ロシア軍が実戦投入したジェット推進型自爆ドローンの性能とは
ロシア軍はこれまで、イラン製のシャヘド136や、ロシア国内で生産されたゲラン2など、プロペラ推進の自律飛行型自爆ドローンを長距離攻撃に使用してきた。しかし、2026年に入ってからはゲラン4やゲラン5といったジェット推進式の機体を生産し、実戦に投入している。特にもともとジェット推進型として設計されたゲラン5は8月頃から本格的に使用され始めており、インフラ破壊において大きな脅威となっている。この機体は最大950kmの航続距離を持ち、巡航速度は450から600km/hに達するとされている。
F-16戦闘機と迎撃兵器を巡る課題
ジェット推進型ドローンの速度は、従来のプロペラ推進型用の迎撃ドローンでは迎撃がかなり困難な水準である。そのため、もともと首都周辺の防空任務でシャヘドの撃墜などに使用されていたウクライナ軍のF-16などが、迎撃に活用されている。しかし、自爆ドローンに対してF-16が搭載する空対空ミサイルのAIM-9サイドワインダーを使用して撃墜するのは、費用対効果が非常に悪いと考えられている。このため、もともとは対地攻撃用だった無誘導ロケット弾ハイドラ70をレーザー誘導化した精密誘導兵器であるAPKWSが無人機の迎撃任務などにも使用されてきた。ただし、今回の標的はジェット推進型であるため、APKWSが有効であるかについては現状で公式な発表はない。
新型迎撃ドローンの開発と対策の現状
ジェット推進型の自爆ドローンに対抗するため、新たにジェット推進型の迎撃ドローンなどの生産と配備も進められている。新型の迎撃手段は2026年9月19日に初めて撃墜を記録した。しかし、まだ数が揃っていないのが実情である。急速に近代化が進むロシア軍の無人機攻勢に対し、ウクライナ側におけるジェット推進型ドローンへの対策は、現状では後手に回っているとされている。
実戦空間における防空のゆくえ
ウクライナ空軍が運用するF-16による今回の迎撃成功は、高速化する無人機脅威に対する現場の対応を示す貴重な事例となった。一方で、費用対効果の高い迎撃手段の確立や、不足するジェット推進型迎撃ドローンの量産化は急務である。今後、戦場における防空体制がどのように適応していくのかが注目される。