1771145156
2026-02-15 08:30:00
- ワールドカップなどの大型スポーツイベントは、民泊ホストに莫大な収益の機会をもたらしている。
- 成功には立地だけでなく、改装投資やファンに合わせた特別なサービスによる差別化が不可欠だ。
- 高額な賃料を得るため、新規ホストは早期にリスティングを始め、高い評価を得ておくことが鍵となる。
ミリアム・トッタ氏がエアビー(Airbnb)のホストになりたての頃、失望の連続だった。
短期ゲストのために、その前年カンザスシティ地域の自宅の改装に5万5000ドル(約850万円)かけた。ベッドルームが4つある家にはさまざまな意匠がこらしてあった。快適なテレビルーム、屋外の暖炉、新たに購入した家具は、訪れた人を虜にするはずだった。
だが、12月にリスティング(ホストが民泊サイトに宿泊施設の情報を掲載すること)を始めたにも関わらず、予約はひと握りしか入らなかった。また、最初のゲストには良い思い出はない。家を荒らし、その修繕費用として1200ドル(約18万円)ほどかかったのだ。
「厳しい試練だった」とトッタ氏は言う。
だが、この夏はおおいに期待している。この地で開催されるサッカーワールドカップに、何万人ものファンが押し寄せるだろう。夫妻が民泊ブームに乗ろうと思った主な理由は、カンサスシティが北米16の開催都市のひとつに選出されたことだ。友人が、多くの人が地域外から訪れるこの機会に乗じる計画だと聞いて興味を持ったのだ。
日々の料金設定を助言してくれるダイナミックプライシング・ソフトウェアを使い(利用は月額たった20ドル[約3100円])、トッタ氏はワールドカップ期間中、少なくとも1泊2500ドル(約38万7500円)を稼ぐことを目標に定めた。

今年は、米国有数の大型スポーツスタジアム近くに不動産を所有するトッタ氏のような人にとって、大当たりの年になりそうだ。スーパーボウルからワールドカップに至るまで、この地に押し寄せるファンたちに部屋を貸す絶好の機会だ。
デロイトの分析によると、ダラス、アトランタ、ロサンゼルスといった場所では、エアビーのホストの収益がワールドカップだけで2億1200万ドル(約328億円)に達する。この数字には、Vrboのようなその他の短期滞在者向けプラットフォームでの収益は含まれていない。1泊数千ドル(数十万円)の収益を目標とする業者もいる。たとえば、カンサスシティでは、グループステージでアルジェリア対アルゼンチンの試合が行われる6月16日の短期宿泊料金の平均価格が、1年前から3倍以上上昇している。

「立地だけでは不十分」:成功に不可欠な差別化
高い収益見込みを受けて、ベテランの不動産管理会社から新規参入者まで、だれもが民泊に注目している。いろいろな意味で、民泊を始めるのがこれほど簡単だったことはない。自宅を最大限活用したいなら、さまざまなソフトウェアプロバイダーが価格設定やリスティング戦略を助言してくれる。気楽さを求めるなら、あらゆる悩みに対応してくれる地元の不動産管理会社も利用できる(むろん、手数料はかかる)。
だが、ファンたちが最高の場所に位置する高級住宅に惜しみなく金を払う用意がある一方で、民泊に参入したからといって、すべての人が成功するわけではない。iPhoneで写真を数枚取って、プレミアム価格でエアビーのプラットフォームに掲載する時代は終わった。経験豊富な競争相手と差別化を図るために、民泊オーナーたちは筋金入りのファンに合わせて家を改装し、5つ星ホテルで出てくるような出来立てスイーツや高級リネンといった目立つもてなしを提供する。
スタジアムに隣接していることは大きな強みだ。だが、スポーツイベント向け短期賃貸という競争の激しい市場では、それだけでは十分とは言えない。
スポーツ観戦市場の絶対的な規模と、既存の宿泊に飽きた旅行者の間で民泊人気が高まっていることから、アリーナに近い地域内に住む誰もが、民泊に参入しようという気持ちに駆られている。
スポーツイベント観光協会(the Sports Events and Tourism Association)の直近の年次レポートによると、2024年に全米のスポーツファンは69億ドル(約1兆695億円)も宿泊費に支払った。同年、オックスフォード・エコノミクス(Oxford Economics)は、短期民泊需要が、ホテルとクルーズ合計を上回る伸びを示したと発表している。
主要スポーツイベント会場の近くに宿泊したいというニーズが、年に数回家主として自宅を貸し出す住宅所有者、不動産を購入して気前の良いファンに貸す投資家、ミニホテルの運用に伴う雑用を肩代わりする不動産管理会社で構成されるコテージ業界を生み出したのだ。
ノートルダム大学出身の夫婦が2006年に創業した、レント・ライク・ア・チャンピオン(Rent Like A Champion)は、フットボールでにぎわう週末に副収入を得たい学生街の住宅所有者向けに、短期賃貸向け管理事業を始めた。現在この会社は、全米プロゴルフ協会(PGA)などのイベント会社と共同で、ファンや企業顧客、選手のために宿泊施設を確保している。CEOのデイヴ・ロングウェル氏によると、ホストの大部分は専業の不動産投資家ではなく普通の住宅所有者だ。また、最も人気の高い物件だと、1週間のイベントで1万ドル(約155万円)の収益を得られる。だが、目を引くような収益案件は限定的だと警告する。
「イベント会場から10~20マイル(16~32キロ)離れていれば、質の高い宿泊施設とは言えない」と、彼は言う。「顧客はよくわかっている」
#スポーツイベントを大金に変えるエアビーのホストたち1週間のイベントで約155万円の収益化も可能 #Business #Insider #Japan