日本

トランプ大統領、セーブ・アメリカ法案可決へ上院の休会阻止とフィリバスター廃止を要求

7月 27, 2026 / nipponese

2026年7月27日、ドナルド・トランプ大統領は、アメリカ市民権の証明と写真付き身分証明書の提示を義務付ける「セーブ・アメリカ法案」の可決まで、連邦上院が8月の休会に入るのを阻止するようジョン・スーン上院院内総務に要求した。

同法案は、投票時の本人確認を厳格化することで共和党の中間選挙を有利に保証するとトランプ大統領が主張している優先法案である。しかし、上院では民主党が反対姿勢を示しており、法案の成立には通常60票が必要となるフィリバスター(議事妨害)の壁を越えなければならない。共和党は53議席を握るものの、スーン院内総務はこれまで、法案を前進させるのに十分な票数を確保できていないと認めている。

ジョン・スーン上院院内総務への圧力とフィリバスター廃止論

トランプ大統領は自身のソーシャルメディア上で、スーン院内総務が議会を休会させるべきではないと厳しく迫り、さらに一歩進めてフィリバスターそのものの終結を求めた。ワシントン・ポスト紙などの報道によると、トランプ大統領は社会保障や予算関連法案も含めて迅速に可決するために、フィリバスターの廃止こそが最善の道だと主張している。

トランプ大統領は月曜日に記者団に対し、スーン院内総務とは良好な関係を維持しているとしつつも、「彼は仕事をやり遂げなければならない」と述べ、圧力を緩めなかった。ボストン・グローブ紙などの報道によれば、ホワイトハウスのカロライン・レビット報道官も先週、トランプ大統領の忍耐が限界に達しつつあると指摘していた。

53対47の議席数と法案が直面する数学的な壁

共和党は上院で53対47の多数派を占めているが、法案成立に必要な60票のハードルが高く立ちはだかっている。スーン院内総務は月曜日の記者会見で、すでに法案について複数回の採決を行ってきた経緯に触れ、行き詰まりの現状を説明した。

President Trump Urges Senate to Stay in Washington Until SAVE America Voting Bill Passes

私たちはすでに1回、2回、3回、4回、5回と投票を行ってきました。これがどう終わるのか、その結末のビジョンを示してほしい。 ジョン・スーン上院院内総務、記者団への発言

党内からの突き上げと迫る8月7日の休会期限

この対立は、8月7日から始まる予定の5週間の夏季休会を前に、上院の立法日程を大きく複雑にしている。スーン院内総務は、政府資金の確保、暗号資産関連法、ロシアへの制裁といった重要課題に最後のスパートをかける予定だったが、セーブ・アメリカ法案を巡る争いがそれに割って入る形となった。

Photo: bostonglobe.com

AP通信やボストン・グローブ紙の報道によると、ユタ州のマイク・リー上院議員など党内の保守派グループは、休会前に何らかの行動を起こすよう強く要求しており、指導部のリーダーシップに疑問を呈する姿勢を示している。特に中間選挙を控える中、メイン州のスーダン・コリンズ議員やアラスカ州のダン・サリヴァン議員など、激戦区を抱える共和党議員にとっても地元の有権者へアピールする選挙運動期間の確保は死活問題となっている。

セーブ・アメリカ法案の内容と議論の行方

民主党側はフィリバスターを政権の独走を防ぐための防衛線と位置づけており、ペンシルベニア州のジョン・フェッターマン上院議員がワシントン・ポスト紙への寄稿でその重要性を強調するなど、与野党の溝は深い。トランプ大統領と党内強硬派が求める休会のキャンセルやルール変更が実現するかどうかは、スーン院内総務が限られた議席数の中で打開策を見いだせるかにかかっている。

Photo: washingtonpost.com