画面のない布製バンド型端末の開発計画
Appleは現在、ディスプレイ非搭載の新しいウェアラブル端末の初期段階にある技術調査を進めている。Bloombergによると、この端末は薄い布製のバンドに健康データを記録するセンサーと演算モジュールを組み込む仕組みだ。Apple Watchのように画面を操作する仕様ではなく、身につけて健康やフィットネスのデータを記録することに重点を置いている。実際の製品化については決定しておらず、仮に発売される場合でも2028年以降になる見通しである。
高機能化が進むApple Watchの現状
一方で、Apple Watchの機能拡張は続けられている。Series 12とUltra 4ではセンサーが刷新される予定であり、年内にはAIを活用したAudio Intelligenceの一部機能も追加される計画だ。直前の15会話をテキストで表示するLive Rewindや、会話の内容を要約してタイトルと要点をまとめるSiri Recapなどの機能が実装される。こうした腕時計の多機能化が進む一方で、シンプルな仕様を好むユーザー層との間に温度差が生じている。
WhoopやOuraなど競合の成長が背景に
Appleが今回のようなシンプルな端末の検討に入った背景には、Whoopやスマートリングを手がけるOuraなどの競合他社の成長がある。Bloombergの報道によれば、こうした市場の変化を受けて、同社は健康およびフィットネス分野の戦略を見直している段階だ。今回の試作端末に対しては、ティム・クック会長やヘルスケア事業を統括するエディ・キュー氏も関心を示しているという。
健康データを記録する正反対の2つのアプローチ
画面を持たない布製のトラッカーと、ディスプレイを搭載してAI機能まで取り込むApple Watchは、方向性において正反対に位置している。しかし、どちらの端末もユーザーの腕に装着し、健康データを継続的に記録するという目的においては共通している。Whoopのようなスクリーンレスの製品が支持を集める市場環境において、同社がどのような製品ラインナップを構築するのかはまだ判別できない。
発売時期の見通しと今後の開発動向
現段階では技術調査の初期段階にとどまっており、実際に市場へ投入されるかどうかも含めて不確定要素が大きい。Bloombergの予測では、製品化された場合の発売は2028年以降になるとされており、開発計画が白紙に戻る可能性もある。Apple Watchの多機能路線と、今回浮上したシンプルな健康管理バンドという異なるアプローチが、今後のウェアラブル市場にどのような影響を与えるのか注目される。