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2025-06-25 22:30:00
- イスラエルとイランの衝突が勃発したが、S&P500指数はその影響をほとんど受けていない。
- ドイツ銀行リサーチが過去の地政学的ショックを分析したところ、S&P500指数は比較的早く回復する傾向にあることが分かった。
- 多くの場合、数週間以内に回復するものの、1970年代のオイルショックの際には回復にほぼ6年を要した。
S&P500インデックスは今のところ、イスラエルとイランの衝突の影響をほとんど受けておらず、2025年6月17日時点では、わずか1%の下落にとどまっていた。仮に今後下落したとしても、過去の傾向からすれば力強く回復する可能性が高い。
「中東情勢の緊迫化を受け、地政学的ショックやリスクに対する展開のパターンに改めて注目が集まっている。株価が急激に下落するのは直感的に理解できる展開だが、意外にも市場が素早く回復する傾向も見られる」と、ドイツ銀行リサーチ(Deutsche Bank Research)のストラテジスト、パラグ・タット(Parag Thatte)とビンキー・チャダ(Binky Chadha)がレポートで述べている。
「典型的なパターンとして、S&P500指数は地政学的な出来事の発生から3週間で約6%下落し、その後の3週間で全面的に回復する傾向がある」と両氏は述べ、過去32件の地政学的イベントにおけるS&P500指数の動きをまとめた表を示した。
ドイツ銀行(Deutsche Bank)のグローバル・マクロ調査部門責任者ジム・リード(Jim Reid)はレポートで、今回の対立にアメリカが直接関与し、イランの石油生産・海上輸送インフラが攻撃の標的となった場合、あるいは世界の1日あたり貿易量の約20%が通過するホルムズ海峡をイランが封鎖した場合には、市場が一段と大きく反応する可能性があると指摘している。
急落後も早期回復する傾向
ドイツ銀行のストラテジストらがまとめた表は、過去100年の主要な地政学的イベントに対して株式市場がどのように反応してきたかを示す、非常に興味深い内容となっている。
S&P500指数(および1957年の創設以前に用いられていた先行指数)が20%を超える暴落を記録したのは、これまでに2回しかない。1939年3月、ヒトラー率いるドイツがチェコスロバキアを併合した後に約21%、1940年5月、ナチス・ドイツがフランスに侵攻した際には約26%の下落を記録した。
15%を超える下落を記録したのは、1973年10月に第四次中東戦争が勃発し、アメリカなどへの原油輸出を遮断する石油禁輸措置が発動された際と、1990年8月に湾岸戦争が始まった際だった。
10%超の急落を記録したのは、1950年6月の北朝鮮による韓国侵攻、2001年9月11日の米同時多発テロ、1941年12月の真珠湾攻撃、1979年11月のイラン米大使館人質事件が発生した際の4回だった。

重要度が比較的低い地政学的イベントが発生した場合、S&P500指数は17取引日で6%下落し、その後の16取引日で全面的に回復するのが典型的なパターンとなっている。また、最安値から12カ月で、おおむね15%回復する傾向も見られる。
ただし、必ずしも迅速に回復するとは限らない。1973年のオイルショックからの回復には1475取引日(約6年)を要し、最初の最安値を付けてから12カ月の間にS&P指数はさらに28%下落したことが、ドイツ銀行のデータで示されている。
1961年8月にベルリンの壁が建設されて以降の1年間で、S&P500指数は最安値から15%下落した。また、ニクソン大統領の弾劾手続き開始後の1年間でも13%下落した。
対照的に、2023年10月に始まったイスラエル・ハマス紛争以降の12カ月間では、最安値から約42%急騰した。
さらに、1950年6月の北朝鮮による韓国侵攻、2003年3月のイラク戦争勃発、1962年10月のキューバ危機勃発の各年では、いずれも最安値から30%超の上昇を記録した。
イスラエルとイランの衝突が、S&P500指数にとって影響力の大きい地政学的イベントになるかどうかを判断するのはまだ早い。ただ、過去の市場の反応を振り返ると、混乱の後でもS&P500指数は早期に回復する傾向にあることが分かり、投資家にとっては一定の安心材料となり得る。もっとも、場合によっては急落したまま長期間低迷することもある点は、留意すべきだろう。
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