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2025-10-04 23:30:00
- 退職の際には、転職先でのキャリアアップに支障を生じさせないためにも、円満に今の勤務先を去るのが肝心だ。
- 雇用情勢が厳しく、これまでに築いた人脈が転職成功のカギを握る時期には、特に円満退社が重要になる。
- 怒りにまかせて辞表を叩きつけるのは、一時的には爽快感を味わえるかもしれないが、もっと上手な辞め方があると、人事関係の専門家はアドバイスする。
アラン・スタイン(Alan Stein)氏のこれまでの経歴を聞いたら、退職の達人と呼びたくなるかもしれない。50代前半のスタイン氏は、これまでに31社で働いた経験があるのだ。そのうち、解雇されたのは一握りのケースであり、そのほかの二十数回は自ら退職を申し出ている。つまり、会社を円満に辞める方法と、あまり円満でないケースの両方を知っているということだ。
「行動から感情を切り離そう。私自身もこれを苦手としていて、たゆまず改善に取り組んでいる」と語るスタイン氏は現在、カディマ・キャリアーズ(Kadima Careers)の最高経営責任者(CEO)を務めている。同社は、年収10万ドル以上の仕事を射止めるためのコーチングサービスを提供している企業だ。
スタイン氏がBusiness Insiderに語ったところによれば、感情を切り離すことが大事である最も根本的な理由は、両親からの「後に引き返せない状況を作るな(don’t-burn-a-bridge)」という教えに通じるものだと言う。
「今同じ職場で働いている人々の何人かとは、また顔を合わせる可能性が高いからだ」
2025年の現状だと、仕事量があまりにも多いか、上司から冷たい目で見られているとかいう以外は、退職を考えることはないかもしれない。多くの従業員が今の仕事にしがみついているのは、アメリカでは2021年以降では初めてで、仕事を探している人の数が求人数を上回っているのだから。現在の求職市場が活気を失っていることも、円満退社が望ましいもう一つの理由だ。
以下では、仕事を辞める際に考慮すべき、3つの要素について述べていこう。
状況が悪い時に辞めるのは得策でない
職場でつらい目に遭っている場合でも、状況が悪いことを理由に辞めるべきではないとアドバイスするのは、ワシントンD.C.地域で転職斡旋企業を経営するローラ・ラボヴィッチ(Laura Labovich)氏だ。
「環境の悪い職場から逃げ出す人は多いが、こうした人は、逃げる先のあてがないのに辞めてしまうことが多い」とラボヴィッチ氏はBusiness Insiderに語った。辞めたいのであれば、まずは退職に関する計画を立てるべきだという。今の労働環境がとてつもなくブラックだというなら話は別だが、そうでないのなら、きちんと給与が支払われ、社会保障がある環境にいる方が、ずっと余裕を持って、次にやりたいことを考えられるはずだ。
いざという時のために戦略を描いたからといって、ずっと今の会社にいなければならないわけではない。実際、米国ではたいていの労働者に転職の経験がある。
アメリカ労働省の報告によれば、ベビーブーマー世代の比較的若い層では、18歳から58歳までに働いた会社の数は平均12.9社に及ぶ。
これに対して、ミレニアル世代の中で最も年齢が高い層、具体的には1980年代初頭に生まれた人では、18歳から30代半ばまでの期間に平均で9つの会社を渡り歩いている。
無言で会社を去るのは禁物
「会社を去ろうとする時には、感謝の念を示すのが賢明だ。働く機会を与えてくれた上司や同僚など、会社の関係者に感謝し、さらに、今の役職がもはや自分にとって最適とは言えなくなった理由を説明するといいだろう」
こうアドバイスするのは、バージニア大学ダーデン経営大学院のジム・デタート(Jim Detert)教授だ。
うまく説明したい際には、これがキャリアアップの機会だという点にフォーカスして説明するのが一つの方法だとデタート教授は提案する。それなら、後に残す人々に嫌な印象を与えずに済み、なおかつ、「今の勤務先が、自分を成長させ、情熱を傾けるのにはぴったりの場所ではなかった」という点もわかってもらえるだろうとデタート教授は述べる。
「そういう話であれば、元の職場の人たちの怒りを買うこともない」
デタート教授によると、例えば、今の会社を辞めて管理職にステップアップする場合には、今の上司に、「頼れるメンターでいてくれたあなたの存在に触発されて、リーダーを目指す気持ちになりました」といった言葉で称賛するといいとのことだ。
いずれにせよ、多くのケースでは相手を褒めることが賢明だとデタート教授は話す。
「『私が今、これほど完璧に○○に臨む準備ができているのもすべて、あなたから多くのチャンスをいただけたおかげです』といった言葉で伝えるといいだろう」
最後の面談での「爆弾発言」は控えよう
退職時の面談は、会社を辞める前に残された最後の大きな仕事の一つかもしれない。業務の引き継ぎについて上司と相談する時のように、面談でも熟慮の上で話をするのがスマートなやり方だとデタート教授は言う。
退職面談の席で、今まで所属していた組織に対する不満を延々とぶちまけるのは慎むべきだと同教授は警告する。なぜなら、退職の意向を伝えるまで上層部がこちらの話を聞いてくれなかったのなら、辞めると決めたからといって耳を傾けてくれるとは考えにくいからだ。
「私の経験の中で、退職面談が何か意義ある変革のきっかけになったケースは聞いたことがない」と、デタート教授は指摘した。
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