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「日本の若い経営学者は世界に向けて英語で論文を」今こそ再評価されていい日本型経営 | Business Insider Japan

ラマイプ/ゲッティイメージズ/今週も、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄先生が経営理論を思考の軸にしてイシューを語ります。参考にするのは先生の著書『世界標準の経営理論』。ただし、本連載はこの本がなくても平易に読み通せます。混沌とした世界情勢に、行き過ぎた資本主義の弊害が言われる今、世界の経営学の潮流から日本型経営はどう映っているのでしょうか。入山先生は「日本型経営の古いところはアップデートしながら、良さをうまく出していくことで再評価される可能性は十分にある。日本の若い経営学者には、もっと英語で論文を書いて、世界の学会で勝負して欲しい」と解説します。【音声版はこちら】スポティファイ、りんご、アマゾン、YouTube等でポッドキャスト配信中。経営理論はどう作られるのか今回は、Business Insider Japanブランド編集長の高阪のぞみさんをお迎えしています。高阪さんの「世界情勢が不安定化する中で、経営学者は何に注目しているのか」という問いから話は始まります。高阪国際情勢の先行きが不透明になる中で、安全保障や経済への影響に注目が集まっています。その中で、日本の企業経営はどこに向かおうとしているのか。日本型経営の未来を伺いたいと思います。というのも、一橋大学名誉教授の野中郁次郎先生が2025年1月に亡くなり、1年が過ぎました。野中先生は2024年に『二項動態経営 共通善に向かう集合知創造』を出版されるなど、89歳でお亡くなりになる直前まで精力的に仕事をされていました。二項動態経営では、日本型経営に改めて注目せよ、と書かれています。野中先生は、日本企業がアメリカ型の経営を過度に取り入れたことによって、例えば「短期利益を重視するあまり研究開発力が落ちた」など、日本企業が本来の強みを失ってきたと指摘します。日本型の経営は長期と短期、個人と組織、理性と感情など対立する概念を同時に成立させる「二項動態経営」という強みがある、としています。私は日本にいることもあって野中先生に共感しますが、アメリカでは今、どのような経営理論に注目が集まっているのでしょうか。僕は2013年まではアメリカで研究していたので、少なくとも当時は世界の経営学のトレンドの最前線にいました。日本に帰国してからも早稲田大学で研究していますが、一方で日本では企業のアドバイザーや講演、メディア出演などの仕事が多くなっています。今は純粋な研究者としての仕事の比重はだいぶ少なくなっているのが正直なところです。言い訳がましいですが……(笑)、これは、アメリカと日本の研究の「競争環境」が違うことも背景の1つです。これは経営学に限らずですが、アメリカの研究者は、壮絶な競争社会で研究しています。例えば経営学や経済学の分野は、「トップの学術誌に論文を何本載せられたか」で、ほぼ学者としての人生が決まります。そうした競争の中から、突き抜けた研究者が出てくる。だから、とにかく論文を書き続けるしかないのです。一方、日本の大学の研究者は、少なくとも人文社会科学系は、アメリカの大学と比べたら、そこまで競争が激しいわけではありません。特に僕の場合は、学問だけでなく実務教育も重んじるビジネススクールの教授ということもあり、論文を書いて競争する以外のことをしても、許される環境なのです。荒幡日本とアメリカで、同じ経営学者でも全然取り組みが違うのですね。高阪入山先生がまだアメリカの大学で教鞭を執ったままでしたら、『世界標準の経営理論』のような書籍は書けなかったかもしれませんね。そう思います。縛りの少ない日本にいたから書けた側面はあると思いますね。とはいえ、『世界標準の経営理論』は、日本のアカデミアや実業界にある程度ポジティブなインパクトがあったのではないかと自分では感じているので、それは良かったなと思います。世界中の経営理論をここまでまとめた本は、これまでありませんでしたから。ウェルビーイングと優しいリーダーが注目される理由高阪そう考えると、アメリカのアカデミアは経済界と離れているということでしょうか。 #日本の若い経営学者は世界に向けて英語で論文を今こそ再評価されていい日本型経営 #Business #Insider #Japan

