日本語版
最新ニュース
科学&テクノロジー

グーグルの勝利は、オンライン広告販売に関わる他のすべての人にとって敗北 | Business Insider Japan

グーグルのスンダー・ピチャイCEO。Getty Imagesを介したChristoph Soeder/Picture Allianceグーグルの検索に関する反トラスト裁判の結果は、グーグルにとっては勝利である一方、多くのウェブサイトやコンテンツ提供企業にとっては不利な結果となった。グーグルがChromeや他の主要事業を手放す必要はなく、政府が求めていた大規模な是正措置も免れる形となった。ただし、グーグルは生成AIの競合企業と検索データを共有することを求められており、その結果、ウェブサイトへのアクセスがさらに減少する可能性がある。またしてもグーグル(Google)に勝利が訪れた。オンライン広告業界は、今回の裁判によって、検索大手のグーグルが広告ビジネスでの優位性を失い、業界全体のグーグル依存が軽減されるのではないかと期待していた。だがその望みは、2025年9月2日、アメリカ・ワシントンD.C.の連邦地方裁判所のアミット・メータ(Amit Mehta)判事によって打ち砕かれた。アメリカ政府がグーグル検索の独占を抑えるために最も強く求めていたのは大規模な対応策だったが、結局、グーグルはクローム(Chrome)やアンドロイド(Android)などの主要事業を手放さずに済んだ。もし、分社化が行われていれば、グーグルの広告事業にとって大きな打撃となり、ユーザーデータを大量に収集して高額なターゲット広告を販売するための主要な拠点が失われるところだった。グーグルは「OpenAIのおかげ」でChrome売却回避。注目の独禁法訴訟、実は敗者はマイクロソフト | Business Insider Japanグーグルは、長年行われていた裁判で完全に無傷だったわけではない。ワシントンD.C.の連邦地方裁判所のメータ判事は、グーグルがアップル(Apple)などのプラットフォームと独占契約を結び、自社の検索をスマートフォンやブラウザーの標準(デフォルト)にすることを禁止した。ただし、検索やGeminiなどの製品をスマートフォンやブラウザーにプリインストールする契約は排他的でなければ結ぶことができる。また、グーグルは一部の検索データや情報配信サービスを競合他社と共有しなければならないが、広告のデータは共有する必要はない。アナリストらは概ね、2025年9月2日のこの裁定をグーグルにとって最良の結果になったと見ている。「グーグルの支配的地位は今のところ維持されている」と広告代理店メディアプラスUK(Mediaplus UK)のデジタルパートナーシップ責任者であるマット・ウィルケ(Matt Wilké)は話している。従来の検索広告におけるグーグルの支配力は依然として強力だ。また、グーグルに検索データを生成AIの競合企業と共有させる措置は、ユーザーがウェブサイトを訪れずにチャットボットで答えを得るようになるため、サイトへのアクセス減少をさらに加速させる可能性があると、広告業界関係者はBusiness Insiderに語っている。これは広告を出す機会が減ってしまうため、ニュースサイトやブログ、その他のコンテンツを提供する企業にとってはいいことではない。「この裁定は、グーグルにとって大きな勝利であり、アドテクノロジー業界全体には厳しい結果となった」とアドテクノロジー企業のループミー(LoopMe)のスティーブン・アップストーン(Stephen Upstone)CEOは言う。グーグルはこの件に関してコメントを控えているものの、2025年9月2日に公開した自社の公式ブログには、「クロームやアンドロイドを手放すことは、消費者やパートナーに悪影響を及ぼすと裁判所が認めた」と投稿している。また競合他社と検索データを共有することについては、ユーザーのプライバシーに関する懸念があるとも述べている。生成AIは検索の新たな戦いの場に。コンテンツ提供企業は窮地に追い込まれているメータ判事は、人々が情報を調べる方法の変化を判決の中で考慮している。ユーザーは従来の検索エンジンよりも、ChatGPT、Perplexity(パープレキシティ)、Claude(クロード)などの生成AIチャットボットを使って調べる傾向が高まっているからだ。オンラインでブログやニュースなどのコンテンツを提供する企業は、こうしたユーザーの行動の変化が自社サイトへのアクセスを減らし、広告収入に影響を及ぼす可能性に頭を悩ませている。アドテクノロジー企業ID5で製品担当バイスプレジデント、ダビデ・ロサミリア(Davide Rosamilia)は、「グーグルが検索データやユーザーの操作情報を競合他社と共有せよと命じられたことで、(ニュースやブログなどの)コンテンツを提供する企業には不利な形で生成AIのサービスが強化されるかもしれない」と語った。「つまり、AIはユーザーがニュースサイトやブログのようなコンテンツの提供サイトを開かずに答えを得る『ゼロクリック』の流れを加速させる可能性がある」とロサミリアは言う。「グーグルの囲い込み型エコシステムの代わりに、巨大AI企業が築く新たな囲い込みが生まれることになり、メディア企業はさらに追いやられてしまうかもしれない」オンラインでコンテンツを提供する企業は、従来のグーグル検索結果に自社の記事を掲載してもらうためには、グーグルに自社のコンテンツを自動収集(スクレイピング)させ、生成AI製品で使われることを許さなければならない点についても懸念を示している。ニュース・メディア・アライアンス(News/Media Alliance)のダニエル・コフィー(Danielle Coffey)CEOは、メータ判事の裁定に「AI利用を拒否できる権利(オプトアウト規定)」が含まれていなかったことについて、メディア業界団体として失望している」と述べた。「その結果、我々は自社コンテンツの使い方をほとんど選べず、質の高いジャーナリズムに対する収入もほとんど得られなくなってしまう」「AIツールがユーザーにとって最初の情報源となりつつある今、広告主も戦略を見直さなくてはいけない」と、マーケティング代理店ジャム7(Jam 7)のミッチェル・フェルドマン(Mitchell Feldman)CEOは言う。「これまで検索は人々が情報を探す最も一般的な方法だったが、予想よりも早くAIに置き換えられる可能性がある」「ユーザーがAIで直接答えを得るようになり、今までの『検索ワードに広告を出してクリックしてもらう』方法はうまくいかなくなってきた」とフェルドマンは話す。 #グーグルの勝利はオンライン広告販売に関わる他のすべての人にとって敗北 #Business #Insider #Japan

