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2024-09-26 00:00:00
Meta Connectの基調講演に登壇したMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEO。
出典:Meta
Meta(旧Facebook)は9月25日(現地時間)、同社の最新技術を紹介する年次イベント「Meta Connect」を開催。VRヘッドセットやスマートグラスの最新製品、Metaが開発する大規模言語モデル「Llama 3.2」などを公開した。
AI機能やスマートグラスについては、日本向けの展開がほとんどないものの、新型VRヘッドセットの「Quest 3S」は日本でも即日予約を開始し、10月16日に発売予定だ。
Meta Connectで触れられたVR、AI、スマートグラスの3領域について解説する。
Quest 3の機能を多く搭載した廉価版「3S」

ザッカーバーグCEOは、は基調講演の開始直後に新しい普及価格帯のVRヘッドセットを発表した。
出典:Meta
Quest 3Sの直販価格は128GBストレージ版が4万8400円、256GB版が6万4900円(いずれも税込)。
2023年10月に発売された「Quest 3」はConnect開催直後から値下げされたが、128GB版が6万9300円(在庫限り)、512GB版が8万1400円(いずれも税込)となっており、価格的にも「3S」が「3」の廉価版であることがわかる。
ちなみに、2020年10月に発売され、Quest 3登場後もエントリーモデルとして展開されてきた「クエスト2」はMeta直販ページでは終売となっている。
では、3Sと3の間では何が違うのか。大きな違いは「ディスプレイ」にある。
まず解像度が、Quest 3が2064×2208ドット(1218ppi)なのに対し、3Sは1832×1920ドット(773ppi)。視野角もQuest 3が水平110度・垂直96度なのに対し、3Sは水平・垂直ともに90度に。レンズは3が薄型なパンケーキレンズで、3Sはフレネルレンズを採用している。

Questシリーズの光学系スペックを比較するとその違いがわかりやすい。
出典:Meta
細かなスペックを見てみればわかるが、こうしたQuest 3Sのディスプレイ周りのスペックは、ほとんどQuest 2と同じになっている。
一方で、チップセットにクアルコム製「Snapdragon XR2 Gen2」を採用し、8GBメモリー、カラー対応のパススルー機能(ディスプレイを通して現実空間を見る機能)などはQuest 3Sと3はほぼ同等だ。
そのため、大雑把に「3Sは処理性能は3世代だが、光学周りは2世代」と言っていいだろう。

Quest 2でもモノクロのパススルーに対応していたが、Quest 3/3Sはカラーのパススルーに対応し、PC画面の拡張ディスプレイや各種アプリなどを宙に浮かす表現ができる。
出典:Meta
3との体感的な違いは実機で確認する必要があるが、Quest 3やプロ向けの「Quest Pro」でできるMR(Mixed Reality)の表現やゲーム等はQuest 3Sでも問題なく動作するだろう。
Metaとしては廉価版を展開することで、より多くのVR/MR人口を増やしていく狙いがある。
マルチモーダル対応版も登場した「Llama 3.2」

ファミリーサービスを横断して提供される「Meta AI」。
出典:Meta
Meta Connectは今回で11回目の実施となるが、最近の話題の中心はVRではなく、生成AIになってきている。現にQuest関係の発表は開始10分で終了し、話題はAIとその活用シーンやデバイスに移った。
記事執筆時点で日本語対応に関する情報はないが、Metaは「Meta AI」というエージェントをファミリー製品であるMessenger、Instagram、WhatsApp等に展開しており、今回のConnectでは画像に対する受け答えや、自然な会話が楽しめる音声機能がアナウンスされた。

OpenAIやグーグルらと同様に、MetaもAIアシスタントと自然な会話ができるモードを用意した。
出典:Meta
これらの新機能はMetaが開発する大規模言語モデル(LLM)「Llama 3.2」によって実装されており、マルチモーダルに対応した11Bと90Bの大型モデル、オンデバイスでの駆動を想定した1Bと3Bの軽量モデルが用意されている。
性能としては画像認識などにおいて、Llama 3.2 11BはAnthropicの「Claude 3 Haiku」と、Llama 3.2 90BはOpenAIの「GPT-4o mini」に匹敵するスコアを出しているという。

ラマ3.2。
出典:Meta
MetaはLlamaシリーズに関してオープンソースであることにこだわっている。Llama 3.2についても同社サイトやHugging Faceでダウンロードが可能。MetaのパートナーであるAWSもAmazon Bedrockなどを通してLlama 3.2が利用できると発表した。
AIデバイスの最適解の1つは「メガネ」か

Ray-Ban Metaスマートグラスのリアルタイム翻訳をデモするザッカーバーグCEO。
出典:Meta
生成AI機能をフルに活用するのは、何もWebサービスやスマートフォンアプリだけではない。
Metaは「スマートグラス」の領域で積極的に生成AI機能を活用している。
すでにMeta AIが使える「Ray-Ban Metaスマートグラス」には、今回のConnectで新機能が追加。「AIの起動ワード(Hey, Meta)なしの会話」や「リアルタイムのAIビジョン認識」「英語とスペイン語、フランス語、イタリア語間のリアルタイム翻訳」が可能になる。
また、本体の基板が見える透明フレームを採用したRay-Ban Metaスマートグラスの限定モデルも公開。AI機能への注力と「日常利用もできるスマートグラス」を意識した展開をしている。

透明フレームのRay-Ban Metaスマートグラスも公表された。
出典:Meta
さらに、Connectの終盤には以前からリークされていたコンセプトモデル「Orion(オリオン)」をMetaのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)CEO自らが披露した。
Ray-Ban Metaスマートグラスはカメラとスピーカーを搭載しており、ユーザーがメガネ上で視覚的な情報を得ることはない。一方、Orionは「ARスマートグラス」であるため、QuestのMR表現のように現実世界にアプリの窓を浮かべたり、AIが認識した物体に対して情報を追加して表示したりできる。

ConnectではOrionを試すゲストの様子も公開された。その中にはNVIDIA CEOのジェンスン・フアン(Jensen Huang)氏も含まれていた。
出典:Meta
Orionはあくまでプロトタイプで、一般発売される予定はない。Meta社内の開発端末として使用される見込み。
MetaのCTOであるAndrew Bosworth(アンドリュー・ボスワース)氏は自身のXアカウントでOrionについて触れ、「今後数年間に発売予定のコンシューマー向けARグラスに必要なコアエクスペリエンスとインタラクションパラダイムの構築に役立てる」とコメントしている。
ただ、残念なのはOrionはおろか、Ray-Ban Metaスマートグラスすら日本での発売は現時点では決まっていないという点だ。
その理由は、言語や習慣などのローカライズ面が考えられる。今後のスマートグラス市場全体の盛り上がりとMetaのコミットメントに期待したい。
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