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2024-03-21 23:00:00
コカ・コーラの自販機に商品を補充するトラック。駐車禁止対策で夏場にエアコンを切った状態で長時間待機を命じられた従業員が、熱中症で亡くなった。
撮影:土屋咲花
コカ・コーラ ボトラーズジャパンの下請け企業シグマベンディングサービスの労働者が熱中症により死亡した労災事故で、遺族が3月21日、同社に対し安全配慮義務違反があったなどとして5161万877円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。
遺族が加入する全国一般東京東部労組によると、熱中症で亡くなったのはドライバー助手として働いていた当時63歳だった男性Aさん。2020年夏の勤務中に熱中症で倒れ、入通院で治療を続けていたが2021年12月に亡くなった。さいたま労基署が労災と認定している。
物流業界では、2024年4月1日からトラックドライバーの時間外労働の規制が強化され、ドライバーが不足する「物流2024年問題」が深刻化すると指摘されている。
記者会見に参加したAさんの遺族は、2024年問題について「現場は目の前の仕事と板挟みになるのではないか」と、物流業界の働き方に対して改善を訴えた。
下請け企業の弱さが浮き彫りに
遺族とともに会見した弁護団の玉木一成弁護士(左)、梶山孝史弁護士。
撮影:土屋咲花
「夫は真夏の照り返しのきつい繁華街の道路を会社都合で歩かされ、熱中症を発症し、入院治療の甲斐なく死亡しました。夫は『歩かされて悔しい』と訴えていました」
原告であるAさんの妻は記者会見でこう訴えた。
シグマベンディングサービスはコカ・コーラボトラーズ各社の商品配送を請け負う。Aさんは自動販売機に飲料を補充するトラックに乗車し、補充時に車内に残って駐車禁止を防止する要員として勤務していた。
Aさんが熱中症で倒れた2020年8月13日は、元請けのコカ・コーラボトラーズジャパンベンディングへの業務引き継ぎのために同社の従業員が同行し、3人で作業していたという。
トラックに乗れるのは2人。3人のうちAさんだけが、通常はトラックで移動する自販機の間を徒歩で移動することを指示された。自販機への商品補充作業の間は、エンジンとエアコンを切ったトラック内で合計2時間以上待機したという。Aさんが勤務した時間帯(8時45分から11時半まで)の気温は30℃を超えていた。
Aさんは帰宅後に自宅で倒れて搬送され、熱中症3度(重症)と診断された。その後約1年4カ月にわたって治療を続けていたが、2021年12月に死亡した。弁護士によると「ほとんどの期間入院をしていて、回復しないまま死亡に至った」という。遺族は2023年4月、シグマベンディングサービスに対して「作業中止などの措置を講じるべきであったにもかかわらず、これを怠った」などの安全配慮義務違反があったとして損害賠償や再発防止などを求めて団体交渉したが、同社が回答を拒否したことで提訴に至った。
全国一般東京東部労組によると、同社がトラック内での待機時にエンジンやエアコンを切っていたのは、アイドリング防止のためという。多くの自治体は条例でアイドリングストップを定めている。
Aさんの熱中症発症を受け、同社では待機時にエアコンをつけるようになったという。
過酷な労働環境は他でも
コカ・コーラの下請企業では、以前にも過重労働の問題が指摘されている。2020年には、シグマベンディングサービスのグループ会社であるシグマロジスティクスの営業所で、長時間労働の労働基準法違反が確認されたとして、労基署が是正勧告を出している。
会見に出席したAさんの兄は、4月1日からトラックドライバーの時間外労働の規制が強化される「物流2024年問題」に触れ、
「実際、目の前に残っている仕事と、今度の2024年問題(残業規制強化)の間で板挟みになるのではないか。会社やお客様に忖度して自らサービス残業をすれば、熱中症の危険はさらに高まってしまうと思う」
と危機感を訴えた。
シグマベンディングサービスはBusiness Insider Japanの取材に対し「弁護士に依頼しているため、お答えできることはない」と回答している。
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