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2026-01-13 08:40:00
- Business Insiderは四半期ごとに、1万ドル(150万円)をいますぐどう投資すべきかについて、専門家の見解をお届けしている。
- 今回は、市場最大の論点となっている「AIブームはバブルなのか?」の是非を軸に質問を構成した。
- 取材した投資のプロ8人の多くは「AIはバブルではない」と回答する一方、分散投資を勧めた。
新しい年を迎え、恒例の「1万ドルをどこに投資すべきか」シリーズを更新する時期がやって来た。今回は、いつもより的を絞った視点で掘り下げている。それは「AIはバブルなのか?」という問いだ。
もしかしたらあなたはAI強派で、すでにテクノロジー株を大量に保有しているかもしれない。そのうえ、次に急伸しそうなAI関連の投資先に関する手がかりを探しているのかもしれない。
または、AIブームはバブルだと確信し、最近の景気敏感株の大幅な上昇を享受しているかもしれない。そして、その上昇局面にいつまで乗り続けるべきか判断しかねているかもしれない。
あるいはそのどちらでもなく、AIバブルについて確たる意見を持っておらず、市場に投入しようと考えている余剰資金があるだけ、という人もいるかもしれない。
いまこの記事を読んでいるあなたがどんな見通しを持っていようと、その疑問に答える。この数週間、私たちは市場の専門家たちに、AIバブル論争についてどの立場に立っているのか、それに対してどう投資すべきかを尋ねてきた。
なかにはテック株の下振れリスクがあると警告する専門家もいた。一方で、依然としてAI関連投資を評価しつつ、AI以外の市場領域にも分散させてヘッジすることを勧める声もあった。
いずれにせよ、投資先は十分にあるという点で、全員の意見が一致した。
誰もがAIバブルを話題にしているいま、投資のプロフェッショナル8人が明らかにした1万ドル(約150万円、1ドル=150円換算)の投資先を紹介しよう。
「AIでバイオテック株が追い風」
バンク・オブ・アメリカ/ジョー・クインラン氏

AIブームはバブル?: 断じて違う
投資先:バイオテクノロジー株と工業株
バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)のチーフ・マーケット・ストラテジストは、バブルという考え自体が馬鹿げていると考えている。
「バブルなんて存在しない」と、ジョー・クインラン氏は笑いながら言った。「需要はまだまだあるんだから」。
強気な見通しを持つ彼は、資金をバイオテクノロジー株に投じると語った。AIが新薬の発見を迅速化し、予防医療を改善することで、バイオテクノロジー分野は追い風を受けると考えているためだ。
「バイオテクノロジー株は今後も継続して上昇する環境が整っているとみている」
さらに彼は、これに工業株を組み合わせた、いわゆる“バーベル型”の投資戦略を取ると述べた。
「AIインフラを整備し、データセンターを建設し、セメントを混ぜる。(ゴールドラッシュ時代に儲けた)“つるはしとシャベル”を担う人々だ」とクインラン氏は語った。
その分野に投資できるファンドの例として、バンエック・バイオテック ETF(BBH)とバンガード・インダストリアルズETF(VIS)が挙げられる。
「注目すべきはバランスシートの強弱」
ソシエテ・ジェネラル/マニッシュ・カブラ氏

AIブームはバブル?: バブルではないが、オールインは避けるべき
投資先:アルファベット(Alphabet)、マイクロソフト(Microsoft)、アマゾン(Amazon)、「一つの大きくて美しい法(One Big Beautiful Bill)」の恩恵を受ける銘柄
「自分はバブル派ではなくブーム派」に属するというソシエテ・ジェネラルの米国株チーフストラテジスト、マニッシュ・カブラ氏は、投資家はAI関連投資をポートフォリオに組み込むべきだが、比重をかけすぎるべきではないと語っている。
彼が最も気に入っているのは、上記3社のようなメガキャップ(超大型)のハイパースケーラーだ。彼らは強固なバランスシートを持ち、データセンターのようなハード資産を整備するために多額の負債を積み上げる必要がない。
同氏は、潤沢な現金を持つメガキャップの巨人と、AIの野望を叶えるために多額の負債を抱えて資金調達しているオラクル(Oracle)のような企業との違いを指摘した。
「テクノロジー分野ではバランスシートの強弱が大きな焦点になる」
一方でカブラ氏は「一つの大きくて美しい法」に盛り込まれた減税や規制緩和の恩恵を受ける景気循環株に対して強気の姿勢を示している。彼は最近、金融、工業、消費関連の景気敏感セクターに属する30銘柄のリストを公表。これらが大きな勝ち組になるとみている。
銘柄の一部には、ディア・アンド・カンパニー(Deere & Co)、ウェルズ・ファーゴ(WFC)、エクソンモービル(Exxon Mobil)が含まれる。リストの全銘柄はこちらで確認できる。
「推しは日本の小型株と欧州バリュー株」
GMO/ベン・インカー氏

