イランは中国の組織が提供する衛星画像や情報を活用し、ホルムズ海峡を通航する船を脅かしている。米情報機関の分析に基づき、情報筋4人がCNNに明らかにした。この支援は、中東の米軍基地に対する精密攻撃や船舶追跡能力の向上に寄与しているという。
中国製衛星データが変えるイランの攻撃力
イランは7月に実施したヨルダンの米軍基地攻撃において、中国が提供した衛星画像を利用した。この攻撃では米兵3人が死亡している。米当局者は、衛星画像がなければこれほどの精密攻撃は不可能な能力だったと分析している。中国から提供された地理空間データにより、ホルムズ海峡を通る船の追跡能力も強化された。
データの活用によって、イランのドローンやミサイルが目標に命中する確率は上がっている。別の情報筋2人によると、データを使って発射のタイミングを合わせることで、飛行中に操作できない比較的単純な熱源追尾型ドローンでも船舶を脅かすことが可能になった。数カ月間にわたる断続的な攻撃の中で、攻撃精度は着実に高まっている。
ホルムズ海峡で続くドローンとミサイルの応酬
ホルムズ海峡では、イランが米軍の護衛艦や商船に対する攻撃を続けている。船が海峡の特定の地点に到達したところで、多数の熱源追尾型ドローンを一斉発射する戦術が採られている。ドローン自体の技術は高度ではないが、中国の衛星画像を利用して護衛作戦を効果的に追跡し、最適なタイミングを見計らって攻撃できることが示されている。
作戦のペースは激しさを極める。ある当局者によると、最近実施された護衛作戦の間、米軍はイランのミサイル10発以上を迎撃し、20機近いドローンを撃墜した。さらに、ホルムズ海峡周辺の目標約60カ所に対して攻撃作戦を実施している。9月15日に公開された映像では、ホルムズ海峡で損傷したとされるパナマ船籍の石油タンカー「エル・ガイア」が捉えられている。
複数の要因が重なる軍事的有効性の向上
イランの軍事的有効性が向上した背景には、中国の支援だけでなく複数の要因が存在する。情報筋によると、ロシアも対イラン支援を行っており、一部の当局者からは実戦経験の積み重ねを指摘する声も上がる。情報面の支援に加え、中国とロシアは技術面の支援も行っており、ミサイルやドローンの誘導システムの性能向上につながっている。
米当局者は、中国による支援の範囲を定量的に正確に把握するのは難しいと口をそろえる。中国政府が支援を指示しているのか、それとも単に黙認しているのかは不透明な状態にある。ホルムズ海峡での混乱は世界的な原油価格上昇を招いており、5人目の情報筋は中国がむしろ収束を望む立場だろうと指摘する。
高まる警戒と今後の見通し
ヨルダンの米軍基地への7月の攻撃などでは、中国から提供された情報データが決定的な役割を果たしたとの見方で当局者は一致している。情報筋の一人は、実戦の積み重ねも役に立つが、支援の手が差し伸べられれば大きな助けになると述べている。
首都ワシントンにある中国とイランの大使館、国防総省、およびホワイトハウスにコメントを求めたものの、記事掲載前に返答はなかった。米情報機関や当局者間でも中国の関与の度合いについては見方が分かれており、今後も情報面の支援が中東地域の戦術にどのような影響を与えるのか、関係国による動向の注視が続くとみられる。