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2026-02-19 21:00:00
- ゴールドマン・サックスの見解によれば、ゴールド(金)の高騰は「コモディティのスーパーサイクル」到来を意味するものではない。
- 各国の中央銀行による買い入れ、FRBの利下げ、コールオプションの需要(値上がりへの賭け)がゴールドの勢いを加速させている。
- ゴールドとは異なり、大部分のコモディティは価格が上昇すれば増産によって供給を増やすことができる。
ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)によると、現在のゴールド(金)価格の力強い上昇は、コモディティ市場全体に広範な活況が訪れる兆候ではないという。
この「黄金のメタル」は記録的な快走を続けており、2026年1月下旬には1トロイオンス(約31グラム)5500ドル(約84万円)を突破した後、反落した。記事執筆時点では、1トロイオンスあたり約4900ドル(約76万円)前後で取引されており、それでも年初から約13%上昇している。
「我々は価格が永遠に上がり続けるような『スーパーサイクル』が来るとは予想していない」と、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)のシニア・コモディティ・アナリストであるリナ・トーマス(Lina Thomas)は、2月13日に公開された同社のポッドキャスト「ザ・マーケッツ(The Markets)」で語った。
同社はゴールドに対して強気な見通しを維持している。トーマスも「我々は依然としてゴールドに対して強気だ」と述べ、同社が2026年末までに金価格が1トロイオンス5400ドル(約82万7118円)に達すると予想していることを付け加えた。
政策への懸念、そして投資家の「ポジション」
ゴールドの急騰は、構造的な買いと投資戦術による買いが混ざり合った結果である。
各国の中央銀行は、地政学的なリスクや金融不安に対する「備え」として、ゴールドの蓄積を進めている。それと同時に、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)による利下げが、ゴールドなど利回りの低い(あるいはない)商品の機会費用を小さくした。
トーマスはまた、需要の背後にある主要な原動力として、「ディベースメント取引(通貨価値切下げ取引)」を挙げた。これは、西側諸国の政府財政に対する投資家の懸念を示すものだ。
通貨不安というテーマは、オプション市場にも波及している。投資家たちは、将来あらかじめ決められた価格でゴールドのETF(上場投資信託)を買うことができる権利「コール・オプション」を盛んに購入している。こうした値上がりを見越した「賭け」が積み上がると、その契約を販売した銀行やディーラーは、自らのリスクを管理するためにゴールドの現物を購入することが多い。この動きが、金価格の上昇をさらに加速させているのだ。
ただし、同じメカニズムによって、価格の引き戻しを増幅させる可能性もある。
供給をめぐる明暗
ゴールドの力強い上昇とは対照的に、ゴールドマン・サックスは、あらゆる商品価格が長期にわたって一斉に上がり続ける「コモディティのスーパーサイクル」が起こる条件は整っていないと見ている。
「ゴールドは急に増産できるものではない。生産規模を拡大させることもできない。その生産量は極めて厳しく制限されている」とトーマスは説明する。
他のコモディティにはそのような制限はない。例えば、銅などは、市場価格が上昇すれば通常は増産が促される。
「価格が上がると増産される」ため、産業用の原材料がひたすら値上がりし続けることは難しい。たとえ政府や投資家が、資源の確保にどれほど必死になっていたとしても、供給が増えれば価格の上昇にブレーキがかかるからだ。
一方、シルバー(銀)の値動きはゴールドよりも激しいものとなっている。トーマスは、最近のシルバー価格の乱高下について、貴金属の世界的な基準価格が決定される場所であるロンドンを中心とした「流動性逼迫のストーリー」が引き起こしたと説明した。
ロンドンの保管庫にあるシルバーの約半分は、すでに特定の買い手が決まっている状態だ。さらに関税を警戒した取引業者たちがシルバーをアメリカへとあらかじめ移動させたため、市場の流動性が大幅に減ってしまったのだ。
投資家の需要が高まるなかでシルバーの流動性が減ったため、価格は激しく乱高下した。ゴールドマン・サックスは、この不安定な値動きはすぐに収まるとは予想していない。
シルバーの現物は1オンス約75ドル(約1万1545円)前後で取引されており、2026年1月下旬に記録した1オンスあたり121ドル(約1万8528円)を超える史上最高値からは、大幅に下落している。
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