AIブームはバブル?: イエス。ただ、ほかのバブルよりも規模が小さく、影響も限定的だろう
投資先:日本の小型株、ヨーロッパのバリュー株
「2000年に起きたドットコム・バブルの状況ほど極端ではなく、市場全体に波及しているわけではない」
そう語るのは、GMOの資産配分共同責任者ベン・インカー氏だ。
「バブルで起こり得る問題の1つは、2000年ほど極端に割高な銘柄がなかったとしても、2008年のリーマン・ショック時のように、あらゆるリスク資産が過大評価されることだ。2008年当時は株式もクレジットも不動産も、すべてが割高だった」
インカー氏はさらに「現在はAI関連株と成長株が割高だが、それ以外はそうでもない」と続けた。
AIの代わりに注目すべき投資先として、彼は日本の小型株を挙げた。
「円は地球上で最も過小評価されている通貨だ。円建てでコストを負担している企業を買うなら、これは非常に魅力的だ。日本ではあらゆるものが本当に安く、そうした企業は大きな競争優位性を持っているからだ」と彼は語った。「特に小型株のバリュエーションは非常に低い」。
インカー氏が好むもう1つの分野はヨーロッパのバリュー株だ。なかでも金融、工業、ヘルスケアの各セクターは、アメリカの成長株より長期的に優れたリターンをもたらすはずだと強調した。
「30年物米国債も狙い目」
CVアドバイザーズ/エリオット・ドーンブッシュ氏

AIブームはバブル?: バブルではないが、市場は割高になっている
投資先:台湾積体電路製造 (TSMC)、エヌビディア(NVIDIA)、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン、アップル(Apple)、30年物米国債
CVアドバイザーズの最高投資責任者(CIO)エリオット・ドーンブッシュ氏はバブルとはみなしていないものの、バリュエーションが高いことは認めている。それでも、調整のタイミングを見極めるのは不可能であり、長期投資家ならいま買っておいたほうがいいと語った。
運用資産200億ドル(約3兆円)を管理するドーンブッシュ氏は、投資先としてAI投資の中心にいるメガキャップAI関連株を好んでいる。
「私はAIが現実のものであって、経済構造に破壊的な変革をもたらしていると本気で信じている。AIによってほぼすべての産業がビジネスモデルの見直しを余儀なくされているなか、その変化を活かしているのが、ネットワークやアプリケーションを提供しているグーグル(Google)やエヌビディア、TSMCのような企業だ」と同氏は語った。
一方、ドーンブッシュ氏は、超保守的とも受け取られかねない投資先「30年物米国債」についても強気だ。
その理由はいくつかある。第1に、利回りが5%と高水準なことだ。第2に、市場は長期的なインフレを過大評価しているため、長期金利はいずれ低下し、投資家は利益を得られると考えられること。そして第3に、株式市場が暴落した場合、より広範な安全資産への逃避が起こり、金利が低下するはずだ——とドーンブッシュ氏は指摘している。
「マイクロソフトは20%も割安状態」
モーニングスター/デイク・セケラ氏

AIブームはバブル?:市場全体としてはバブルではない
投資先:マイクロソフト、サービスナウ(ServiceNow)、クロロックス(Clorox)、モンデリーズ(Mondelez)
モーニングスターのチーフ・マーケット・ストラテジスト、デイク・セケラ氏は「現時点では、割高で(上昇が)行き過ぎた水準にある個別銘柄は数多く存在する」と指摘した一方で、「割安な銘柄も依然として複数あり、実際、テクノロジーセクター全体は当社が算定する適正価値を下回る水準で取引されている」と語った。
そうした割安なテクノロジー株の2つがマイクロソフトとサービスナウだ、とセケラ氏は語った。
両社はいずれも大きな競争優位性を持つにもかかわらず、マイクロソフトは20%、サービスナウは25%のディスカウント水準で取引されているという。マイクロソフトは多様な収益源の恩恵を受けるべきだし、サービスナウも、中小企業がAIを活用できるようにするソフトウェア企業に、投資家が目を向け始めるにつれて追い風を受けるはずだと述べた。
セケラ氏はまた、「大幅なディスカウント」で取引されているバリュー株として、クロロックスとモンデリーズの2銘柄を挙げた。
両銘柄は「依然として比較的高い配当利回りも支払っており、私が2026年に予想する非常にボラティリティの高い市場環境において、ポートフォリオの緩衝材としても役立つだろう」と彼は指摘した。
「セールスフォースが持つ“金鉱”の価値は高い」
ハンティントン・プライベート・バンク/ランディ・ヘア氏

