1756691427
2025-09-01 01:30:00
- トランプ大統領がリサ・クックFRB理事を解任しようと動いており、これによってスタグフレーションのリスクが高まっているとコーマル・スリクマールは語った。
- トランプ大統領の動きが最終的に失敗に終わり、FRBの独立性が守られれば、この事態は避けられる可能性があるという。
- スタグフレーションとは景気が停滞するなか物価が上昇することをいい、不景気よりも悪いと言われる。
アメリカ経済にとって最悪のシナリオが、近づいているかもしれない。
スリクマール・グローバル・ストラテジーズ(Sri-Kumar Global Strategies)のコーマル・スリクマール(Komal Sri-Kumar)社長は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が8月26日、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)のリサ・クック(Lisa Cook)理事の解任を進め、FRBとの確執を高めたことについて非難している。
スリクマールによると、経済成長が鈍化するなかでインフレが加速する恐怖のシナリオである「スタグフレーション」の確率が高まっているという。
彼は、経済における最近の長期金利の上昇について指摘し、これは投資家が将来のインフレへの備えを行っている兆候であると語った。そして、経済鈍化の兆候とあわせて、スタグフレーションのような動きが生まれつつあるという。
歴史的な先例がほとんどないが、クック理事の解任は中央銀行の独立性を侵すというのが圧倒的な一致意見だ。スリクマールは、クック理事の解任からさらに進んで国債が売られ、利回りが上がると考えており、これはトランプ大統領が望みとは逆のことだ。
「我々は、不景気のなかで同時に大幅なインフレが進む状況であるスタグフレーションに向かっている」と彼は語った。
「どうすればこれを防げるだろうか。それはすぐに政策を変更することだ。FRBの独立性を保つことだ。だが、それが起こる見込みはない」
債券市場における警告
スタグフレーションは政策立案者にとって、従来の不景気よりも解決が難しい問題だと考えられている。これは、FRBがインフレによって従来の景気後退時のように経済活発のために金利を下げられないことが理由だ。金利を上げる可能性すらある。
債券市場はすでに警戒感を示しており、26日には30年物の利回りが急上昇した。
以下は、スリクマールによる長期金利の上昇に関する見解だ。
- インフレへの警戒の高まり 長期金利の上昇は、投資家がインフレが抑制されると考えていない兆候であり、長期的に高い金利を織り込むことになる。
2024年9月にFRBが利下げサイクルを始めたときに、長期金利が急上昇した理由はこのためだとスリクマールは語った。彼はこの動きを「重大な誤り」であると表現した。
- 経済成長へのリスク 長期金利は、住宅ローンをはじめとする経済全体の借入コストと結びついている。そのため、金利上昇は経済の動きに影響をもたらす。
スリクマールは、長期金利の上昇を引き起こしかねない、複数のシナリオがあると語った。
- リサ・クック理事が解任された場合 このような動きはFRBの信頼性とインフレ抑制能力の認識を損ねかねないとエコノミストは語っている。
- トランプ大統領がさらにFRB理事を交替させた場合 トランプ大統領がFRBにハト派の人員をさらに投入した場合、金融政策緩和の圧力が強まる可能性があるという。この動きは、インフレのアンカーが崩れつつあるという懸念を市場で高めかねない。
- FRBが高いインフレ率にも関わらず9月に利下げ FRBがインフレの指標として使う個人消費支出インフレ率が予測よりも高ければ、FRBが9月に予想通りに金利を引き下げ、それによって長期金利が急上昇するかもしれない。
エコノミストたちは、トランプ大統領の関税がアメリカ経済に影を落とすなか、何カ月にもわたってスタグフレーションのリスクについて警告してきた。関税は世界の貿易を阻害しながら、消費者にとって価格上昇を引き起こすもので、経済成長を阻むものと考えられている。
スリクマールもここ数年、スタグフレーションのリスクについて警告してきた。FRBが利下げサイクルを開始してから数カ月後の2月には、インフレを抑制するためにFRBは引き続き利上げを続けるべきだとの考えを示した。
#FRB理事解任によってスタグフレーションが起こるかもしれないその理由とは #Business #Insider #Japan