中国北部・山西省で90人以上が死亡する 炭鉱のガス爆発
中国北部・山西省長治市の炭鉱で2026年5月22日金曜日の夜、ガス爆発が発生し、少なくとも90人が死亡しました。現場では247人の作業員が勤務しており、救助活動が続けられています。この事故は、近年発生した中国の鉱山事故の中でも最大規模の惨事となっています。 事故の発生と救助活動の状況 5月22日金曜日の夜、長治市にある劉神峪(Liushenyu)炭鉱においてガス爆発が発生しました。国営通信社である新華社によると、事故発生当時、地下では247人の作業員が作業に従事していました。この事故により、少なくとも90人が死亡したことが確認されています。 負傷者は120人を超え、その多くが有毒ガスの影響を受けていると中国中央テレビ(CCTV)が報じました。救助活動には、総勢755人の緊急医療および救助要員が投入され、現場ではヘルメットを着用した救助隊が担架を運ぶ様子や、周辺に待機する救急車の姿が確認されています。 生存者の一人である王永(Wang Yong)氏は、事故当時の状況について次のように語っています。 「煙が立ち上るのを見て、硫黄の臭いがし、人々が窒息しているのを目撃しました。その後、意識を失いました。1時間ほど横たわった後、自分で目を覚ましました。隣にいた人たちに声をかけ、一緒に鉱山から脱出しました。」王永氏(生存者)、CCTVによる取材 事故の背景と安全管理の問題 事故が発生した劉神峪炭鉱は、山西同舟煤炭焦化集団(Shanxi Tongzhou Coal & Coke Group)によって運営されており、年間生産能力は120万トンに達します。中国の国家鉱山安全監察局は、2024年に同炭鉱を「ガス含有量が高い」として、災害リスクの高い炭鉱リストに指定していました。 今回の事故の引き金となった可能性について、新華社は、地下に設置されていた一酸化炭素センサーが作動したことで、当局が事態を把握したと伝えています。一酸化炭素は無臭で極めて毒性の高いガスです。 山西省は中国の石炭産業の中心地であり、国内の石炭生産量の約3分の1を担っています。中国政府は2000年代初頭から、ガス爆発や浸水事故を防ぐために厳しい規制を導入し、死亡事故の発生件数を減少させてきました。しかし、2023年に内モンゴル自治区で発生した露天掘り炭鉱の崩落事故(53人死亡)や、2020年に重慶市で発生した事故など、依然として大規模な事故が繰り返されています。 習近平国家主席による指示と法的責任の追及 中国の習近平国家主席は、行方不明者の救出に向けて全力を尽くすよう指示を出しました。また、事故の事後処理を適切に行い、原因究明と法的責任の追及を徹底するよう求めています。 習主席は、すべての地域や部門がこの事故から教訓を学び、職場安全に対する警戒を常に維持し、重大な事故の発生を断固として抑制するよう強調しました。新華社は、地元緊急管理局の情報として、事故に関与した会社の責任者が「管理下に置かれた」と報じています。 李強首相も同様に、迅速かつ正確な情報公開と厳格な責任追及を求めています。山西省は中国国内でも比較的貧しい地域の一つとされており、今回の惨事は、同省の石炭産業における安全管理体制の脆弱さを改めて浮き彫りにする形となりました。 現在、負傷者123人のうち4人が重体または深刻な状況にあり、救助活動と原因究明が最優先事項として進められています。なお、今回の事故の死者数は、2009年に黒竜江省で発生した爆発事故(100人以上が死亡)以来、中国の鉱山事故としては最悪の記録となります。