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2025-10-30 20:30:00
運航開始からわずか1年半での幕引きだ──。ANAホールディングスは10月30日、傘下の中距離LCC「AirJapan(エアージャパン)」ブランドを、2026年3月末で運航休止すると発表した。同ブランドの事業はANAブランドの国際線が継承。今後はフルサービスキャリア(FSC)の「ANA」と格安航空会社(LCC)の「Peach」(ピーチ)の2ブランドで事業を展開する。
運営元エアージャパンは今後も存続し、ANAとともに国際線運航に従事する。ANA担当者によると、ブランド休止に伴う人員整理(解雇)などは発生しないという。利益率が高いANA国際線事業の業績好調を背景にした「グループ利益の最大化」が表向きの理由だが、その裏には長期化するウクライナ戦争で露呈した航空業界の構造的課題がある。
ウクライナ戦争長期化で戦略転換
エアージャパンは2022年3月にANAとピーチの中間に位置する中距離国際線の新ブランドとして設定。成田国際空港(千葉県成田市)を拠点に2024年4月に成田〜バンコク路線で就航し、ソウルとシンガポールを加えた3路線を運航していたが、2年で事業が休止することになった。

ANA グループでは、2023〜2025年度の中期戦略としてANA、Peach、AirJapanの3ブランドによる「マルチブランド戦略」を掲げていた。今回のエアージャパン運航休止に合わせて、2026年度以降の新たな中期経営戦略を2ブランドによる「デュアルブランド戦略」に切り替える。

現行戦略では「訪日客市場の規模・成長性が大きい東南アジアの主要都市への就航によるインバウンド需要の獲得」「ピーチでのノウハウを生かした高い事業効率性の実現と品質を武器に競争優位性を確立する」となっていた。
方針を転換する主要因となったのが、2022年2月から続いているウクライナ戦争だ。戦況が泥沼化したことで、航空機がロシア上空を飛行できず、特に欧州路線の飛行時間が約3割増加。グループ全体で燃料コストの増加はもちろん、納品予定だった航空機やエンジンの部品供給にも影響が出た。

米ボーイングは10月29日に発表した2025年7-9月期(第3四半期)決算で、次世代大型旅客機「777X」の納品が2027年にずれ込む見通しを示し、航空事業の要となる機材確保の面で、不透明感がさらに増していた。

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