ボストン連邦地方裁判所のアンジェル・ケリー判事は2026年6月12日、トランプ政権に対し、国立公園や記念碑から撤去された奴隷制、気候変動、歴史的マイノリティに関する展示や看板を21日以内に再設置するよう命じた。この判断は、政権による歴史的事実の排除を「検閲と浄化の危険な前例」と批判する決定を下したものである。
撤去された歴史展示と連邦裁判所の命令
今回の司法判断は、国立公園局が管理する全米430以上の施設を対象とした、2025年3月の大統領令に基づく歴史展示の再編に対する直接的な反論となった。トランプ大統領が署名した「アメリカの歴史における真実と健全性の回復」と題されたこの命令は、近年追加された歴史解釈が「アメリカを本質的に人種差別的で抑圧的」と描き出す「修正主義的運動」であると主張していた。
これを受け、フィラデルフィアのインディペンデンス国立歴史公園ではジョージ・ワシントン大統領の奴隷に関する言及が撤去され、サウスカロライナ州のサムター要塞では気候変動の脅威を示す看板が取り外された。また、ニューヨークのストーンウォール国立記念碑からはプライドフラッグが撤去されるなど、影響は多岐にわたったとロサンゼルス・タイムズが報じている。
司法が指摘した「歴史のホワイトアウト」
ケリー判事は、政権が「歴史を白いペンで書き換えようとしている」と厳しく指摘した。同判事は、国立公園がアメリカの「善、悪、そして醜い側面」を含む多面的な歴史を伝える場所であるべきだと強調した。

"Under the guise of promoting American dignity, this administration seeks to share a limited history by ordering the removal of all signs, displays, and interpretive exhibits at national parks that do not align with its preferred narrative, thereby telling half-truths." アンジェル・ケリー判事(ガーディアン)
訴訟の背景とNPCAによる批判
"Americans count on national parks to help us understand our full, rich history. Stories of triumph and tragedy alike deserve to be told out loud at parks." アラン・スピアーズ氏(ガーディアン)
一方で、内装省の広報担当者は今回の司法判断を「リベラルな活動家判事の仕業」であると批判。同省は控訴の可能性を検討しつつ、今週末にホワイトハウスの南芝生で開催される建国250周年記念式典に注力する姿勢を見せている。
今後の展開と期限
裁判所は、政府に対して21日以内という明確な期限を設けている。この期限までに、撤去された看板や展示が元通りに復元されるかどうかが焦点となる。政権側が控訴手続きを進める中で、この司法命令がどのように履行されるかは、アメリカの公的空間における「歴史解釈の正当性」をめぐる争いの行く末を占う重要な試金石となる。
<!– /wp:paragraph The Supreme Court's ruling on the removal of a historical marker at the White House Visitor Center sets a crucial precedent for the interpretation of American history in public spaces, with the outcome still uncertain as the government ponders its next move.Find more reporting in our 日本 section.