英ロイヤルファミリーを離脱しカリフォルニア州へ移住していたヘンリー王子とメーガン妃が、子どもたちとともにイギリスへ帰国した。これを受け、チャールズ国王側近による書簡が公開され、ふたが非就業王族であることや私人とみなされる立場が改めて確認された。夫妻側には国王側の表現に対する不満も報じられている。
チャールズ国王側の書簡公表と王族としての立場
イギリスへ帰国したヘンリー王子とメーガン妃の身分について、チャールズ国王の名代であるロード・チャンバレン署名の書簡が公開された。王室最高位の役職者によるこの通知では、ふたが2020年1月に国王陛下の公務代表から退いて以来、王室の専従メンバーではないという事実が改めて強調されている。イギリスに戻ったヘンリー王子とメーガン妃の非就業メンバーとしての立場について、書簡は憶測や混乱を防ぐために明文化された形となった。
書簡では、「2020年1月に公爵と公爵夫人が主権者に代わって代表的な任務を遂行することから退いたことは周知の通りであり、もはや王室の就業メンバーではない」と述べられている。また、「殿下(His and Her Royal Highness)」という称号の使用についても、「停止状態にあり、使用されない」と明記された。
国王の書簡、NBC Newsによる報道
バッキンガム宮殿の関係者はNBC Newsに対し、書簡が月曜日にヘンリー王子のチームに共有されたことを認めた。同関係者は、内容がいずれ漏洩する可能性が高いため、機密性をめぐる主張を避けるために公表したと説明している。
慈善活動についても、個人的な能力の範囲内で行う私的な事柄であると位置づけられている。その結果として、ふたの立場は「商業的および慈善的な利益を持つ民間人に近いもの」と表現されている。
「私人」と「公人」をめぐる夫妻の不満と通知のタイミング
国王側の文書で用いられた表現に対し、ヘンリー王子とメーガン妃側には不満が存在している。国王の書簡における表現について、夫妻は自身を「民間人(private citizens)」ではなく「公人(public figures)」として扱われるべきだと考えていると報じられている。さらに、公的資金を受け取っていないものの、個人的なレベルでは依然として王室の一員であるという認識が示されることを望んでいた。
書簡の配布プロセスをめぐっても行き違いがあった。The Telegraphによると、書簡は月曜日のイギリス時間午後1時59分にサセックス夫妻の事務所に共有された。国王側スタッフは事前に内容を伝える意向を持っており、「1つか2つの点を明確にする」意向があったが、夫妻側の返答を待つ前にメディア向けに共有されたという。
夫妻側のスタッフは20分後に、書簡が既に送信されたのかを問い合わせた。午後3時9分に、会議中だったヘンリー王子にスタッフが連絡し、書簡が起草され、配布に関する指導を求めていることを伝えた。しかし、書簡はその3分前に、王子とチームが知らないうちに既にメディアに共有されていた。彼らが公表されたことを知らされたのは午後3時11分であった。これに対し、国王側の関係者は、立場を明確にすることがすべての関係者の利益になると主張している。
英国での生活基盤と警察警護をめぐる懸念
一家4人は子どもたちのアーチー王子(7歳)とリリベット王女(5歳)を連れて、8月26日にイギリスへ戻り、現地での生活を再開している。夫妻は7月に再会した際、チャールズ国王やカミラ王妃に帰国の予定を伝えていなかった。報道によれば、子どもたちは年間3万5000ドルの準備学校に就学し、コッツウォルズ地域でチャールズ国王の邸宅近くの住宅を探しているとされる。また、メーガン妃は会員制リゾートのSoHo Farmhouseで、他の母親とティータイムを共にしていたところを目撃されている。

一方で、イギリス滞在中の警備体制や法的な課題も山積している。王子側近の周辺からは、書簡の発表時期が「意図的」であったとの見方も示されている。これは、「王族および公人の警護に関する執行委員会」が、一家に対する警察警護の是非を協議するタイミングと重なっていたためだという。ただし、宮殿側はこの臆測を強く否定している。
また、ヘンリー王子はイギリス政府との間で警護の打ち切りをめぐる長期的な法廷闘争を続けてきた。さらに、デイリー・メール紙などの発行元であるアソシエイテッド・ニューズペーパーズとのプライバシー侵害をめぐる訴訟において、数名の原告とともに合わせて3450万ポンド(約4600万ドル)の支払いを命じられるなど、現地メディアとの緊張関係も続いている。