ハリウッド俳優のマーク・ラファロ氏が、パラマウントとワーナー・ブラザース・ディスカバリーの巨大合併劇や、オラクル社の軍事技術提供を批判したことを発端として、業界内外で激しい議論が巻き起こっている。ラファロ氏はSNS上で、オラクル社のサフラ・カッツ執行副会長が過去の発言で同社の技術がイスラエル軍を支援していると誇らしげに語っていた動画を共有し、同社がガザ地区における軍事行動を推進していると非難した。
マーク・ラファロ氏の投稿とオラクル社の軍事技術提供を巡る批判
この批判に対し、パラマウント側の spokesperson は、ビジネス上の紛争において反ユダヤ主義的な決まり文句(トロープ)が持ち出されているとして懸念を表明した。さらに、サイモン・ウィーゼンタール・センターやクリエイティブ・コミュニティ・フォー・ピースなどもラファロ氏の発言を非難し、ハイム・サバン氏やテディ・シュワルツマン氏、ローレンス・ベンダー氏らを含む業界グループも、関与する人物がユダヤ人であるという理由だけでビジネス取引の会話にユダヤ人や反シオニズム、反ユダヤ主義を持ち込むことは許されないと主張した(Variety報道)。
映画界およびユダヤ系著名人による支持と「中傷キャンペーン」の否定
こうした批判や反発が高まる中、芸能界やその他の分野から180名(別の報道では170名以上)を超えるユダヤ系の著名人が集結し、ラファロ氏を強く支持する公開書簡を発表した。Al Jazeera報道によると、この書簡には、ホアキン・フェニックス、ジョナサン・グレイザー、ジョエル・コーエン、トッド・ヘインズ、イラナ・グレイザー、ハンナ・アインビンダー、ジェームズ・シャムス、エマ・セリグマン、トニー・クシュナー、ジェーン・ショーンブルン、ウォレス・ショーン、ナオミ・クラインといった名だたるアーティストや作家、信仰指導者、研究者らが名を連ねている。

1110億ドル規模の合併計画とメディア業界・ハイテク企業の構造的懸念
今回の対立の背景には、総額1110億ドル規模に及ぶパラマウント・スカイダンスとワーナー・ブラザース・ディスカバリーの合併計画が存在する。デヴィッド・エリソン氏が所有するパラマウント・スカイダンスと、同氏の父親であるラリー・エリソン氏が率いるオラクル社との結びつきについて、多くの懸念が示されている。ラリー・エリソン氏は、イスラエル軍支援団体への多額の資金提供を行ってきたことで知られており、オラクル社自身もイスラエル政府や軍に対してソフトウェア技術を提供してきた経緯がある。

公開書簡や映画業界の反対運動では、今回の巨額買収が単なる多国籍企業の統合にとどまらない点が強調されている。数千人規模の雇用の喪失や、メディアの寡占化が進むことによる競争や芸術性の抑圧への懸念に加え、ガザ地区の状況とハリウッドの構造的な結びつきを指摘することは反ユダヤ主義の対極に位置するものであり、むしろユダヤ人としての倫理的義務であると書簡では主張されている。