兵庫県尼崎市で妻の遺体を損壊し、複数の骨を川に投棄したとして、メンタルクリニックの医師である下村憲司容疑者(46)が逮捕されたと、FNNプライムオンラインが報じた。警察の調べに対し、同容疑者は自宅浴室で遺体を切断したと話し、容疑を認めている。警察は妻の死亡への関与についても慎重に捜査を進めている。
下村憲司容疑者の逮捕と遺体損壊の経緯
警察の発表によると、下村憲司容疑者は2025年8月に当時住んでいた尼崎市の自宅で、妻の遺体の頭部や手足を切断し、複数の骨を川に投棄した疑いが持たれている。調べに対し「自宅の浴室でブルーシートを敷いて損壊した。カバンに入れて車で運んだ」と供述している。事件の現場となった一軒家には10月1日午前、警察が入り検証が行われた。また、関係先からは遺体の損壊に使用したとみられる複数の刃物が押収されており、警察は「私が一人でやったことです」という供述の裏付けを進めている。
行方不明届の提出から1年後の自供
事件の発端は2024年9月にさかのぼる。下村憲司容疑者は当時、「妻と口論になり出て行った。それ以降連絡がない」と主張し、自ら警察に行方不明届を提出していた。警察が妻の行方を追う中、届け出から1年近くが経過した今年8月以降になって、同容疑者が「骨を川に捨てた」と自供を始めたという。警察が捜索を実施したところ、川の約200メートルの範囲から複数の骨が見つかり、DNA鑑定などにより妻の骨であることが特定された。
急な閉院となった勤務先のクリニックと周囲の証言
遺体損壊の現場となった尼崎市の家のすぐ近くには、下村憲司容疑者が勤務していたメンタルクリニックがある。現在、クリニックの入口にはセロハンテープで「閉院」の知らせが貼られており、急な対応だったことがうかがえる。近隣住民によれば、同容疑者はメガネをかけ、細身で優しい印象だったという。診察を受けていた患者からは「話をよく聞いてくれるめちゃめちゃ優しい先生だった」「3年くらい前から通院していた」といった声が聞かれ、女性患者を中心に人気があったとされる。
家族関係と昨年からの別居生活
クリニックの患者への取材では、下村憲司容疑者が家族について語っていたことも分かっている。患者によると「息子さんの話は『俺より優秀や』とよく聞いていた」一方で、「去年くらいからなかなか家に帰っていないという話はよく聞いていた。よく病院に泊まっていた」との証言もある。妻が昨年から家に帰っていない状況や、ラフな服装で病院に寝泊まりする様子が目撃されていたことが明らかになっており、警察はこうした夫婦間の経緯についても詳しく調べている。
元埼玉県警捜査一課が指摘する隠ぺいの意図
今回の猟奇的な犯行について、元埼玉県警捜査一課の佐々木成三氏は、証拠を隠滅しようとする意思の強さが顕著に出ていると指摘している。佐々木氏は「どのような形で解体すればいいのか、そういった知識は医師だからこそできたということは十分考えられる。異質な猟奇的な犯行だと思います」と分析している。警察は関係先から押収された刃物の解析を進めるとともに、遺体損壊に至った経緯や妻の死亡との因果関係を解明する方針だ。