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2026-01-28 22:10:00
アドテック企業クリテオ(Criteo)のCEO、マイケル・コマシンスキ(Michael Komasinski)氏は、ChatGPTの無料プランとGoプランの週次ユーザー数や、広告表示の機会を踏まえると、小規模なコンテクスト広告事業は「2027年時点で最大でも10億~20億ドル(1550億円~3100億円)規模にとどまる」との見方を示した。
コマシンスキ氏によると、事業を本格的に拡大するには、オープンAIがコンバージョンAPIを開発する必要があるという。これは「アプリケーション・プログラミング・インターフェース」の一種で、広告主が自社データをアップロードし、ユーザーが商品を購入したり、アプリをダウンロードしたりした際の成果を把握できる仕組みだ。
「顧客体験を損なわず、広告主が確実に成果を得られるパフォーマンス広告の仕組みを作成する必要がある」とコマシンスキ氏は語った。
消費者の信頼をどう維持するか
オープンAIは、ユーザーがこれまでオンデマンドのメンタルヘルス相談相手として利用してきたアプリが、突然スニーカーを売り込んでくるような印象を与えないように注意しなければならない。また、広告が回答内容を歪めることはないと、ユーザーに明確に保証する必要がある。
「彼らはどうやってこの微妙なバランスを取るつもりなのか」と、サンタ・クララ大学リービー経営大学院(Santa Clara University’s Leavey School of Business)のAI・分析学准教授であるラム・バーラ(Ram Bala)氏は疑問を投げかける。
オープンAIはすでに「広告原則」を公表しており、広告はChatGPTの回答とは明確に分離され、ラベル表示され、オーガニックな回答内容に影響を与えないことが規定されている。また、ユーザーとChatGPTの会話内容は広告主に開示されず、ユーザーデータを広告主に販売しない方針も示している。
デジタルメディアエージェンシー、ブレインラボ(Brainlabs)の最高製品責任者であるアダム・エドワーズ(Adam Edwards)氏は、消費者は検索結果の横に広告が表示されること自体には慣れていると語った。
「広告が明確に区別されていれば、例えば、レストランのおすすめと並んで『スポンサー枠』が表示されるような形でも、無料サービスとの引き換えとして受け入れる可能性が高い」とエドワーズ氏は述べた。
広告の接点を拡大する
グーグルは、その巨大なユーザー基盤をデータドリブンな広告プラットフォームへと転換することで、年間2000億ドル(約31兆円)以上の広告収入を生む世界最大の広告事業を築いた。Chrome、Android、Gmail、Google検索、YouTubeを横断するログインユーザーと、それを支える強力なアドテック基盤によって支えられている。そのインフラは、広告主向けツール、パブリッシャー向け収益化プラットフォーム、そして買い手と売り手をつなぐ取引所など、多岐にわたる。
オープンAIはウェブの収益化には興味がないと思われるが、250億ドル規模の広告事業を目指すのであれば、ChatGPTアプリ内のシンプルな広告にとどまらず、より広い展開を検討する必要があると、広告専門家はいう。
例えば、同社の動画生成AI「ソラ(Sora)」は、ティックトックのような縦型動画広告の配信先として最適だ。また、エージェント型コマースプロトコルや即時チェックアウト機能など、コマース分野にも進出しており、スポンサー広告を違和感なく展開できる余地がある。さらに、アトラスブラウザ(Atlas browser)や、アップルの元デザイン責任者ジョニー・アイブ(Jony Ive)氏が開発中のAIデバイス構想も注目されている。
「面白いのは、コアとなるアプリの外で、どこまで事業を広げられるか。それが広告収入を何倍にもする可能性がある」とクリテオのコマシンスキ氏は語った。
広告業界では人間関係が重要
ウーバー(Uber)やネットフリックス(Netflix)が広告事業に参入した際には、マディソン・アベニューで名の知れた人物を責任者として迎えるケースが多かった。しかし、オープンAIではそうした動きはまだ実現していない。
これまでのオープンAIの広告関連採用は、主に人間関係構築よりもインフラ構築に重点を置いてきた。
1月21日、The Informationは社内メモを引用し、ヴィジャイ・ラジ(Vijaye Raji)氏がオープンAIの広告チームを率い、アプリケーション部門CEOのフィジー・シモ(Fidji Simo)氏の直属となったと報じた。ラジ氏は以前、同部門CTOを務め、オープンAIが2025年9月に約11億ドル(約1705億円)で買収したスタートアップの創業者でもある。
「ひと言で言えば、彼は“業界最高レベルの人物(GOAT)だ”」と語るのは、ベンチャーキャピタル20VCのゼネラルパートナーであり、メタでラジ氏と共に働いたジュリアン・コドルニウ(Julien Codorniou)氏だ。ラジ氏はオープンAIの広告プラットフォーム構築を進める上で、理想的な立場にあるという。
リンクトイン(LinkedIn)のプロフィールによると、ラジ氏はメタのソフトウェアエンジニアとして、オーディエンスネットワークやモバイルアプリのインストールといった製品に携わり、ゲーム・エンターテインメント事業を率いるなどの経験を持つ。
広告担当責任者の配置を受け、業界関係者の間では、オープンAIが今後、専任の広告人材を本格的に増員すると予想している。さらなる買収も選択肢の一つとなりそうだ。
「彼らにはもっと多くの人材が必要で、今後さらに動きが出てくるだろう。広告配信、入札、パーソナライゼーションエンジンといった構築が難しい分野では、買収を検討する可能性もある」とコマシンスキ氏は語る。「トップ人材が集まるオープンAIでさえ、自然な採用には時間がかかるが、彼らは慎重に人材を厳選しているようだ」
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