グーグルの勝利は、オンライン広告販売に関わる他のすべての人にとって敗北 | Business Insider Japan

1757285600
2025-09-07 22:30:00

グーグルのスンダー・ピチャイCEO。
Getty Imagesを介したChristoph Soeder/Picture Alliance
  • グーグルの検索に関する反トラスト裁判の結果は、グーグルにとっては勝利である一方、多くのウェブサイトやコンテンツ提供企業にとっては不利な結果となった。
  • グーグルがChromeや他の主要事業を手放す必要はなく、政府が求めていた大規模な是正措置も免れる形となった。
  • ただし、グーグルは生成AIの競合企業と検索データを共有することを求められており、その結果、ウェブサイトへのアクセスがさらに減少する可能性がある。

またしてもグーグル(Google)に勝利が訪れた。

オンライン広告業界は、今回の裁判によって、検索大手のグーグルが広告ビジネスでの優位性を失い、業界全体のグーグル依存が軽減されるのではないかと期待していた。だがその望みは、2025年9月2日、アメリカ・ワシントンD.C.の連邦地方裁判所のアミット・メータ(Amit Mehta)判事によって打ち砕かれた。

アメリカ政府がグーグル検索の独占を抑えるために最も強く求めていたのは大規模な対応策だったが、結局、グーグルはクローム(Chrome)やアンドロイド(Android)などの主要事業を手放さずに済んだ。もし、分社化が行われていれば、グーグルの広告事業にとって大きな打撃となり、ユーザーデータを大量に収集して高額なターゲット広告を販売するための主要な拠点が失われるところだった。

グーグルは「OpenAIのおかげ」でChrome売却回避。注目の独禁法訴訟、実は敗者はマイクロソフト | Business Insider Japan

グーグルは「OpenAIのおかげ」でChrome売却回避。注目の独禁法訴訟、実は敗者はマイクロソフト | Business Insider Japan

グーグルは、長年行われていた裁判で完全に無傷だったわけではない。ワシントンD.C.の連邦地方裁判所のメータ判事は、グーグルがアップル(Apple)などのプラットフォームと独占契約を結び、自社の検索をスマートフォンやブラウザーの標準(デフォルト)にすることを禁止した。ただし、検索やGeminiなどの製品をスマートフォンやブラウザーにプリインストールする契約は排他的でなければ結ぶことができる。また、グーグルは一部の検索データや情報配信サービスを競合他社と共有しなければならないが、広告のデータは共有する必要はない。

