2026年シーズン第1週の日曜日、アーロン・グレン監督率いるニューヨーク・ジェッツがテネシー・タイタンズを23-10で下し、2024年以来となる開幕戦白星を飾った。一方、ロバート・セール監督が率いる新生タイタンズは攻守で精彩を欠き、本拠地で痛い黒星発進となった。
ジェッツが投打の噛み合いで見せた危なげない試合運び
昨季は大きく苦しんだ守備陣も立ち上がりから奮闘した。第3四半期終了時点でタイタンズに許した獲得ヤードはわずか112ヤード、ファーストダウン更新も6回のみに抑え、一時は20-3とリードを広げた。クワン・テズ・スティガーズやスペシャルチームもリターン阻止やターンオーバー奪取で貢献し、チーム全体が非常に高い組織力を見せつけた。この勝利により、ジェッツは2024年シーズン第3週以来となる勝率5割以上を第1週の時点で記録している。
攻撃面では、ジーノ・スミスがミスなくプレーし、8人の異なるレシーバーにボールを散らした。ブリース・ホールとブレロン・アレンが牽引したラン攻撃は32回で142ヤードを記録。特に第2四半期には12分近くに及ぶドライブを組み立て、ポゼッション時間を支配した。Next Gen Statsによると、ジェッツはランプレーの69.4%をアンダーセンターから行い、これはアーロン・グレン体制下で最高率となった。アンダーセンターからのランは36回中25回で115ヤード、2タッチダウンを記録し、そのうちブリース・ホールが17回で85ヤードと1タッチダウンをマークした。ホールは10ヤード以上の爆発的なランを3回記録し、キャリアハイに並んだ。NFL Researchによれば、ジェッツはテネシーをトータルヤードで172ヤード上回ったが、これはジーノ・スミスが第1週の先発を務めた2014年以来の最大差である。
本拠地で厳しい船出となったセール監督とタイタンズ
対するタイタンズは、フレッシュなユニフォームと新しい体制で臨んだものの、昨季の悪夢を引きずるような内容に終始した。ブライアン・ダボールの指揮する攻撃陣は爆発力を欠き、チームの最長ランプレイはわずか14ヤード、1プレーあたりの平均獲得ヤードも4.0ヤードに留まった。
ロバート・セール監督の守備陣は、ニューヨークのオフェンスラインにほとんどプレッシャーをかけることができず、突破を許した。クォーターバックのカム・ウォードはジェッツのパスラッシュに飲み込まれ、ドロップバックの41%でプレッシャーを受け、3回のサックを喫した。ニッサン・スタジアムでは、厳しい暑さとタイタンズの不甲斐ないプレーにより観客が早々に席を立った。残った地元ファンからは、CBSのブームマイクに拾われるほどの音量で「Fire Saleh(セールを解任せよ)」という怒号が飛び、一方でジェッツのファンによる「J-E-T-S」コールが鳴り響いた。
存在感を示したジェッツのルーキーたち
ジェッツがドラフト1巡目で指名した3人の新人が、さっそくチームの勝利に貢献した。パスラッシャーのデヴィッド・ベイリー、タイトエンド(TE)のケニオン・サディク、ワイドレシーバー(WR)のオマー・クーパーJr.
クーパーは、ニューヨークの最初の得点ドライブでYAC(キャッチ後の獲得ヤード)を稼ぐ30ヤードのキャッチ・アンド・ランを披露した。そのドライブは、ラインバッカーをエッジで振り切る機動力を持つサディクによる巧みなエンドアラウンド・タッチダウンランで締めくくられた。これによりサディクは、1978年のオジー・ニューサム以来、NFL史上2人目の「キャリア初試合でラッシングTDを記録したTE」となった。また、第2位指名のベイリーは第3四半期にNFL初サックを記録し、試合最多のQBプレッシャー6回をマークしてバックフィールドで絶えず脅威となった。
一方で、懸念材料もあった。オマー・クーパーJr.は前半に足首の負傷を負い、そのまま試合から退いた。
波乱含みとなった2026年シーズン第1週の全景
さらに、ブラウンズはジャガーズに34-10で敗れ、1999年のリーグ復帰以来の開幕戦成績が3勝24敗1分となるなど、おなじみの苦しい滑り出しとなった。一方で、ニューヨークの街にとっても特別な週末となり、ジェッツとジャイアンツが揃って開幕戦を勝利したのは2009年以来のこととなる。また、アリゾナ・カージナルスは+9.5という開幕週最大のアンダードッグでありながら、ロサンゼルスでチャージャーズに26-14で勝利するという大番狂わせを演じた。各チームが手探りで動き出したこの最初の週末を終え、シーズンは早くも本格的な戦いへと突入していく。