ミシガン州の連邦上院民主党候補アブドゥル・エル・サイード氏は、米国内のユダヤ人に対する暴力の可能性を示唆した進歩派ストリーマー、ハサン・ピーカー氏の発言を受け、同氏との距離を置く姿勢を明確にした。この論争は、激戦州ミシガンでの上院選において同氏の支持基盤の結束を揺るがしている。
ハサン・ピーカー氏の発言とエル・サイード氏の対応
先週のライブ配信の中で、ピーカー氏はイスラエルへの反対姿勢が反ユダヤ主義にあたるという考えに反論した。その際、「ユダヤ人は一枚岩である」という考えを広めることは「非常に危険なプロパガンダ」であると主張し、次のように述べた。「もしアメリカのユダヤ人が、自分たちがイスラエルに深く関与しているという考えを出し続ければ、いずれ誰かがイスラエル国家に対してではなく、アメリカのユダヤ人に対して行動を起こすようになるだろう」。
この発言に対し、民主党のハキーム・ジェフリーズ下院院内総務は、「アメリカのユダヤ人が自ら暴力の標的を招いているという悪意ある主張は危険であり、反ユダヤ主義的だ」と強く批判した。これを受け、エル・サイード氏は月曜日に声明を発表し、「私は、すべての米国人が暴力の恐怖を感じることなく自らの信念を主張する権利があると信じている」と述べた。さらに、「反ユダヤ主義は災厄であり、あらゆる形態で対処しなければならない」とし、「このキャンペーンを代表して話すのは私と私の広報担当者のみであり、政治家や評論家がこの選挙戦をTwitchストリーマーの問題にしようとしても、我々はガス、食料品、良い学校、医療について議論していく」と強調した。
ジェレミー・モス州上院議員への波紋
ピーカー氏の配信中、画面にはミシガン州の民主党連邦下院候補であるジェレミー・モス州上院議員のSNS投稿が表示されていた。ユダヤ系でありイスラエル支持を公言するモス氏は、自身のInstagram投稿が「Track AIPAC」という団体によって利用されたことに対し、ピーカー氏の発言を強く非難した。モス氏は、「私は、カリフォルニアのポッドキャスターからミシガン州オークランド郡のユダヤ人コミュニティの信条について講釈を受けるつもりはない」とし、「我々が反ユダヤ主義的な被害を受ける責任があるかのようにガスライティングされることは断固拒否する」と反論した。
選挙戦への影響と背景
エル・サイード氏の陣営は、予備選での厳しい戦いや、3月に発生したミシガン州のシナゴーグ襲撃事件への対応を巡る批判など、これまでもユダヤ系コミュニティからの懸念と向き合ってきた。モス氏は月曜日の声明で、エル・サイード氏と「ミシガン州および中東におけるユダヤ人とアラブ人の安全と治安」について対話を続けていることを明らかにしたが、今回の論争が今後の選挙戦の統一にどのような影響を与えるかは依然として不透明なままである。