「日本の若い経営学者は世界に向けて英語で論文を」今こそ再評価されていい日本型経営 | Business Insider Japan

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2026-03-12 02:30:00

ラマイプ/ゲッティイメージズ/

今週も、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄先生が経営理論を思考の軸にしてイシューを語ります。参考にするのは先生の著書『世界標準の経営理論』。ただし、本連載はこの本がなくても平易に読み通せます。

混沌とした世界情勢に、行き過ぎた資本主義の弊害が言われる今、世界の経営学の潮流から日本型経営はどう映っているのでしょうか。入山先生は「日本型経営の古いところはアップデートしながら、良さをうまく出していくことで再評価される可能性は十分にある。日本の若い経営学者には、もっと英語で論文を書いて、世界の学会で勝負して欲しい」と解説します。

【音声版はこちら】スポティファイりんごアマゾンYouTube等でポッドキャスト配信中。

経営理論はどう作られるのか

今回は、Business Insider Japanブランド編集長の高阪のぞみさんをお迎えしています。高阪さんの「世界情勢が不安定化する中で、経営学者は何に注目しているのか」という問いから話は始まります。

高阪
高阪

国際情勢の先行きが不透明になる中で、安全保障や経済への影響に注目が集まっています。

その中で、日本の企業経営はどこに向かおうとしているのか。日本型経営の未来を伺いたいと思います。

というのも、一橋大学名誉教授の野中郁次郎先生が2025年1月に亡くなり、1年が過ぎました。野中先生は2024年に『二項動態経営 共通善に向かう集合知創造』を出版されるなど、89歳でお亡くなりになる直前まで精力的に仕事をされていました。二項動態経営では、日本型経営に改めて注目せよ、と書かれています。

野中先生は、日本企業がアメリカ型の経営を過度に取り入れたことによって、例えば「短期利益を重視するあまり研究開発力が落ちた」など、日本企業が本来の強みを失ってきたと指摘します。

日本型の経営は長期と短期、個人と組織、理性と感情など対立する概念を同時に成立させる「二項動態経営」という強みがある、としています。

私は日本にいることもあって野中先生に共感しますが、アメリカでは今、どのような経営理論に注目が集まっているのでしょうか。

僕は2013年まではアメリカで研究していたので、少なくとも当時は世界の経営学のトレンドの最前線にいました。日本に帰国してからも早稲田大学で研究していますが、一方で日本では企業のアドバイザーや講演、メディア出演などの仕事が多くなっています。今は純粋な研究者としての仕事の比重はだいぶ少なくなっているのが正直なところです。

言い訳がましいですが……(笑)、これは、アメリカと日本の研究の「競争環境」が違うことも背景の1つです。これは経営学に限らずですが、アメリカの研究者は、壮絶な競争社会で研究しています。

例えば経営学や経済学の分野は、「トップの学術誌に論文を何本載せられたか」で、ほぼ学者としての人生が決まります。そうした競争の中から、突き抜けた研究者が出てくる。だから、とにかく論文を書き続けるしかないのです。

一方、日本の大学の研究者は、少なくとも人文社会科学系は、アメリカの大学と比べたら、そこまで競争が激しいわけではありません。特に僕の場合は、学問だけでなく実務教育も重んじるビジネススクールの教授ということもあり、論文を書いて競争する以外のことをしても、許される環境なのです。

荒幡
荒幡

日本とアメリカで、同じ経営学者でも全然取り組みが違うのですね。

高阪
高阪

入山先生がまだアメリカの大学で教鞭を執ったままでしたら、『世界標準の経営理論』のような書籍は書けなかったかもしれませんね。

そう思います。縛りの少ない日本にいたから書けた側面はあると思いますね。とはいえ、『世界標準の経営理論』は、日本のアカデミアや実業界にある程度ポジティブなインパクトがあったのではないかと自分では感じているので、それは良かったなと思います。世界中の経営理論をここまでまとめた本は、これまでありませんでしたから。

ウェルビーイングと優しいリーダーが注目される理由

高阪
高阪

そう考えると、アメリカのアカデミアは経済界と離れているということでしょうか。

#日本の若い経営学者は世界に向けて英語で論文を今こそ再評価されていい日本型経営 #Business #Insider #Japan

執筆者について: nipponese

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