11月の米中間選挙をにらんだ共和党大会が9日、南部テキサス州ダラスで開幕した。トランプ米大統領は同日夜に演説し、連邦議会の上下両院で多数派の維持を目指す中、支持層の結集を促して選挙態勢の立て直しを図る姿勢を示した。
米政権への審判となる中間選挙を前に、トランプ氏を支える共和党が党大会を開いたのは大統領選の年に開くのが通例である中、中間選挙の年としては初めての開催となる。トランプ氏は演説で、すべての面において米政権史上最も成功した2年間だったと大統領2期目の実績をアピールし、皆の支援で、我々は米国をかつてなく強く、安全で、豊かで、自由で、偉大な国にしていくと強調した。
トランプ氏は8月に自身のソーシャルメディアで、党大会について「私たちの大いなる勝利と成功を祝って素晴らしい候補者たちを披露し、史上最も重要な中間選挙に備えるためだ」と説明。9、10日の両日とも登壇し、2日目は締めくくりの演説をする。バンス副大統領やベッセント財務長官ら重要閣僚も出席して演説した。
メディアは、対イラン攻撃長期化に伴うガソリン価格高騰などで不人気のトランプ氏を前面に出すのは共和党にとって「リスク」が伴うと指摘。一部の共和党候補はトランプ氏と距離を置くため、大会出席を見送った。
中間選挙の重要性と劣勢挽回に向けた戦略
物価高への国民の不満が強く、イラン情勢の混迷や対イラン攻撃の長期化に伴うガソリン価格の高騰などを背景に、トランプ氏の支持率は最低水準に沈んでいる。選挙戦が終盤に差し掛かる中、トランプ氏は自身を「選挙の顔」として前面に出し、劣勢挽回を狙う。
党大会では、2024年大統領選で公約に掲げ実現した大型減税や強硬な不法移民対策に関して世論の注目を集め、追い風にしたい狙いがあるとみられる。トランプ氏は中間選挙が最も重要な選挙の一つになると訴え、民主党が勝利すれば米国は今後10年間立ち直ることに費やすことになると主張した。
民主党との政策対立と二つのビジョン
党大会初日には、民主党との政策の違いに力点が置かれた。民主党の予備選で急進左派が穏健派を相次いで降して勢い付く中、トランプ氏は民主党を「共産主義者」と攻撃した。
経済成長や減税、国境の安全対策を推進する王道的な共和党の解決策と、共産主義化の推進や増税、法執行機関の解体を狙う極端にリベラルな民主党の政策という、米国の二つのビジョンが明確に示されている。
共和党大会で「共和党は民主党が残した混乱を立て直している」と書かれたプラカードを掲げる参加者=米南部テキサス州ダラスで2026年9月9日、ロイター
連邦議会選候補者の出席状況と今後の焦点
米CBSニュースによると、党大会には連邦議会選や知事選の候補者ら100人以上が出席を予定している。トランプ氏は8日のソーシャルメディアへの投稿で、党大会の入場券が「完売した」と主張し、「皆が来たがっているが、ステージを確保するため」として、接戦区の候補者の登壇を優先すると強調した。

だが、接戦が伝えられる連邦議会選の候補の間では、分断をあおると批判されるトランプ氏が主役となる党大会への参加が得策ではないと判断し、出席を見送る動きも目立っている。上下両院で現在多数派を占める共和党が勢力を維持できるかどうかが最大の焦点となる中、残り少ない選挙戦の行方が注目されている。