オーストラリア本土における鳥インフルエンザの感染拡大が、新たな段階に突入した。連邦政府は、南部で進む野生鳥獣の感染拡大に伴い、本土の海洋哺乳類へのウイルス到達は想定内であったとしている。
ビーチポートで発見されたオットセイの感染確認
連邦農林水産大臣のジュリー・コルコンはホバートでの記者会見において、この事案について言及した。
同大臣はさらに、感染した個体について、周辺の他の死んだ海洋哺乳類との関連は見られないと説明した。感染経路については、ウイルスを保有する野鳥や、それらの鳥類が共有する環境との接触が原因とみられている。
相次ぐ野生生物の被害と広がる感染状況
今回のオットセイの死亡確認は、孤島における鳥類の大量死に続くものである。南オーストラリア州では先週、遠隔の沖合の島々で1,000羽を超えるオオアジサシが犠牲となる3件の大量死亡事案が報告されていた。
南オーストラリア州環境大臣のエミリー・バークは、南オーストラリア州内での検出件数が深刻な水準に達していることを明らかにした。さらに、同州カンガルー島で見つかっていたコアペンギンからもウイルスが検出されたことを確認している。バーク大臣によると、本土から南西に約4,000キロ離れた亜南極のハード島では、鳥インフルエンザによりオットセイの幼獣の75パーセントにあたる1万3,000頭が死亡した経緯がある。
絶滅危惧種への懸念と対応をめぐる議論
ゴフは、個体数が1万頭未満である成熟した繁殖期のオーストラリアアシカへの影響を深く懸念しており、これが同種にとっての絶滅水準の事態につながる恐れがあると警鐘を鳴らしている。オーストラリア海洋保全協会のキャンペーンディレクターであるアレクシア・ウェルベロブは、連邦政府に対し、脅かされている野生生物のための2億ドルの野生生物強靭化基金の創設を求めている。

一方、政府側はワクチン導入の難しさに直面している。エミリー・バーク大臣は、哺乳類向けの既製ワクチンは存在せず、過去5年間、世界中で哺乳類向けのウイルス制御ワクチンを開発できた国は存在しないと述べている。州および連邦政府は、米国で開発されている実験的ワクチンの適用の可能性について検討を続けているものの、哺乳類への接種プログラムに伴うリスクを慎重に見極める方針である。
当局による警戒と今後の見通し
南オーストラリア州の主席獣医であるスカイ・フルアンは、捕食動物やスカベンジャーといった野生生物が特に感染リスクにさらされていると説明している。ペットの飼い主に向けては、犬にリードをつけて散歩させ、猫を屋内で飼育するよう要請が出されている。
人間への感染リスクについては、世界保健機関や当局の見解として依然として低いとされているが、一般市民に対しては死骸や病気の鳥獣に近づかず、見つけた場合は公式のホットラインや専用ウェブサイト(birdflu.gov.