ヒマラヤ山脈のネパール側にあるヒムルン・ヒマールで27日朝に雪崩が発生し、登山者や支援スタッフなど多くの関係者が巻き込まれました。ネパール国立山岳ガイド協会によると、28日までに4人の遺体が収容され、ベースキャンプでは調理スタッフ12人が行方不明となっています。
ヒムルン・ヒマールのベースキャンプを襲った大規模雪崩
ネパール・マナン郡に位置する標高7126メートルのヒムルン・ヒマールで27日朝、大規模な雪崩が発生しました。雪崩に巻き込まれたのは、外国人登山者より先に現地入りし、キャンプの設営やロープの設置作業を行っていたネパール人のグループです。ネパール国立山岳ガイド協会は、ベースキャンプ一帯に約4メートルの雪が積もったと発表しています。積雪が深く、気温が氷点下に落ち込み、足場が不安定であるため、すべての区域を手作業で捜索することは極めて困難かつ危険な状況となっています。
悪天候と過酷な環境で難航する救助活動
ヒムルン・ヒマール周辺ではここ数日、大雪や雨などの悪天候が続いています。当初はヘリコプターや救助隊が現場にたどりつけない状況でしたが、経験豊富な登山家で構成される救助隊が首都カトマンズからヘリコプターで現地へ急行しました。ネパール国立山岳ガイド協会は、27日に2人の遺体を発見し、28日にさらに2人の遺体を収容したとソーシャルメディアに投稿しました。生存者の発見を目指して山に入った救助隊ですが、現在は危険な状況を理由に捜索活動を一時中断しています。同協会は状況を監視し、安全が確保され次第、残りの遺体を収容するためにあらゆる努力をする方針を示しています。

行方不明者の安否と現地からの深刻な報告
ヒマラヤ・ホリデイズ・トレッキングのビブティ・チャンド・タクール氏はAFP通信に対し、同社の遠征隊の少なくとも8人が行方不明になっているとの報告を受けたと語っています。ヒムルン・ベースキャンプでは調理スタッフを含む12人が依然として行方不明となっており、安否が気遣われています。ネパールの山岳地域では悪天候が続いており、同国経済にとって重要な登山観光業は非常に危険な状況に直面しています。今週初めには、世界で8番目に高いマナスル(標高8163メートル)でも雪崩の危険性が高まり、登山者らが撤退を余儀なくされました。
相次ぐ気象災害とヒマラヤ地域の危機
ネパールと中国・チベットの国境沿いでは、8月26日に氷河の崩壊による大規模な土石流が発生しました。トリシュリ川流域に大量の水と土砂が流れ込み、これまでに1400人超の死亡が確認されたほか、現在も6000人以上が行方不明となっています。また、アジアのほかの地域でも危険な気象現象が相次いでおり、インドのウッタルプラデシュ州では豪雨による洪水や土砂崩れで50人以上が死亡しました。タイ・バンコクでも大雨で洪水の緊急事態が宣言されるなど、広範囲で深刻な被害が出ています。
今後の見通しと安全確保に向けた対応
ネパール国立山岳ガイド協会は、ヒムルン・ヒマールでの捜索活動について、気象状況や現場の安全が確保され次第、再開する予定です。行方不明となっている12人の捜索と残りの遺体収容に向けた救助隊の再派遣には、天候の回復が不可欠となります。相次ぐ気象災害や雪崩の多発により、ヒマラヤ山脈周辺では安全管理の徹底と気象情報の監視がこれまで以上に強く求められています。