台風25号の最接近から1週間が経過した28日、千葉県内では土砂崩れや道路の冠水により、6市町の8集落が依然として孤立状態にあることが各市町村への取材で判明した。県は同日、市原市で安否不明となっていた60歳代男性の死亡を発表し、一連の台風による県内の死者は9人、神奈川県と合わせて14人に達した。自治体などは停電や断水が続く現場で連日の復旧作業を急いでいる。
酒々井町の開運団地で続く約120メートルの道路冠水と孤立状態
約30世帯が暮らす千葉県酒々井町の開運団地では、台風の影響により入り口の道路が約120メートルにわたって冠水し、現在も孤立状態が続いている。住民によると、団地横を流れる川の盛り土が崩落して川がせき止められ、行き場を失った水が団地周辺に流れ込み続けている。町や住民によると、崩落現場周辺は重機が入れないほど地盤が弱く、復旧作業は極めて難航している状況だ。
町役場によると、連日の排水作業には国土交通省も加わっているものの状況に大きな変化はなく、1メートル以上水につかったままの場所も残る。約10世帯が床上まで浸水し、住民の多くはボートで避難した。しかし、ペットの世話などを理由に約10世帯が現地にとどまり続けている。家族4人で避難した37歳の男性は、先月の千葉豪雨では大丈夫だったとした上で、今度は台風に見舞われたと話し、いつまで避難生活が続くのかと疲れ切った様子を見せた。
市原市大蔵の土砂崩れ現場と各地に残る孤立集落の実態
千葉県内では台風後に一時的にでも孤立した地域が、少なくとも12市町の48集落に及ぶことが分かっている。白井市の3集落、君津市、富津市、長柄町の各1集落、そして袖ケ浦市で28日に新たに判明した1集落などでも孤立状態が続いている。各自治体はライフラインの復旧と住民の安否確認を最優先に進めている。
土砂崩れによって道路が塞がれていた市原市大蔵の集落では、27日に孤立が解消されるまで13世帯が備蓄していた水や食料で生活をつないだ。現地の崖の上では今も木が折れる音が聞こえる状態が続いており、71歳の町会長は、台風26号も接近しているため再び被害が出て孤立状態に戻るのではないかと強い不安を口にしている。
県内の人的被害と拡大する台風の犠牲者数
28日には、千葉県が市原市で安否不明となっていた60歳代男性の死亡を新たに発表した。今回の台風による犠牲者は千葉県内で9人に達し、隣接する神奈川県の犠牲者を合わせると死者は合計14人となった。記録的な大雨と暴風はインフラだけでなく多くの尊い人命を奪い、地域社会に深い爪痕を残している。
家屋の浸水被害や土砂災害が発生した地域では、泥の撤去作業や生活道路の確保が課題となっている。自治体職員や関係機関の懸命な作業が行われているものの、被害の広範囲にわたるため、生活の完全な復旧にはなお時間を要する見通しだ。
自治体による復旧作業と新たな台風への警戒感
千葉県内の被災地では、生活用水の供給停止や電気の復旧待ちが続く集落が多く、行政による支援物資の配給や健康相談が続けられている。避難所から自宅に戻れない住民も多く、仮設住宅の確保や今後の住まいの再建に向けた支援体制の構築が急務となっている。
復旧作業が難航する最中、さらなる気象条件の悪化に対する懸念も高まっている。住民や自治体関係者は、重ねて接近する台風への備えを強いられており、二次災害を防ぐための警戒態勢が解けない状態が続いている。今後は、気象情報の注視とともに、インフラの早期復旧と被災者の生活再建に向けた重層的な支援が求められる。