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2025-02-23 08:30:00
- 日本では、死者が出た住宅は忌み嫌われ、売るのが難しくなることが多い。
- しかし、そうした「訳あり」物件を販売することで生計を立てている不動産業者も存在する。
- ある専門家は、そうした家のなかには本来の価格の半額ほどで売りに出されるものもあると推測している。
花原浩二氏が初めて足を踏み入れた「事故物件」は孤独死の現場だった。高齢の男性がそのアパートメントでひっそりと息を引き取り、死後2カ月がたってから遺体が発見されたのだ。
不安な気持ちになったが、その物件が花原氏に、なぜ彼がその仕事を選んだのかを思い出させた。花原氏は、日本の不動産業者として事故物件の清掃と改修、そして販売を専門として扱うマークスライフ社のCEOであり、そうした物件を――特殊な過去があるにもかかわらず――ふたたび市場にもたらすことをなりわいとしている。
「自分がそれをすべきだと思った。当時、できるだけたくさんの人を助けるのが、自分の使命だと気づいた」と花原氏はBusiness Insiderに語った。
売るのが難しい「事故物件」をビジネスの中心に据える
自殺、殺人、あるいは自然死が発生した住宅がおもに「事故物件」と呼ばれている。
「日本では年間3万件の孤独死、およそ1万3000件の自殺、約2,000件の殺人あるいは火災による死者がいるとされている。合計で4万5000件だ」と花原氏は言う。「そうした物件のすべてが賃貸あるいは販売に出されているわけではないが、実情として、数多くの事故物件が存在している」
そうした物件は洗浄が困難であるだけでなく、悪評が立つため、売るのがほぼ不可能になる。
「日本では、多くの人が事故物件のことを『怖い』『霊が出る』『けがれている』とみなして、物件選びのときに候補から外す」と花原氏は説明する。
不動産業者のほとんどは、むごい詳細については語ろうとしないが、花原氏はその逆を行く。

花原氏は住宅建設会社での勤務をへて、2016年にマークスライフ社を設立、2019年に方向転換をして事故物件に特化する決断を下した。
会社のウェブサイト「成仏不動産」の物件情報には部屋の説明だけでなく、前の住人がいつ、どのような形で亡くなったのかも詳しく記されている。たとえば「2018年12月に自殺」と記されている物件は、2680万円(19万4857ドル)で売りに出されていた。「前の住人は2014年に屋内で死亡」した物件は2180万円だ。
借りるのも買うのも安く
事故物件には悪いイメージがつきまとうが、買い手や借り手にとっては「価格」という大きな利点がある。
花原氏の推定では、孤独死があった物件は5%から10%ほど、自殺があった物件では20%から30%ほど価格が下がるそうだ。殺人事件の現場となった住宅の価格は50%ほど下がる可能性もあると、同氏は付け加えた。
成仏不動産サイトで、東京の品川区にある事故物件分譲マンション(29平方メートル)が2180万円で売りに出されている。日本の不動産情報プラットフォームである「ウチノカチ」では、同じ地区にある同じ大きさの普通の分譲マンションに2760万円の価格がついている。

若い家族にとっては、安い家賃は魅力的だ。ポーランド出身の主婦カイシャ・パウルス゠オノ氏は、2019年に日本人の夫と娘とともにオーストラリアから日本に移住した。
家族は2019年3月から2021年5月まで、千葉県の花見川区にある事故物件で暮らしていた。パウルス゠オノ氏の話によると、前の住人だった若い母親がそこで亡くなったそうだ。

「家賃は半額の2万5000円だった」とパウルス゠オノ氏はBusiness Insiderに語る。「事故物件という理由で本来の家賃の半額になっていたので、1年分の家賃を先払いした」
なお、「ウチノカチ」によると、花見川区のアパートメントの平均家賃は月5万6,084円だそうだ。
「隣人たちはみな親切だったので、ポジティブな体験だった。それに、彼らはそこがずっと空き家だったことを奇妙に感じていたので、誰かが入居して喜んでいたようだ」とパウルス゠オノ氏は言う。また、彼女は1年後に家賃がおよそ5万円の通常価格に戻ったとも付け加えた。
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