アナリストらは概ね、2025年9月2日のこの裁定をグーグルにとって最良の結果になったと見ている。

「グーグルの支配的地位は今のところ維持されている」と広告代理店メディアプラスUK(Mediaplus UK)のデジタルパートナーシップ責任者であるマット・ウィルケ(Matt Wilké)は話している。

従来の検索広告におけるグーグルの支配力は依然として強力だ。また、グーグルに検索データを生成AIの競合企業と共有させる措置は、ユーザーがウェブサイトを訪れずにチャットボットで答えを得るようになるため、サイトへのアクセス減少をさらに加速させる可能性があると、広告業界関係者はBusiness Insiderに語っている。

これは広告を出す機会が減ってしまうため、ニュースサイトやブログ、その他のコンテンツを提供する企業にとってはいいことではない。

「この裁定は、グーグルにとって大きな勝利であり、アドテクノロジー業界全体には厳しい結果となった」とアドテクノロジー企業のループミー(LoopMe)のスティーブン・アップストーン(Stephen Upstone)CEOは言う。

グーグルはこの件に関してコメントを控えているものの、2025年9月2日に公開した自社の公式ブログには、「クロームやアンドロイドを手放すことは、消費者やパートナーに悪影響を及ぼすと裁判所が認めた」と投稿している。また競合他社と検索データを共有することについては、ユーザーのプライバシーに関する懸念があるとも述べている。

生成AIは検索の新たな戦いの場に。コンテンツ提供企業は窮地に追い込まれている

メータ判事は、人々が情報を調べる方法の変化を判決の中で考慮している。ユーザーは従来の検索エンジンよりも、ChatGPT、Perplexity(パープレキシティ)、Claude(クロード)などの生成AIチャットボットを使って調べる傾向が高まっているからだ。

オンラインでブログやニュースなどのコンテンツを提供する企業は、こうしたユーザーの行動の変化が自社サイトへのアクセスを減らし、広告収入に影響を及ぼす可能性に頭を悩ませている。アドテクノロジー企業ID5で製品担当バイスプレジデント、ダビデ・ロサミリア(Davide Rosamilia)は、「グーグルが検索データやユーザーの操作情報を競合他社と共有せよと命じられたことで、(ニュースやブログなどの)コンテンツを提供する企業には不利な形で生成AIのサービスが強化されるかもしれない」と語った。

「つまり、AIはユーザーがニュースサイトやブログのようなコンテンツの提供サイトを開かずに答えを得る『ゼロクリック』の流れを加速させる可能性がある」とロサミリアは言う。「グーグルの囲い込み型エコシステムの代わりに、巨大AI企業が築く新たな囲い込みが生まれることになり、メディア企業はさらに追いやられてしまうかもしれない」

オンラインでコンテンツを提供する企業は、従来のグーグル検索結果に自社の記事を掲載してもらうためには、グーグルに自社のコンテンツを自動収集(スクレイピング)させ、生成AI製品で使われることを許さなければならない点についても懸念を示している。ニュース・メディア・アライアンス(News/Media Alliance)のダニエル・コフィー(Danielle Coffey)CEOは、メータ判事の裁定に「AI利用を拒否できる権利(オプトアウト規定)」が含まれていなかったことについて、メディア業界団体として失望している」と述べた。

「その結果、我々は自社コンテンツの使い方をほとんど選べず、質の高いジャーナリズムに対する収入もほとんど得られなくなってしまう」

「AIツールがユーザーにとって最初の情報源となりつつある今、広告主も戦略を見直さなくてはいけない」と、マーケティング代理店ジャム7(Jam 7)のミッチェル・フェルドマン(Mitchell Feldman)CEOは言う。

「これまで検索は人々が情報を探す最も一般的な方法だったが、予想よりも早くAIに置き換えられる可能性がある」

「ユーザーがAIで直接答えを得るようになり、今までの『検索ワードに広告を出してクリックしてもらう』方法はうまくいかなくなってきた」とフェルドマンは話す。

#グーグルの勝利はオンライン広告販売に関わる他のすべての人にとって敗北 #Business #Insider #Japan

執筆者について: nipponese

Nipponese News編集部は、国内外のニュースを日本語で分かりやすくお届けします。