AIブームはバブル?:懸念は誇張されている
投資先:ウォルマート(Walmart)、セールスフォース(Salesforce)、アルファベット
ハティントン・プライベート・バンクの株式調査責任者ランディ・ヘア(Randy Hare)氏は、バブルへの懸念は「少し誇張されている」と述べ、AI関連投資については引き続き前向きに捉えていると語った。
そのうえで、ヘア氏は分散されたポートフォリオをすでに保有していることを前提に、投資家が検討すべきAI関連銘柄として、ウォルマート、セールスフォース、アルファベットの3社を挙げた。
ウォルマートの場合、同社はAIの早期導入企業であり、サプライチェーン自動化の実装によって恩恵を受けている。
一方、セールスフォースは、極めて価値の高い(将来の収益源になり得る)独自データという“金鉱”をすでに抱えている。
「AIの性能は、モデルをつくるために使用するデータによって決まる。セールスフォースは顧客データを持っているため、顧客の既存データを使ってAIモデルをつくれる」と彼は語った。「つまり、公開データだけに頼るのではなく、顧客データを活用するという点で、従来とは異なる新たなレベルのAIソリューションと言える」。
また、アルファベットのチャットボット「Gemini」(旧Bard)は、主要な競合他社の製品を打ち負かしているとヘア氏は考えている。
「グーグルはAIモデルのGeminiを投入し、検索エンジンにもAIを追加した」とヘア氏は語った。「それによってグーグルは、『人々がGoogle検索をしなくなれば、広告収入をすべて失うことになる』と市場が予想したような『解決策を持たない』状況から、AIを搭載したより優れたバージョンのGoogleという解決策を提供する立場に転じた」。
「AI銘柄以外なら小型株に注目すべき」
ノーザン・トラスト/ブラッド・ピーターソン氏

AIブームはバブル?: バブルではなく、導入サイクルはまだ初期段階にある
投資先:海外株式、小型株、エネルギー、工業、インフラ
ノーザン・トラストのファミリー・オフィス・ソリューションズ部門チーフ投資ストラテジストのブラッド・ピーターソン氏は、市場がAIバブルにあるとは考えていないと述べた。
実際のところ、アメリカはAIの導入と開発の初期段階にあるように見えるし、テクノロジーに注がれている資金の大部分は、負債ではなくフリーキャッシュフローで賄われているからだと言う。
「市場に懸念があることは理解しているが、AIは堅牢な技術であり、導入はまだ初期段階にあると考えている」と補足した。
市場で1万ドルを投資に回そうとする投資家は、バリュエーションがより魅力的で、多くの投資家が十分に投資できていない海外株式を検討すべきだとピーターソン氏は語った。海外株式は、米ドル安によっても支えられると見込まれており、これは海外企業にとって追い風になる。
ほかの投資先は、投資家がすでにどのようなポートフォリオを持っているかによって異なる。
ただし、AI取引関連投資以外に機会を探している投資家は、小型株に注目すべきだとピーターソン氏は述べた。小型株は、メガキャップ(時価総額が極めて大きい)テクノロジー企業の株と比べて、より安価に評価されているからだ。エネルギー、工業、インフラといった「AIに隣接する」分野も、バリュエーションの観点で(そうした巨大テック企業より)魅力的だという。
これらの分野に投資できるファンドとして、バンガードFTSE欧州ETF(VGK)、バンガード・インダストリアルズETF、エネルギー・セレクト・セクターSPDRファンド(XLE)、グローバルX MLP&エネルギー・インフラETF(MLPX)がある。
「超巨大企業9社とその他の2グループに分けて投資」
フランクリン・エクイティ・グループ/ジョナサン・カーティス氏

AIブームはバブル?:問題が起こる兆候はまだない
投資先:メガキャップ(時価総額が極めて大きい企業)、公益事業、工業
フランクリン・エクイティ・グループの最高投資責任者(CIO)ジョナサン・カーティス氏は、市場がAIバブルにあるとは考えていないと語った。
彼はAI関連投資を支える構造的な要素は健全に見えるとし、AIに多額の投資をしている企業は健全なバランスシート、強力なキャッシュフロー、そしてすでに多くのユーザー基盤を抱えている点を指摘した。
「十分な資金があるか? 十分な電力は確保できるか? そしてそれらがどれほど迅速に調達されるのか? こうした点はいずれも、投資家として向き合うべき現実的な課題だが、長期的に見れば構造的な問題ではない」と彼は述べた。
そして、カーティス氏は、自分なら1万ドルを2つのグループに分けて投資すると語った。
第1グループは、時価総額が極めて大きいメガキャップのテック株のなかでも最大規模の9銘柄——マグニフィセント・セブンに、オラクルとブロードコムを加えたもの——で構成。第2グループは、そのほかのS&P500企業から選び、特に強力な競争優位性、強力な経営陣、そして高い利益見通しを持つ企業で構成するという。
「“S&P491”には、個別株を選ぶ投資家にとって本物の投資機会がある」と述べ、特にAIを活用できる企業や、AIインフラの構築を支える企業により多くの資金を投じると付け加えた。とりわけ公益事業や工業といった分野には良い投資機会があると考えているという。
これらの分野に投資できるファンドには、ラウンドヒル・マグニフィセント・セブンETF(マグス)、バンガード・ユーティリティーズETF、iシェアーズ米国インダストリアルズETF(VIS)がある。
※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。
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