ロサンゼルス市長選挙は、全米第2の都市のリーダーシップを問う極めて重要な局面を迎えています。今回の一次投票の結果、現職のKaren Bass市長が11月3日の決選投票へ進むことが確定しました。しかし、再選を目指すBass市長にとって、今回の結果は決して安泰とは言えません。NBC Los Angelesによると、UC BerkeleyとLos Angeles Timesによる最新の世論調査では、Bass市長の支持率は26%にとどまり、Nithya Raman市議会議員(25%)やSpencer Pratt氏(22%)が肉薄するデッドヒートが繰り広げられました。
Bass市長は選挙陣営のイベントで「私たちは基盤を築きました。そして、その基盤の上にさらに積み上げていくつもりです」と述べ、自身の取り組みを継続する意欲を強調しました。しかし、LAistが報じたところによると、市長は過半数の支持を得られなかったため、いずれにせよ決選投票は避けられない状況でした。
挑戦者たちの台頭と「変化」への要求
今回の選挙戦で注目を集めているのは、政治的アウトサイダーであるSpencer Pratt氏の躍進です。政治公職の経験がないPratt氏は、2025年に発生した「Palisades Fire」で自宅を焼失したことをきっかけに出馬を決意しました。彼は、都市の安全と清潔さを改善するというメッセージを掲げ、ホームレス対策として薬物治療の義務化を訴えています。Pratt氏は自身の陣営のイベントで、次のように述べました。
“I’m going to prove to everyone this is for real, and I’m ready to run this city,” Spencer Pratt, ロサンゼルス市長候補
一方、進歩派のNithya Raman市議会議員は、選挙戦を通じて民主党支持層の取り込みを図ってきました。Raman氏は自身の陣営の集会で、現在の政治状況を「MAGAマシン」による攻撃と表現し、「私たちはAngelenos(ロサンゼルス市民)がそのビジョンを求めていると信じており、それは正しかったのです。現実は、そのビジョンが一部の非常に強力な勢力を脅かしているということです」と語りました。
現職が抱える懸念と争点
Bass市長に対する批判は、主にホームレス問題や治安、住宅コストの増大に集中しています。特に2025年1月の火災発生時に市長がガーナへ渡航していた事実は、NBC Los Angelesが報じている通り、選挙戦における大きな「負債」となっています。市長自身は当時、火災リスクの深刻さについて報告を受けていなかったと説明し、渡航は「間違いだった」と認めていました。
一方で、Bass市長は自身のリーダーシップの下でホームレス人口が2年連続で減少していると主張し、市政の成果を強調しています。しかし、世論調査のトレンドが示すように、投票直前になって有権者の関心が挑戦者たちへ向かっている現状は、現職にとって予断を許さない状況です。