日本語版
最新ニュース
日本

スタンリー・ドラッケンミラー氏、スコット・ベッセント氏が進める国債買い戻し策を批判

米財務長官スコット・ベッセントが進める長期債の買い戻し拡大策を巡り、師事を受けた著名投資家スタンリー・ドラッケンミラー氏が批判の声を上げている。40兆円を超える巨額の国債発行と財政赤字の拡大が続く中、市場メカニズムに介入する手法の効果と副作用を巡る議論が激化している。…

スタンリー・ドラッケンミラー氏、スコット・ベッセント氏が進める国債買い戻し策を批判

米財務長官スコット・ベッセントが進める長期債の買い戻し拡大策を巡り、師事を受けた著名投資家スタンリー・ドラッケンミラー氏が批判の声を上げている。40兆円を超える巨額の国債発行と財政赤字の拡大が続く中、市場メカニズムに介入する手法の効果と副作用を巡る議論が激化している。

米国債市場の利回り上昇を抑え込もうとする政府の介入策が、市場関係者の間で波紋を広げている。財務省が打ち出した国債の買い戻し方針に対し、かつての師弟関係にある大物投資家から強い異論が唱えられた。

スタンリー・ドラッケンミラー氏による「Let the Bond Market Speak」の論考

デュケイン・ファミリー・オフィスを率いるスタンリー・ドラッケンミラー氏は、米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿し、財務省の債券買い戻し計画を批判した。同氏は国債の買い戻しスキームを直ちに放棄し、政府の介入なしに適切な価格を市場が決定できるようにすべきだと主張している。

スタンリー・ドラッケンミラー(デュケイン・ファミリー・オフィス)氏はウォール・ストリート・ジャーナルに対し、30年債の利回りが5.5%でなければ取引が成立しない状況になったとしても、それは危機ではないと述べた。

ドラッケンミラー氏はさらに、財政赤字への抜本的な対策こそが長期金利を引き下げる唯一の方法であると訴えた。政府が市場のファンダメンタルズに対抗して価格を防御しようとしても最終的には必ず敗北すると指摘し、市場が持つ価格発見機能を阻害することが財政規律の弛緩につながると警鐘を鳴らしている。

財務省による買い戻し拡大と10兆円規模の一般勘定

財務長官スコット・ベッセントが進める政策は、市場の混乱を鎮めるためのルーティンな流動性操作であると説明されている。財務省は長期債の買い戻し上限をこれまでの1回あたり20億ドルから4倍規模に引き上げる方針を示していた。

市場では、2025年だけで約4兆8000億ドルに達した歴史的な国債発行量を背景に、財務省が保有するキャッシュや資金枠でどこまで買い支えを続けられるかについて懐疑的な見方が広がっている。財務省関係者は、政府の小切手帳に相当する約9350億ドルの一般勘定を活用して債券買い入れに充てる余地もあると示唆しているものの、その運用には債務上限を巡る法的な限界が存在する。

FRBの非関与と40兆円に達した連邦債務の現実

現在の米国の財政状況は、連邦債務総額が40兆ドルを突破し、2026年度の財政赤字も2兆ドルを超える規模で推移している。30年物国債の利回りが過去約20年間で最高水準を記録した直後に発表された今回の買い戻し策に対し、市場の価格形成を歪める「先送りへの補助金」にすぎないとの批判が根強く残る中、今後の金融政策と財政運営の行方が注目されている。

スタンリー・ドラッケンミラー氏、スコット・ベッセント氏が進める国債買い戻し策を批判
Photo: CNBC
Bessent’s Mentor Druckenmiller Calls Bond Buying a Mistake
執筆者について: nipponese

Nipponese News編集部は、国内外のニュースを日本語で分かりやすくお届けします。