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2024-04-09 08:30:00
PERの利用が効果的な業種は小売り、消費財、製造業だ。
フィクス/シャッターストック
- 株価収益率(PER)とは、1株当たり利益(EPS)に対する株価の割合を示す指標である。
- 低PBR(株価純資産倍率)は株価が割安であることを示す一方、高PERは割高であることを表す。
- PERを同業他社やセクター全体の値と比較することで、割高か割安かがわかる。
株式を買うならお得な取引をしたい。つまり、投資価値のある銘柄を選ぶだけでなく、それを安く買いたいと考える——それが投資家だ。株式価値を評価するツールとして一時もてはやされたのが、PER(Price Earnings Ratio:株価収益率)である。
PERは、投資家が株式の取引価格を分析して、それを他の銘柄や業種全体と比較できる指標だ。PERを見れば、企業が生み出す利益に対して株価が正当かどうかを判断できる。
PERの仕組み
PERは単一の数字として表され、1株当たり利益(EPS)に対する株価の割合を測定する。
PERは通常、呼び値を表示する多くのウェブサイト上で株価やその他重要な指標と一緒に掲載されている。PERは次のように計算できる。

Yuqing Liu/Business Insider
もし、同じ業種の別の企業の株価が50ドルで、EPSが20ドルならば、PERは2.5倍になる。つまり、その企業の利益1ドルを手に入れるために2.5ドルかかる。他の条件が同じならば、理論上、後者の株式の方がお買い得だと言える。
PERの主な種類
PERを測る方法は主に2つである。1つは過去の利益あるいは直近の利益に基づくヒストリカルPERである。もう1つは、PERを計算するためにアナリスト予想などこの先の利益を活用するものだ。後者は予想PERと言われることが多い。
どちらのPERも利益に対する株価の割合を測定したものだが、両者はときどき異なる風景を映し出す。例えば、直近12カ月利益に基づくPERが比較的高い企業は、投資家に割高だと思われる可能性がある。だが、12カ月先予想利益に基づくPERがそれよりも低ければ、アナリストが利益率の上昇を予想している現れかもしれない。
両方のPERを検討することで、株式バリュエーション(株価評価)の全体像を捉えられるだろう。
PERの重要性
PERはバリュー投資、すなわち株価が企業の本源的価値を下回って取引されているように見える企業を探す投資戦略の重要な部分を占める。
一般的に低PERは、株価が割安か好調な業績を示す一方、高PERは、株価が割高か将来の業績向上を投資家が期待していることを示す。
投資家はPERを使って、同業他社やベンチマークと比較できる。例えば、個別株とS&P500種株価指数に連動する投資信託(ETF)に参入するのどちらに投資しようか悩んでいるなら、個別企業とS&P500種株価指数のPERを比べて、どちらが良いか判断することが可能だ。
PERの比較
では、PERが何倍だと高くて何倍だと低いのだろうか? この問いに対する簡単な答えはない。すべては企業の種類によって異なるからだ。
2つの株式のPERを比較するときは、両者が同じ業種に属していることが重要だ。というのも、セクターや業種のPERは構成企業の平均値であり、セクターや業種ごとにPERは異なるからだ。
セクターによって平均PERは大きく異なる可能性がある。例えば、ヘルスケアではPERが30倍と高い企業があるかもしれないが、金融サービスでは10倍程度と低い。
このようにPERが違うのは、業種によって特徴が異なるからだ。例えば、航空会社の設備投資額はテクノロジー企業よりも多く、したがって負債や利益の水準がまったく違うのでPERも異なってくる。
だから、実のところPERは、同じ業種内の企業、あるいはセクター全体の平均値と比べる場合にのみ意味がある。企業の財務モデルやビジネスプランの作成を支援するユニコーン・ビジネス・プラン(Unicorn Business Plans)のエヴァン・フィッシャーCEOは、「どの業界にも最適な指標がある」という。
フィッシャー氏は言う。「そうは言っても、ある業種では他の業種よりもPERが有効だ。PERの利用が効果的な業種は小売り、消費財、製造業である。それに対して、比較的新興の成長性の高い業種、例えばテクノロジーでは、PERはそれほど重要ではないかもしれない。というのも、これら企業はまだ赤字で計算式の分子がマイナスのため、PERを計算できないからだ」
まとめ
PERは、ある企業のいまの株価が同業他社と比べて、あるいは過去の価格と比べて割高か割安かを教えてくれる。PERは、企業の1株当たり利益というファンダメンタルズに注力することで、株価を異常に押し上げている市場バブルや、大幅に押し下げているパニック売りのような外的なノイズを遮断する。
だが、PERは情報源の1つに過ぎず、唯一拠り所とするデータというよりは、むしろ分析を支援するために使うべきだ。
フィッシャー氏は言う。「PERはそれ単独で見るべき指標ではない。私は、PERを企業のある側面の1つとして捉えている。経営の有効性、将来の利益予想、既存の資産、競合他社と比べた市場でのポジション、顧客満足度のような他のあらゆる側面にも留意しなければならない」
※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。
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