大内拓実被告の裁判員裁判で検察側が拘禁刑21年を求刑
水戸地裁(有賀貞博裁判長)で審理が続く裁判員裁判で、検察側は殺人などの罪に問われた大内拓実被告に対して拘禁刑21年を求刑した。2025年12月31日に起きた小松本遥さん殺害事件をめぐり、初公判から被告による周到な準備行為や位置情報端末を利用した執拗な追跡劇が浮き彫りとなっている。法廷では、被害者が生前に周囲へ漏らしていた元交際相手への不満も証言として示された。
交際解消後に始まったLINEブロックと電話着信拒否
検察側の冒頭陳述によると、大内被告と小松本さんは2024年1月頃に交際を始めたが、同年11月下旬に小松本さんから別れを告げられて関係が解消された。その後、2025年6月になって大内被告から「ちゃんと話せたらなと思っている」とLINEメッセージが送信された。しかし、小松本さんは「前みたいに頻繁に会うつもりもない」と拒絶し、LINEをブロックしたうえで電話も着信拒否の設定にした。
紛失防止タグ入りのミッキーマウスのぬいぐるみを実家へ送付
連絡を絶たれた大内被告は、執拗に小松本さんの居場所を突き止めようと行動を開始した。事件の5日前となる12月26日、自身のスマートフォンと接続して位置情報が確認できる紛失防止タグを隠したミッキーマウスのぬいぐるみを作り、小松本さんの実家に送りつけた。この際、伝票の差出人欄には株式会社オリエンタルランドと記載し、懸賞品が当たったかのように偽装する工作を行っていた。
4日間連続でアパート周辺をうろつき宅配業者を装う
翌27日、実家からぬいぐるみを持参して自宅アパートに戻った小松本さんの位置情報を、大内被告は確認してすぐに行動を起こした。起訴状によると、アパートを特定してから4日間連続で周辺の路上をうろついていたという。さらに、犯行前日となる30日には100円ショップでハンマー、変装用の帽子、眼鏡を購入し、上下作業服に帽子とマスクを着用して宅配業者を装いアパートを訪問したが、この時は留守だった。
車のナンバープレート裏側へのタグ取付と今後の見通し
留守だったことを受けて、大内被告はさらに新たな紛失防止タグを購入し、翌31日未明に小松本さんの車のナンバープレートの裏側に取り付けた。発信機付きのぬいぐるみなどを送り被害者の居場所を特定して犯行に及んだ一連の経緯について、今後は弁護側の主張や最終弁論を経て、水戸地裁がどのような判決を下すかが焦点となる。