日本語版
最新ニュース
世界

バチカンのギャラガー外務長官がモスクワに到着、露外相らと会談へ

ロシアのウクライナ侵攻以降初となるモスクワ訪問を実施するため、聖座(バチカン)のポール・リチャード・ギャラガー外務長官が8月24日に到着した。同氏の今回の4日間の日程には、露外相やロシア正教会関係者との会談、およびモスクワの小規模なカトリックコミュニティへの司牧訪問が含まれている。…

バチカンのギャラガー外務長官がモスクワに到着、露外相らと会談へ

ロシアのウクライナ侵攻以降初となるモスクワ訪問を実施するため、聖座(バチカン)のポール・リチャード・ギャラガー外務長官が8月24日に到着した。同氏の今回の4日間の日程には、露外相やロシア正教会関係者との会談、およびモスクワの小規模なカトリックコミュニティへの司牧訪問が含まれている。

モスクワでの高官会談と対話への決意

聖座の国家・国際機関関係担当長官を務めるポール・リチャード・ギャラガー大司教は8月24日、4日間の日程でロシアの首都モスクワに到着した。国務省の公式アカウントによる発表によると、この訪問は世界的な国際関係が極めて困難な時期において、対話の道を歩み続ける聖座の強い決意を示すものだ。

訪問期間中、大司教はロシア政府の主要な当局者やモスクワ総主教庁の代表者らと矢継ぎ早に会談を行う。翌25日には、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣およびロシア正教会モスクワ総主教庁の対外教会関係部長であるアントニイ・ボロコラムスク府主教と面会する。また、26日にはウラジーミル・プーチン大統領の外交政策担当補佐官であるユーリ・ウシャコフ氏とも協議を行う予定となっている。

「スケジュールは、世界レベルの国際関係において最も困難な時期の一つであっても、対話の道を歩み続ける聖座の決意を確認するものです」 バチカン・ニュース、聖座による発表

今回のモスクワ訪問は、ギャラガー長官にとって2021年11月以来となる。前回の訪問では、ミハイル・ミシュスティン首相やラブロフ外相、当時のモスクワ総主教庁対外関係担当トップであったイラリオン府主教らと意見を交わした。

ウクライナ独立記念日と重なる外交日程

バチカン高官による今回のモスクワ入りは、ウクライナが首都キーウなどで独立35周年の記念行事を盛大に祝う時期と重なった。イギリスのアンディ・バーナム首相をはじめとする一連の欧州指導者らが続々とキーウへ赴き連帯を示す中、ウクライナのアンディ・シビハ外相は自身のソーシャルメディアを通じて発信を行った。

バチカンのギャラガー外務長官がモスクワに到着、露外相らと会談へ
Photo: Thecatholicherald

「ウクライナにとって、独立は抽象的な観念ではありません。私たちはあらゆる困難を乗り越えてそれを守り抜きました。このような時こそ、味方となる同盟国が傍にいることの重要性を諸国は学ぶのです」 アンドリイ・シビハ、ウクライナ外務大臣

ギャラガー長官自身も7月17日から21日にかけて、ローマ教皇レオ14世の特使としてウクライナを5日間の日程で訪れていた。ラテン典礼教会の構造刷新35周年を記念する式典に臨み、ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領とも会談を行った。現地で目撃された戦争による疲弊や、市民の犠牲に基づく不屈の精神を踏まえ、長官は対話を重視する姿勢を崩していない。

ロシア国内のカトリック教会との交流

モスクワ滞在の後半、ギャラガー長官はロシア国内に点在する少数派のカトリックコミュニティに寄り添う。8月27日には、現地で奉仕する聖職者や修道男女らと面会し、モスクワの無原罪の聖母マリア大聖堂でミサを司式する予定である。その後、国内のカトリック司教団とも協議の場を持つ。

RUSSIA LIVE: Lavrov & Vatican Archbishop Gallagher Deliver Joint Remarks in Moscow

ロシアにおけるカトリック教会は数的には非常に小規模であり、広大な領域に分散している。その組織はモスクワの神の母大司教区を中心に、サラトフの聖クレメンテ、ノヴォシビルスクの変容、イルクーツクの聖ヨセフという各教区によって構成されている。直近の統計によると、ロシア国内には396の小教区に約80万人のラテン典礼カトリック信徒が存在し、6人の司教、304人の司祭、338人の修道女が宣教と牧会に当たっている。

継続される和平への模索と人道支援

バチカンによるロシアとの外交接触はこれが初ではなく、前任者や特使らを通じた水面下の交渉が積み重ねられてきた。2024年10月には、教皇特使としてマッテオ・マリア・ズッピ枢機卿がモスクワを訪問し、ラブロフ外相やウシャコフ氏、アントニイ府主教らと会談している。聖座報道局によれば、当時の協議では未成年者の家族再統合や、捕虜・負傷者、戦死者の遺体交換に向けた進捗状況の評価が行われた。

バチカンのギャラガー外務長官がモスクワに到着、露外相らと会談へ
Photo: OSV News

一連の外交日程を通じて、聖座は軍事行動の停止に向けた独自イニシアチブの可能性を探り続けている。ギャラガー長官自身も昨年のインタビューで、侵略の責任の所在について「私たちはどの国の戦車がどの国の国境を越えたのかについて非常に明確でなければなりません。最終的に侵略の決定を下したのはロシア単独でした」と明確な見解を示しつつも、困難な情勢下での外交的突破口を模索する姿勢を示してきた。長官は8月28日にローマへ帰還する予定である。

Russian FM Lavrov Meets Vatican’s Archbishop Gallagher for High-Level Moscow Talks | AC1G
執筆者について: nipponese

Nipponese News編集部は、国内外のニュースを日本語で分かりやすくお届けします。