し、現場でマスクを着用した男女が交互に被害者へ発砲する様子を目撃したと証言している。警察はその後、現場近くの交差点で車に乗って立ち去ろうとしていたチャン容疑者とチェン容疑者を拘束した。警察の捜査により、チェン容疑者の所持品から銃が発見されたほか、チャン容疑者も犯行に使用したと認めた別の銃が車内から回収された。検察当局は、現場の監視カメラ映像により両容疑者が被害者を射殺する様子が記録されていたと述べている。

法廷闘争と家庭内の確執
ニューヨーク・タイムズの広報担当者は、マッキンジー氏が2023年1月に入社し、同社のゲーム部門でエンジニアリング・ディレクターとして勤務していたことを認めた。マッキンジー氏はジョージア工科大学で学士号を取得後、カリフォルニア大学バークレー校でコンピュータサイエンスの修士号を取得していた。
私生活では、マッキンジー氏と妻のキャンディス・ジャン氏の間で、3人の子供の親権をめぐる激しい法廷闘争が続いていた。裁判所文書によると、両者は互いにドメスティック・バイオレンス(DV)防止を求める接近禁止命令を申請し合っていた。2025年10月には、マッキンジー氏が児童虐待および児童の健康を脅かした罪で起訴され、無罪を主張していた。この際、マッキンジー氏は自身のトランスジェンダーというアイデンティティを巡り、チェン容疑者から「不快なクィア」「変質者」などと罵倒されたと法廷で訴えていた。

キャンディス・ジャンは法廷提出文書の中で「ジョナサンは、母親の死に関する本を子供たちに与えたという私の懸念を退けています。彼は、その行為を私が恐ろしいと感じるに至った背景を省略しています。ジョナサンは以前、私と私の両親を殺すと脅したことがあります」と述べている。
ジャン氏は、マッキンジー氏が子供たちに母親の死をテーマにした本を贈ったことについて、殺害予告と重ね合わせ、「深く不穏で恐ろしい選択」だったと記述している。一方、マッキンジー氏側も、過去にジャン氏からフライパンで叩かれたり、性別適合手術の術後に医療用チューブを無理やり引き抜かれそうになったと主張するなど、長年にわたる虐待があったと訴えていた。
今後の捜査と司法手続き
マッキンジー氏は2025年12月に離婚を申請しており、事件の数日後には次の審理が予定されていた。事件当時、マッキンジー氏は保釈の条件としてペアレンティング・クラスの受講を継続していた。警察は現時点で犯行の具体的な動機を公開していないが、現場の状況から計画的な犯行の可能性が捜査されている。法曹関係者のスティーブン・クラーク氏は、「非常に個人的な復讐殺人という側面をすべて備えている」と指摘し、警察は両当事者間の関係性を深く調査する必要があると述べている。
警察は、現場には他にも子供たちがいたことから、容疑者が殺人罪に加えて児童虐待の罪に問われる可能性についても言及した。現在、事件の全容解明に向けた捜査が継続されている。