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2025-02-02 06:00:00
- NASAのオサイリス・レックス・ミッションにより、小惑星ベンヌにDNAとRNAの構成要素が存在することが判明した。
- このことは、小惑星が生命の起源に関わる物質を惑星にもたらす可能性があることを示している。
- この発見は、準惑星ケレスや土星の衛星エンケラドゥスにおいても生命が誕生する可能性があることをさらに裏付けるものとなった。
アメリカ航空宇宙局(NASA)は小惑星を探査し、生命の構成要素を含んだ「太古の貯蔵庫」を発見した。
この研究結果が、科学誌『Nature』および『Nature Astronomy』に2025年1月29日付で発表された。地球における生命の起源に関する「ミッシングリンク」だけでなく、他の天体における生命誕生の可能性も示している。
「この研究結果は生命そのものの証拠を示しているわけではないが、生命の誕生に必要な条件が初期の太陽系全体に広がっていた可能性を示唆している」と、NASAの科学ミッション局のニッキー・フォックス(Nicky Fox)副局長が、1月29日の会見で述べている。
「つまり、他の惑星でも生命が誕生していたという可能性が高まったと言える」
NASAによる画期的な小惑星探査ミッション
小惑星探査機「オサイリス・レックス(OSIRIS-REx)」は、2020年に小惑星ベンヌに着陸し、探査アームを岩の表面に突き刺し、砂利と塵の塊をすくい取った。このようにフレッシュで純粋な小惑星物質を採取したのは、NASAにとって初めてのことだ。
このサンプルは保護カプセルに封印され、地球に送り返された。その後、NASAはサンプルを世界中の研究所に配布し、現在、驚くべき科学的成果が次々と報告されている。
「ベンヌには生命の起源に関わる多くの物質が含まれており、それが古代の水のあった世界から来たという証拠も発見された。これを発表できることに興奮している」とフォックスは述べた。
ベンヌには、かつて液体の水があったという証拠だけでなく、生命にとって重要な鉱物、アミノ酸、そしてDNAとRNAを構成する5つの核酸塩基も含まれている。

小惑星は銀河のあちこちで惑星に衝突しながら「実質的には、生命の誕生に必要な成分を惑星に種まきしているようなものだ」と、スミソニアン国立自然史博物館の隕石キュレーターであり、研究の共同リーダーも務めるティム・マコイ(Tim McCoy)がBusiness Insiderに語っている。
このことは、他の惑星における生命誕生の可能性を高めている。我々の太陽系内にもそのような惑星があるのかもしれない。
サンプルの小さな粒に隠された手がかり

研究者たちは長い時間をかけてベンヌから届いた粒子を特殊な電子顕微鏡を通して観察し、分析してきた。
マコイによると、1ミリメートルサイズの粒子を分析するのに約1カ月もかかるという。
「というのも、その粒子には少なくとも1万個の鉱物粒子が含まれており、その中から探しているものを見つけ出そうとしているからだ。人間の髪の毛の幅の100分の1の大きさの粒子を探しているが、石鹸1個分のサンプルの中から、1つか2つしか見つからないことがある」

ベンヌのサンプルからは、地球での生命の形成に不可欠なリン酸塩と粘土が発見された。また、ベンヌの母天体にはかつてミネラル豊富な水が存在し、それが蒸発したことを示す炭酸ナトリウムの針状結晶も見つかった。
マコイは水が見つかると予想し、ベンヌの母天体には「古代の泥」が点在してたはずだと考えていた。しかし実際には「古代の泥のすき間に水が含まれているような状態だった」と述べている。
つまり、ベンヌは生命に必要な基本的要素を運んでいただけでなく、水環境もあったことからそれらを合成して複雑な成分に変えていたことになる。例えば、DNAなどの構成要素である核酸塩基のような成分だ。
この合成こそが生命の発展における重要なステップとなる。核酸塩基はリン酸(ベンヌのサンプルからも発見された)や糖(ベンヌのサンプルに含まれているかどうか、今も研究中)と相互作用してヌクレオチドとなり、それが二重らせん構造のDNAや、一本鎖構造のRNAの基本構成成分となる。DNAやRNAは細胞に指示を出し、最終的には自己複製する生命に進化する。
必ずしも小惑星がDNAやエイリアンのバクテリアをのせて飛んでいるということではないが、生命誕生に向けた初期の化学反応が小惑星で始まった可能性がある。それが地球に衝突したのだろう。
太陽系内における地球外生命の可能性
現在、水が存在しないベンヌでは、生命の材料が合成されるような化学反応は起こっていないと考えられる。しかし、太陽系内にはその可能性を秘めた天体が2つ存在する。それは準惑星ケレスと土星の衛星エンケラドゥスだ。どちらも高濃度の塩水が大量に存在していることが確認されている。

これらの天体に存在する水は、ベンヌの母天体が有していた水よりもはるかに多く、長期間にわたって維持されてきた可能性が高い。そのため、生命誕生に必要な化学反応のプロセスが「さらに進んでいる可能性がある」とマコイは述べている。
これら2つの天体は、地球外生命が存在する有力候補であり、ベンヌでの発見は、その可能性をさらに裏付けるものとなった。
ベンヌにはまだ多くの秘密が隠されている
スミソニアンの研究者は、ベンヌで採取されたサンプルから約15ミリメートルサイズの粒子を解析しているが、未解析のものがまだ数百個が残っているという。
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