福岡県議会の海外視察をめぐり、タイ・バンコクでの宴会動画や写真がネットメディア「センキョタイムズWEB」やNHKなどで報じられ、強い批判が集まっている。
バンコク視察での宴会動画と猛烈な批判
2024年1月に実施された視察では、自民党の前県議会議長である蔵内勇夫氏ら10人を超える県議が参加した。会場でダンスやデュエットに興じる様子が確認されている。県民からは「謝って済むわけがない」と厳しい声が上がり、政治倫理や公金の使途に対する追及が強まっている。
舞台上で繰り広げられた乱痴気騒ぎの実態
センキョタイムズが報じた動画では、当時自民党福岡県議団会長だった松尾統章氏が舞台上で蔵内勇夫氏を「ドン・クラウチオーネが世界に挑戦します」と紹介している。
別の場面では、蔵内氏ら男女数人が頭にネクタイを巻いて舞台上で踊り回る様子が映し出された。さらに、女性議員4人が舞台でキャンディーズの「年下の男の子」を歌って騒ぐ姿も確認されている。この4人は当時国民民主党の県連代表だった大田京子氏と、民主県政県議団に所属していた豊福るみ子氏、後藤香織氏、室屋美香氏であると報道されている。
『タイタニック』ポーズと集団セクハラの指摘
宴会の写真をめぐっては、舞台上で大田京子氏の腰を蔵内勇夫氏が後ろから抱き、映画『タイタニック』のポーズを取る姿が捉えられた。蔵内氏の元秘書で自民党の林泰輔氏も、豊福るみ子氏の腰を同様に抱いていた。
センキョタイムズはこの乱痴気騒ぎを「自民会派による『集団セクハラ』事件だ」と強く批判している。非自民党の議員が含まれていたことについて、政界関係者は、長年ほぼ自民党を中心とするオール与党体制が続き、少数の異を唱える声が聞き入れられず緊張感を欠いていたと指摘する。
ワンヘルス事業と政界の癒着構造
福岡県では、蔵内勇夫氏が主導し、人と動物の健康や環境保全を一体的に考えるとする「ワンヘルス」を冠した多額の事業が推進されてきた。最近になって、その資金の使われ方にも厳しい目が注がれている。
蔵内氏はバンコクで踊った女性議員4人を「ワンヘルスエンジェルス」と命名していた。2023年には国民民主党福岡県連が自民党と政策協定を結び、蔵内氏に対抗馬を立てなかった経緯もある。
大田京子氏は写真が公開された後、SNSで節度を欠く振る舞いがあったと謝罪し県連代表の辞任を表明したものの、自民党と国民民主党の協力関係については言及していない。
相次ぐ辞職ドミノと問われる議会の信頼
海外視察や失言で批判が高まった蔵内勇夫氏は、2024年8月に議員を辞職した。また、松尾統章氏も熊本地震の発生当日に政治資金パーティーを開いて炎上し、自民党福岡県議団会長を辞任している。大田京子氏も県連代表を引責辞任するなど、関係者の処分や辞職が相次いでいる。
海外視察の是非や宴会での不適切な行動に対する批判が収まらない中、福岡県議会は信頼回復に向けた説明責任を問われる事態となっている。今後、一連の不祥事が議会運営や各政党の勢力図にどのような影響を与えるのか、関係者の動向に注目が集まっている。